青髪青年のラルム
ドアを開けると大音量のオーケストラの音が聴こえてくる。部屋は舞踏会の会場になっており煌びやかなドレスを着た者たちが仮面をして踊っている。
私たちが呆気にとられていると、ボーイがやってきて「お飲み物はいかがですか」と声をかけてくる。その場を凌ぐためにグラスを取る。
「ソレイユ、その恰好は!」
ソレイユをみるとこの場にいる貴族の一人のようなドレスアップした格好に変化していた。
「あれ? 本当だ! そういう自分の姿もご覧なさいよ」
私の恰好もドレスアップしており、この場に馴染んでいた。ライムの姿が見当たらないので辺りを探してみる。
「ノアしゃま。オイラはこんな姿になったでちゅ」
ライムはスライムの姿からライム色の髪色をした女性に変化していた。
「失礼なこと聞くけど、もしかしてライムって女性?」
「オイラもスライムに性別があるかも知らなかったでちゅ。でも胸に大きな柔らかいものもあるから女性になったみたいでちゅ」
ライムは本物の胸が嬉しかったのがぴょんぴょんと飛んで胸が動くのを楽しんでいる。いや、ラルムのために研究しているのかもしれない。
「ライム、ラルムはここにいるのか?」
「多分、近くにいるでちゅ」
「わかった。探そう」
「はいでちゅ」
私たちは目立たないようにと壁際を歩きながら、ラルムを探す。ラルムを探していると会場の中心で銀色の長い髪を靡かす女性と青髪の長い髪を結っている男性が踊っているのが目にはいる。仮面を着けているのに美男美女だとわかる。他の者と違う気品と自信に溢れている二人の踊りは他の者たちの視線を奪い時間を止めているかのよう。二人だけの世界が創られていた。
「あれは! ラルムしゃまでちゅ!」とライムは美男美女を指さす。
「え? あの美男美女が?」
「青髪の青年がラルムよ」
「青髪の方? え?」
「ラルムの地毛は青なのよ。それに本来は男性だからね。今みているラルムの姿の時はすごくモテまくりでね。街に出て買い物に行くだけでも女性たちが後ろからぞろぞろと付いていくの。それだけならまだ可愛くて、女性って自分が一番でないとみたいな気質みたいのがあるじゃない? ラルムの身に着けているものを奪うようになっていったのね。好きな人の物を身に着ければ傍にいる感覚になったみたい。それがエスカレートしていって、女性同士の争いとかもあったりして。それでもラルムは笑顔を絶やさなかったんだけど。ある時、ラルムがお気に入りのお菓子さんの店員さんと会話していたら、その店員さんが女性だからって取り巻きたちから嫉まれちゃってね。その店員さん目を失明させて、手も使えなくしちゃってね。店員さんは目もみえるように、手も使えるようにと見た目も前と変わらない感じには戻ったんだけど、人間恐怖症で自ら命を絶ってしまったの。それからラルムは今の姿になったわ」
「そんな過去が」
ラルムはエトランジュで本来の姿になっていた。髪色はピンクのままだったけど。ラルム男性の姿はノアの相方のノエにそっくりで見た目を好きといってしまった訳で。嫌な思いをさせちゃったよね。って過去を後悔しても仕方がない。
それより声をかけるべきよね?
タイミング難しくない?
ラルム、私の声を聞いて‼
なんていってもしょうがないし……。
「ねぇ、君。僕を呼んだ?」
ラルムが私の目の前に立っていた。
お読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願い致します!




