七つの海のマーメイド④ 空という海の楽園へ!男の娘の胸にはアレがいる?!
海が上(空)、空が下(海)の世界とは住んでいる人々からするとそれが当たり前になる。当たり前とは逆が当たり前ということではなく、感覚が当たり前ということでもなく。そもそも西と東では住む種族の関係で上と下が逆転するという話らしい。西と東の境界線を越えるとワープする感じで逆転の世界になっているのに今までと何も変わっていないということになるらしい。
何故、私にはそれが逆にみえるかはこの世界の人間ではないから異世界人だからという理由だそうだ。この世界に生まれた者は必ず魔力を持つ。私のように生まれていない異世界転生者の場合は、魔力がない代わりにギフトと呼ばれるスキルを付与されるか、魔法の適性がある場合は無限の魔力と魔法が使えるようになるかの二択になるそうだ。この世界の大魔法使いの大半が転生者らしいという噂もあったりなかったりするそう。
ラルムのおかげで話は進み、水柱を上り、今は空の海の中にいる。私は海でも地上と同じように息ができ、逆さまにならないようにと特殊な魔力を込められたブレスレットをもらった。ブレスレットは小さなバリアを作り出しており、息が出来るだけではなく全身が水に濡れることもない状態になっている。
海の底にある広い空間、まるでイベント会場のような何もない場所にラルムと私はポツンと座っている。飾りもなければサンゴや岩場なども見当たらない、殺風景な光景。海という全体的に青々しい景色なので青色の心理的効果のせいなのか少し寒さを感じる気がする。そんな私の隣にいるラルムはご機嫌の様子で鼻歌を歌いながら左右にカラダを揺らしている。
「なになに? そんなに縮こまって? 緊張しているの?」
「ちょっと寒い気がして」
「そうなの? じゃあハグしよっか」
そういってラルムは私を優しく包み込む。ラルムはカラダを揺らしていたせいなのかなんだかあたたかい。……ん? なんか聞こえる?
「ぽよよーん、ぽよよーん」
「ぽよーん、ぽよーん」
ラルムの胸から声が聞こえる? 私は確かめるためにラルムの胸に顔をうずめてみる。
「きゃ! ノアったら大胆♡」とラルムは私の顔を更に胸に押し込む。
「ぽよよーん、ぽよよーん」
「ぽよーん、ぽよーん」
やっぱり声がするよね? 胸にスライムが住んでいるの? スライム上の胸からスライムに進化したってこと? え? どういうこと?
「ああ。バレたか。胸の柔らかさ、躍動感を求めた結果、本物の流動体を入れてみたらそれっぽくなるかなってお試し中でして」
「え、ああ、そうなんだ。お、面白い試みだね」
ラルムは恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にして縮こまってしまう。さて、どうしたらいいものか。
そんなことを考えていると、音楽が聴こえてくる。
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