七つの海のマーメイド③ マーメイドの住む世界って海の底じゃないの?
ギルトスは真っ白な肌にプヨンプヨンと歩くと音がなる大きなお腹の男性に変化してから門番の持つ大きな鍵のついた杖を真っすぐに立てる。杖は真っすぐだが、ギルトスは猫背で丸くなっている。
「それで今日は何用ですか? ラルム様」
「今日はネプトゥーヌス様に大事なお話が合って。ただ約束はしていないんだけど」
「そうですか。それでそちらのイケメンもご一緒に?」
「そう。出来たら彼も一緒に行きたいんだよね。ということでそれについても一緒に伝えてほしい。今回はソレイユの大事な無くしモノの件について話があると伝えてもらえるかい」
「わかりました。ということだ。リス、よろしく」
「トス、承知した。ラルム様、しばらくお待ちくださいね。可及的速やかに確認してまいります」
「よろしく、ギルリス」とラルムはギルリスに投げキスをする。
ギルリスは投げキスを両手で抱え込み強く抱きしめて(自分のカラダを強く抱きしめる)から氷のボードの上に乗り、両手を大きく上げて海老反りの体勢になり一度停止し、数秒後その両手を海に力いっぱい叩きつける。すると大きな水飛沫があがり、雲の上まで真っすぐに上がっていく水柱が出来る。ギルリスはその水柱に乗り、雲の上まで上がって行く。
「え? 人魚の国ってどこにあるの?」
「ノアはどこにあると思ったの?」
「海のイキモノだから海の中? 海の底に街があるのかと」
「ノアの世界ではそうだったの?」
「ボクの世界では人魚って架空のイキモノだったから、誰かが考えた空想の世界として海底に住んでいるというのが一般的だったよ」
「そうなんだ! 確かに海のイキモノだから海に住んでいそうだよね。でもこっちの世界では人魚たちは空の海に住んでいるんだよ」
「空の海?」
「ああ、今いるのはノアが拠点にしていたアンファングと真逆側にいるんだよ。アンファングは東側と呼ばれる海が下、空が上の世界。天使がいたところもなんだけど、今いるここは西側で海が上、空が下の世界。ここは海にみえるけど空なんだよ。しかもこの空間だけ海に囲われているだけでよくみると周りは白いでしょ? ここは雲の中ってことなの」
少しパニックになったけど、よく考えればこの世界に初めて来た時にも見た光景だと思い出した。
そう。ワームホールを抜けると地球のように地面と海があるが、空が海で海が空の世界が見えてきた。海という空、空という海にはドラゴンや魔法使い、天使や妖精などの翼があるものたちが飛んでいる。飛べない者たちは海という空を逆さ船で移動している。私の今までの常識が通じない世界へと辿り着いた。
そう、これなのだ!
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次回もよろしくお願い致します!




