この世界のルール
「うわあ!」
「落ちるー! ルイ、手を繋いで」
「うん、リル!」
ルイはリルのカラダをギュッとハグをすると、リルはルイの頭を守るようにギュッと抱きしめる。
「おっと! ここにお店を開いてからこんなことはじめてだ!」
チャミュエルはお店ごと落下しているというのに呑気にヘラヘラとしている。
「チャミュエルさん! このまま落ちていて大丈夫なんですか?」
「そうだね、ダメな気がする。ということで、ほいっとな」
チャミュエルが指をパチンと鳴らすと落下していたコンビニが一瞬止まり、上昇していく。その衝撃で私とリルルイは床に叩きつけられ、上昇し終わると浮き上がり再度床に叩きつけられる。
「チャミュエルさん、痛いです……」
「あ、ごめん。自分が宙に浮いているからてっきり皆もそうかとね、あははは」
チャミュエルは指をパチンと鳴らすと回復魔法をかけ、怪我を治してくれる。
「安心して! これはお詫びなのでお代はいただかないよ」
「僕は君たちにお代をいただくよ」
ブルードラゴンになったラルムがコンビニの上にドンっとのり、コンビニの中をじっと見ている。
「ラルム? お代って?」
「ノアにじゃないよ。双子にいってるんだ。ノアから受け取ったものを返すか、お代をいただくよ」
「でもこれはボクがあげたものだからお代はいらないよ」
「ノアは何もわかっていない。あれはとても希少価値が高いアイテムなんだ」
「そうだとしてもボクは」
「ノアの意見は聞いていない。双子たち、どうするんだ?」
「ボクらはどうしたらいい? イヤリングを見つけて返すよ」
ラルムは尻尾をコンビニの壁にバシンバシンと叩きはじめる。
「ラルムちゃん、壊さないでね」とチャミュエルは壁を抑えている。
「それに関しては元々ソレイユのものを僕が預かる予定だったんだから責任をもって僕に返す必要がある。君たちもソレイユのイヤリングを盗んだということはその使い方を知っているということだろう?」
「……知ってる。けどそのために集めているわけじゃない。そのアイテムたちにボクらが探しているモノがあるかを調べているだけだ」
「ほう、それを信じろと? まあいい。アイテムがわかるならイヤリングと共に他のアイテムをもう一つ一緒に持ってきたらそのネックレスをあげるよ。それでいいだろう?」
「わかった。見つけたら会いに行く」とリルとルイは軽く会釈をして姿を消す。
ラルムは人の姿になり、コンビニの中に入ってくる。
「ラルム、そこまでしなくても」
「ノア、彼女たちの事情は知っているよ。だからといって彼女たちにとっての別の世界で何をしてもいいわけじゃない。そもそもアルコンスィエルの存在や使い方を知っている者もほとんどいないんだ。それにアルコンスィエルを持つ者は選ばれた者だし、本人以外が持つなんてことは普通あり得ないことなんだよ。そして選ばれたものが手放すにも条件があって、奪うとか騙し取るとかは不可能なんだ。現状は僕が預かる予定でソレイユが手放した隙に取られたわけだから僕に返すのは当然のことだよ。それにノアは渡したアイテムはアルコンスィエルとは違うけどそれに近い特殊な力が込められたアイテムでもある。だからお代はもらうべきなんだよ」
「よくわかっていないけど、事情は理解したよ」
「ならよかった」
「ノアの優しさは素敵だと思うけど、この世界を守るためにもこの世界のルールを理解してほしい」
「わかった」
「さて、せっかく世界の端にいるわけだけど、僕とデートをしながらアルコンスィエルの一つでも探しにいかないかい?」とラルムは手をまっすぐに出してくる。
「是非、お願いします」と私はラルムの手を掴む。
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