娘ができました(1児の父になりました)。
「ええ! なんで僕だけ置いてきぼりなの!」とラルムが大声で叫ぶ。
ここは食事処シュヴァルベ。今はラルムと昼食を取りながら真剣な話をしている。
「落ち着いて、ラルム。ラルムはSランクだからボクらと同じクエストを選ぶことが出来ないんだ」
正確には私というFランクの者がSランクと同じクエストが受けられないということだけど。
「やだ! ノアと一緒じゃないとやーだー!」とラルムは駄々を捏ねている。
「ここのルールなんだよ。Sランクは特別枠でね、クエスト自体を基本受けられない。例外としてクエストが受けられるのは非常時だけなんだ」
「ここに一人ぼっちなんて寂しくて死んじゃうよー」
「そうだ、ラルム。手のひらサイズのドラゴンとか、動物に変身は出来ないの?」
「あーそれなら、こんなのは?」とラルムは十歳位の少女に変身する。
「あ、ああ。子供ってクエストにいって大丈夫なのか?」
「多分、大丈夫。確か七歳から徒弟制度があるから師匠に付いて仕事をしたり、冒険者になれたはず」
「そういうことなら再登録すればいけるということか?」
「まあやってみないとわからないし! ギルドにいってくる!」とラルムは少女の姿となりギルドに再登録をしに行った。
しばらくして私のもとに来て「ノア! ノアがいないとダメっぽい!」と言って私はギルドに連れて行かれる。
「お姉さん! この人がぼ、私のお父さんのノアだよ!」とラルムは冒険者ギルドの受付の人に、私を紹介する。
ん? ちょっと待って? 今、お父さんっていった?
「うん。言った。だって保護者がいないと登録できないんだって」とラルムは私のココロの声を読み、テレパシーで会話をしてくる。
徒弟制度があるとか、師匠がいるとかではダメなの?
「それもノアにしている。けど十五歳以下は保護者の承認がないとダメだって言うんだもん」
それで、私が保護者になるの?
「だって他に適任者いないでしょ?」
そう言われると……でも突然、父親になれるの?
「うんとね、正確には本当の親が亡くなって、親戚のおじさんに面倒をみてもらっているって説明している」
そういうストーリーなわけね。
「そういうこと。なので話を合わせてくれるよね?」
そこまでしなくても……そんなに私とクエストに行きたいの?
「うん。一人ぼっちは嫌い」とラルムは涙を流しはじめる。
ココロの声は他人には聞こえていないし。子供を困らせる大人の絵ですよね? これは。ああ、もうこれは父親になるしかないのね。
「お姉さん、この子はボクの娘です。そして徒弟制度で契約をしています。なので彼女を冒険者として登録をお願いしたいのですが、お手続きの方お願いできますでしょうか?」
受付のお姉さんはキョトンとしてから、私を上から下までなめ、じっと見つめてから「あ、はい! 承知しました! お待ち下さいね」と言って手続きを行ってくれた。
「うふふ。ノア、ありがとう!」とラルムはダンスをするかのように大喜びをしている。
ラルムが嬉しそうだから、細かいことはいっか。といいたいところだけど、皆になんて説明しよう。まあ信頼し合う仲間だし、気にすることないか!
お読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願い致します!




