Re:start スポンサーがつきました!
先日まで行っていたエトランジュの街で所持金を全てポイントに替えてしまった結果、所持金が底を突いためスタートした街『アンファング』に戻ることとなった。ここで元々していた仕事のアルバイトをしながらいくつかのクエストを熟し、旅の資金を稼ぐことにした。ちなみにクエストをクリアしていけばレベルもあがるだろうという意図も含まれる。
私は食事処のシュヴァルベでウェイターをしながら時々、ステージで唄を歌う。そんな生活がまたはじまった。私の唄は評判を呼び他の街からのお客さんも増えていた。
その中にファッションデザイナー、パタンナー、ソーイングスタッフなどのご一行様が偶然、食事処にやって来た。私が唄っている姿をみて、デザイナーであるジェンマは私に一目惚れをしてモデルとして採用したいと言ってきたがそれを丁重にお断りした。お断りしたのだが、諦めきれないジェンマは別の提案をしてきた。
「じゃあ! ノア! 私がデザインした服を着て生活して欲しいの。もちろんお金はいらないわ。私の服を着て宣伝をしてほしいのよ。そしたら魅力的なノアの着ている服に興味を持った人が服を買ってくれる。こんなこというのもあれだけど、私は有名なデザイナーで私の服を欲しがる人は多いのよ。これならお互いいい条件じゃない? どうかしらかしら?」
「そうですね。確かにいいお話ですが……」
「あら? 二つ返事をしてくれないわね。何か問題があるかしら?」
「えっと失礼ですが、服とはあの装飾が美しくフリフリやヒラヒラした服ですよね?」
要するに昔の王族や貴族とかが着ていそうな服。現代だとキラキラ王子様系のアイドルとかが着ていそうな衣装で、私服として着るのには不便そうな服である。少なくともクエスト攻略では重すぎて着ているだけで体力が削られそうな気がする。
「私のデザインがお嫌い?」
「そういう訳ではないのですが、ステージに立って唄う時にはいいですが私服というか普段着となると少し派手かなと思いまして」
「目立っていいじゃない!」
「出来たらあまり目立ちたくないというか」
「そんな美形なのに目立たないなんてもったいないわ」
「ボクは時間があれば唄う感じですが、普段は冒険者としてモンスターと対峙するのでステキなお洋服が汚れてしまうというか……」
「あら! そうなのね! なら唄う時の衣装、地味目の私服、冒険に行くときの服と防具を提供するのならOKもらえるかしら? もちろんパーティメンバーの服もご一緒に提供させてもらうわ! お願いよ! 私に全部やらせて!」とジェンマは唇が触れ合いそうな距離で迫ってくる。
「そ、そんなにですか? 逆にご迷惑ではないですか?」
なんでそこまでして私に服を着せたいのだろうか? これも魅力極フリのせい?
「迷惑だなんて! 是非やらせてほしいわ! そうね、話していてもアレだから明日にまたここの食事処に来るわ! その時にサンプルを持ってくるからそれをみて考える、でいいわね!」とジェンマはまた一歩近づくので私は一歩下がることにした。
「え、あ、はい」
そんなこんなで半ば強引にという形で服の提供を受けることとなった。
***
次の日、皆に集まってもらいジェンマの持ってきたサンプルを見ると想像を超えていた。私以外のメンバーの服はそれぞれの個性に合わせた私服とアクセサリー、クエスト用にはそれぞれの武器や攻撃距離に合わせて作られた防具が用意されていた。まるでメンバーの思考を読んだかのようにそれぞれの好みに合っている。
そして私の私服やステージ衣装が推しであるノアが着ていた服そのもので驚いた。なんでこんな物が想像でき作れるの? と服をじっくりと見ていると。
「こんな服を今までみたことがないわ。ノアは面白いわね。興味深いわ。そう、言い忘れたわ。私は人のココロを読めるの。読めると言っても条件付きの質問をして、その質問の答えとなる思考というか映像がみることが出来るのよ。だから私の服は人気があるのよ。だってその人が欲しい物がデザインできるんですもの。これは持って生まれた才能というやつかしら」とジェンマはニッコリと微笑む。
ある種のテレパスということなのかな? 異世界だし、人の思考を読む人たちがいることを考えるとありえる能力か。やっぱり異世界って面白い!
私もメンバーもジェンマの服が気に入り、服を提供してもらうことにした。こうして私たちは服に困らない生活を送ることとなった。
お読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願い致します!




