不思議な街・エトランジュ④ この街の嘘と真実
リルとルイは「大事な話がある」と言って二人が寝泊まりしている宿屋に向かう。部屋に着くとルイが首から吊るしている鍵でドアを開ける。ドアを開けると星空の壁と天井、床は月のクレーターのような柄の絨毯、部屋には惑星のような球体がフヨフヨと浮いている。まるで宇宙のような空間が広がっていた。
「ちなみにここは宿屋のドアの中だけど」
「ドアの中ではありません」
「となると、その鍵が別空間に繋がっているということ?」
「お! 理解が早いぞ」
「このお部屋、どう思われますか?」と双子は私の顔をじっとみている。
「すごい! ステキでオシャレだね! まるで宇宙にいるみたいだ」と言うと。
「ふーん。やっぱり、この世界の人じゃないのか」とリル。
「では転生者ですかね? ふふふ」とルイ。
そうか。この異世界は見た感じファンタジーに近い世界観。ということは宇宙とかそういうのが解明されていない世界なのね。それに鍵が別空間に繋がるとかも思いつかないよね。発言には気をつけないと、もう遅いけど。
「なら、納得だ!」
「そうね、転生者は警戒心が強くてココロのバリアがしっかりしているのでしょうね」
「ということで、転生者くんなら話が早い!」
「そうね、私たちの言うことを理解してくれそうですね」と双子は満面な笑みを見せる。
「転生者の存在を知っているということはその話しても大丈夫なんだよね? 元々は地球という惑星の日本に住んでいたんだといっても地球がわからないか」
「ん? 地球人か! 以前僕らもその惑星、日本にいたよ」
「実は私たち! ただの魔法使いではなく色んな惑星で修業をする魔女なんです。なので地球にも修行の旅に行ったことがあります」
「そうなんだ! なんかそんな知り合いに出会えるなんて感動だ!」
「僕らも感動だよ! 日本人はココロのバリアが厚い人が多いんだ」
「そうね。なら安心して私たちのクエストの依頼が出来ますね」
「クエストの依頼?」
「うん。クエストの依頼内容の『誰かを助ける』これを依頼したのは僕らなんだ」
「案内人に提案してこの依頼をクエスト化してもらったんです。これの本当の意味は『この街の人々を助けて』なんです。この街は人魚族のソレイユという女性が作りました。ソレイユは太陽に憧れて空に湖を作り今はそこに住んでいます。人魚は人間の姿にもなれますが人間の足では歩く度にナイフで抉られるような痛みを感じるらしく、基本的には湖の中で人魚として暮らしています」
「最初はソレイユだけで暮らしていたんだけど、独りが寂しくなっちゃんだ。それで唄声で人々を集めはじめたんだけど人が定着しなかった。そこで来た人たちに唄で魔法をかけた。見た目を理想にする魔法を。すると人々は自分の理想の姿になれたことで喜んだ」
「でもすぐに飽きて、また人が出ていってしまいます。それからこの街を目立つようにとこの街をみたものに興味が持つように魔法をかけ、壁に触れさせ強制的に街に入れて、そこからお金を奪い、お互いを助け合うという名目で人々を閉じ込めたのです」
「ここにいるものは皆、冒険者たち。仕事はさせるが、家はなく宿屋に住み、飲食は食事処のみで行うためお金の代わりのポイントが一向に貯まらない。そんなシステムの街を作って人々を苦しめている」
「でも人魚の魔法で苦しんでいることは忘れて『誰かの為に何かをして幸せだ』という嘘の感覚を与えているのです」
「そうだったのか。この街を救うのがクエストなんだね」
「うん」
「お願いできますか?」
「事情はわかったけど、どうすればいいのかな? 人魚を捕まえるってこと?」
双子は顔を見合わせ悩んでいる様子。そしてお互いの額を合わせ、両手を握り合う。額を合わせて会話でもしているのだろうか。と双子の様子を見ていると、両手をバチンっと合わせてから「この作戦で行こう!」と言い出した。しかも二人とも満面の笑顔で。
一体どんな作戦なの?
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