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不思議な街・エトランジュ③ この街のシステム

「少女から年老いた男性の声がする?」とラルムが不思議そうに少女を見る。

「ワシはこの街の案内人じゃ。御主が言うようにワシは老人じゃ。見た目は可愛い孫娘の姿じゃがな、ほほほほほっ」


「それで案内人さん、クエストの依頼内容は『誰かを助ける』ってどういうことなの?」

「それはじゃな、そのままの意味じゃ」


「えっと、そのままの意味と言われても具体的にはどういうことなのかもう少し詳しく教えてもらえるとありがたいんだけど」

「へ? なんじゃって?」と案内人は眉間にシワを寄せながら耳を傾ける。



「あ! おじいちゃん! こんなところにいたのか! 休んでいてって言ったのに!」

「そうよ、休んでなきゃダメですよ」

 真っ白の髪に真っ白な服装の少女と藍色の髪に藍色の服装をした少女が案内人に声をかける。


「おお、お前たちか。お前たちが来たなら任せようかの」と案内人はゆっくりと帰っていく。


 あれ? 話が全く進んでいないような? そして今度は本物の少女たちなの?


「おじいちゃん、最近ボケボケでね。僕たちが説明するね! 先ずは自己紹介を。僕はリル、この双子の姉のルイの妹だ」と白い少女。

「はじめまして、私の名前はルイ。私たちは魔法使い見習いをやっています」と藍色の少女。


 彼女たちの自己紹介に合わせて私たちも自己紹介をする。


「では話の続きをしよう! 先ず、ここではお金という概念がないんだ。その代わり貢献ポイントというのが一人一人に付与されている。これは市民だけでなく他の街から来た者もその対象となる」

「そのポイントで食事が出来、宿も泊まれます。ポイントは『誰かを助ける』ことでもらうことが出来ます」


「ポイントは仕事をする、言葉の意味のまま誰かを助けることなどで発生して、助けてもらった側は自分のポイントを渡すという形で報酬を出す。ここはそうやって助け合う街なんだ」

「ということで皆さん、お仕事をしてください! ということです」


「ポイントとはいったけど、ここだけの通貨だからお金みたいなものなんだけどね」

「ここでは外の共通通貨は使えなくて没収されてしまいます。その代わりにポイントという通貨をもらうカタチとなります」


「わからないことがあったらなんでも聞いて」

「私たちは皆さんのフォローするのがお仕事の一つですから」

 双子は交互に説明をし、説明が終わるとニッコリと微笑む。


「じゃあ、早速ですが質問をしてもいいですか?」と手を上げてみる。

「どうぞ、どうぞ」と双子はハモりながら答える。


「クエストというくらいだから何か探すとかモンスターを倒すとか、そういうのもあるんですか?」

「モンスター? なにそれ美味しいの?(美味しいですの?)」と双子はクスクスと笑いながら答える。


「えっと、モンスターというのは……」と説明しようとすると

「知ってる、知ってる! でもここにはいないよ! だってここは強力な壁で守られているからね。モンスターは一匹たりとも入ってこれないよ」

「探しものの依頼はあるかもしれませんが、それは個人的なものになりますね」


「なのでとにかく仕事をすればいいというわけ」

「そこで個人的なお願いが出てきて多くの報酬をもらうこともありますよ」





 それから私たちはそれぞれで仕事をはじめた。仕事の報酬は低い訳では無いが貯まることはなく、日々の生活費である食事と宿屋の支払いで終わってしまう。誰かから別途何かを依頼されることもない。また宿屋のルールとして一人一部屋というのがあり、そこを節約することが出来ない。ここは見た目と性別がイコールではないので安全のため一人一部屋ルールがある。


 毎日淡々と仕事を熟す日々。私はこの街に来て一週間が経った頃から違和感を覚えはじめた。一緒に来たメンバーがこの街から出ると言わなくなり、今の見た目が生まれた時からのように受け入れるようになったのだ。



「皆、そろそろ本格的にお金を貯めてこの街から出ないかい?」と聞いてもこの街の人が優しい、この街の居心地がいい、この街は他と違い美しい、この街にこのまま住みたいなどと言いはじめた。


 確かに街の人は優しい。優しいというより相手に合わせる、都合にいいようにもっていくという流れを感じる。本来は頼まれると報酬が発生するのだがそれを「自分たちの仲じゃないか!」というように報酬を支払わないケースをみるようになった。


 また見た目が本来の姿と違うように、言っていることも不思議なことも多い。これも自分都合に言っているように聞こえてくる。それに街は美しいどころか汚いと思う。落書きだらけでゴミも散乱している。臭いも独特でどちらかといえば不愉快な気分になる。



 私が不快そうな表情をしていたのをみた双子がこっそりと声をかけてきた。

「ノアには真実がみえているんだね」

「ノア様になら私たちの依頼を叶えられるかもしれません」


 それってどういうこと?

お読みいただきありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

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