不思議な街・エトランジュ② 本来の姿と理想の姿
目の前には細マッチョ青年になったラルム、ガチマッチョ青年になったロゼ、見た目はほぼ変わらないが水色の瞳と銀髪の老紳士になったエトワール、美しい男性になったルヌ、華奢な美少女になったアンジュ、サラサラの髪にうさ耳と丸い尻尾がついた半獣人になったアムールがいる。ちなみに私は姿が変わらない。理由は推しであるノアの姿が理想だからというのと前世の姿には戻らないということらしい。
「師匠、オイラこんな姿になるのが夢だったっす」とロゼは真っ白な歯をキラーンキラーンとさせながらボディビル大会のようなポージングを決めまくる。
「オレは……なんというかお揃いというか憧れがというかだな……」とエトワールはこちらをチラチラ見ながらモジモジしている。
ロゼは理想の姿でエトワールは私というかノアと同じ瞳と髪色ということはそういうことだよね。お揃いに憧れる! すっごくわかるよ! それにしても誰にも興味ないという雰囲気を出しているエトワールにこんな可愛いところがあったとは。
「あ、あの違うんよ! アタシは男性に憧れてるんじゃなくて兄を尊敬してるというか、憧れてるというかで兄の姿になってるん」とルヌはテンパってアワアワとしている。
これが兄の姿ならとても美しい男性だし、やっぱりエルフ族というのは容姿端麗というか眉目秀麗というか。そこに立っているだけでも存在感がすごすぎる!
「私はえっと、その理想の姿になれたのですがなんだか恥ずかしいです」とアンジュは真っ赤な顔を両手で覆い隠し、内股でモジモジとしている。
普段もこんな感じだけど身振り手振りが大きい、リアクションがオーバーなせいか可愛さが増しているようにもみえる。本当は女としてハグギューってしたいけど我慢、我慢!
「あ、え? これ? なんだろうね?」とアムールはうさ耳を垂れ耳にしては放すを繰り返し、恥ずかしさ誤魔化そうとしている。
うん、やっぱり可愛いは正義だね! 前世の私もこういう可愛さに憧れたこともあったな。夢の国で耳の付いたカチューシャとかね、やりたかったよね。
「僕も見た目が変わるならアムールみたいに半獣の可愛いお尻尾とお耳がほしかったよー」と細マッチョイケメンのラルムがクネクネしながら駄々を捏ねている。姿が姿なのでそのギャップが面白く、そして可愛い。
ラルムは可愛いが聞こえたらしく、こっちをみながらウインクしながらダブルピースをしてくる。うん、それも可愛いですよ。
「私だって好きでこんな姿になったわけじゃない」とアムールはぷいっとする。ツンデレ感もいいな、萌えちゃう!
「じゃあ、僕と交換しようよー。可愛いフワフワのお耳ほしいよー」とラルムはアムールの耳をツンツンと引っ張る。
「か、可愛いだと! 嫌だー! もとに戻してくれー」とアムールは叫びだす。
「僕も可愛い僕に戻してよー!」とラルムも叫びだす。
アムールは少なくともそれが理想の姿なんだろうし、ラルムは事故みたいな感じかもしれないけど。
「えっと、とりあえず皆落ち着いて! この街から出ればもとに戻るのだろう?」と聞いてみる。
「多分、そうだと思うんだけど。僕らがここを出るにはクエストをクリアする必要があるみたい」とラルム。
「それはどういうこと?」
「僕らは助けてもらって、ここの宿に泊まらせてもらっているんだよね。まあ要するに今のところお金は払っていなくてね。その代わりにクエストの依頼書をがね、置いてあったんだよね。お金はこのクエストで払えということかなと」
「あ、そういうことか」
「みたい。で、クエストの依頼内容は『誰かを助ける』としか書いてなくてね……」
「え? それって」
「ええ。ゴホン。クエストの詳細はワシが説明しよう」と小さな女の子が大きな杖を持ち立っていた。
お読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願い致します!




