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願いを叶える石『アルコンスィエル』

 ドラゴンの件から数日が経った。私は何も言わず出ていったため何日も行方不明扱いになっていた。街の捜索隊と冒険者たちが私を探していてくれたそうだ。私は各所に「冒険へ行って帰れなくなったと」余計に心配されるような微妙な言い訳をしてまわった。そして今まで通り働きはじめた。今度は冒険が当分禁止になってしまったけど。


 カノアさん家族からはお礼として『幻の泪』を3つもらった。私がカノアさんを快復したことでその嬉しさからそれぞれが泪をこぼれ落としたそうだ。売ってしまうのもと思い貴重アイテムとして保管しようとしているとラルムに「そのアイテムは愛がほしがってるモノに変化するよ」と言われる。


「それって? まさか?」

「そう。願いを叶える石だよ。|ブルードラゴンの泪は3つ《・・・・・・・・・・・》あると、その願いを叶える石に変化させることが出来るんだ」


「そうなの! どうやればいいの?」

「簡単さ! 3つの泪を合わせてみて」


 ブルードラゴンの泪を三角形のカタチに3つ合わせてみる。3つが合わさるとカンカンと鐘のような音が3回鳴り光に包まれる。光が収まるとそこには1つのビー玉サイズの青色の石に変化していた。


「これがその石なの?」

「うん。僕もはじめてだからわからないけど、多分ね」


「これを使えば願いが叶うの?」

「だといいんだけどね。そう上手くは出来ていないんだ。願いを叶える石の名前は『アルコンスィエル』というんだ。そしてこの石は七色の石を集めないと作ることが出来ない。要するに今持っている青の石はその内の1つであり願いは叶えられない」


「そうなんだ。こんな事言うのもあれだけど色々と詳しいよね?」

「それはそうさ。僕はブルードラゴンの長であり、見た目と違って結構年齢は高いし、人の世界にも入れるからね、知識は豊富なんだよ。ちなみにブルードラゴンでココロを読めるのは僕だけね。そう誰でも使える能力ではないんだ」


「そうなんだね。色々と教えてくれてありがとう」

「いえいえ。知りたいことがあったら何でも聞いて! 僕は愛のノアの力になりたいんだ」


「ありがとう。でもなんでそんなに親切にしてくれるの? 転生者だから?」

「いや、君の魅力に惹かれたからさ! なんてね」とラルムは私の頬にキスをする。


「うええええ」と思わず恥ずかしくなり顔を隠す。

「あはは。照れ屋さんだな! キスなんて挨拶だよ? ふ・つ・うだよ?」


 私の中身は女性で外見は男性な訳で? ラルムの中身は男性で外見が女性?

 周りから見ると男女? 周りからみなくても男女か!

 中身の私からみると同性からキスされている?

 あれ? よくわからなくなってきたよ?


「そ、そうでしたね。確かに皆、頬にキスしたりハグしたりをしますよね~普通ですよね~挨拶ですよね~」とココロにもないことが口から出てくる。

「なんで急に敬語になるんだよ~そして頭の中が面白いよ~」とラルムはケラケラと笑う。


「え? あ! はい、すみません」

「まぁまぁ落ち着いて!」


「うん」

「僕ね、君の魅力という能力を最大限に使う方法を思いついたんだよ。次の仕事休みにちょっと付き合ってよ、ね? お願い!」


「わかった」

「じゃあ、約束ってことで指切りしよ!」


「指切り?」

「あれ? 指切りを知らない?」

 ラルムは小指を出して待っている。指切りってこの世界にもあるんだ! 私も小指を出して指切りという約束をする。

お読みいただきありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

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