『魅力』以外のステータスはオール1なのにこの攻撃力はなに⁉ (前編)
私が大きな声を発した瞬間、音の波動が広がっていくと同時にスライムたちが消滅していく。
「え? どういうこと?」と独り言を呟くと新たに向かってきていたスライムが消えていく。
これってまさか? 私の武器は声ってこと? 推しの声ってたくさんの人を幸せにするだけでなく自分を守る攻撃にもなっちゃうの? それってすごくない!
そんなことを思っているとスライムがまたウヨウヨと増えてくる。これは魅力のせいで集まってきている? なんだかそんな気がしてきたので皆がいるところへ同流しよう。と唄を歌いながら皆の元へと急ぐ。
はぅ~推し様の唄声は惚れ惚れするわ! これって現状は自画自賛になるのかしら?
陽気にステップを踏みながら唄っていると、さっきまで近寄ってきたスライムたちが遠くで見守っているような距離をとっているのがわかる。声が攻撃になるからそうならない距離を保っているということなのか! ふむふむ!
バシュ! ダン! これは敵に命中した時の音。
バシュ! ボフ! これは土の地面に矢が刺さった音。
私はルヌが弓で援護射撃をしている場所まで辿り着く。多くの敵を倒せば褒めてもらえると思ったらしく皆はどんどん先へと進んでいっていた。後ろを一度も振り向かず。
ルヌたちエルフは精霊の力を借りて魔法の矢、補充しなくてもよい矢が作ることができるのだが、ルヌは魔法が不得意なので手作りの矢を使っている。矢の形状で的中率はかなり変わる。とこれはアーチェリーの経験則だけど。
「調子はどう?」とルヌに声をかけると「十射に二射は当たるようになったんよ」と瞳をキラキラさせて、さり気なく低姿勢というか頭を突き出して上目遣い……これは撫で待ちなのかな。か、可愛すぎますっ! これは撫でないといけない雰囲気と手を出すと……シャリンと音がして寒気がしたかと思うと撫でようとした手がガチガチに凍っている⁉
「おっと、すまない。手が滑ってしまった」と空を飛んでいるエトワールが降りてくる。これはヤキモチですよね? 撫でないようにピンポイントで凍らせましたよね? と思いながらも「戦闘中なのに参加せずに申し訳ない」と言うことにする。
「オレも集中力が足りなかった。さあ、両手を出して」と言って優しい笑顔で私の両手をギュッと握りながら温めてくれる。集中力が足りなかったどころか集中力がたり過ぎの間違えですよね?
ドンっ! 大きな音と地響きがと振り向くと私とエトワールの間にアンジュの鉄槌とアムールのロングソードが突き刺さっているのが見える。ほほう。モンスターよりこのパーティメンバーが怖いぞ? と思いながらアンジュとアムールの方を向くと二人とも笑顔だが怒りのようなオーラを纏っているのが見える。
あれ? ロゼはとキョロキョロと探していると「師匠? オイラを探してる?」と虎の姿をしたロゼが私の足にスリスリとしていた。まるで大きな猫のようだ。コワ可愛い! じゃない!
えっと? 今、誰も戦ってなくない? と周りを見るとスライムの大群に囲まれていた。
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