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九十九邑我の物語

九十九邑我は転生者

作者: 眞弥。

「何だこれは…一体どうなってる…」



いきなりだが自己紹介させてくれ。俺の名前は九十九邑我。ある一つのことを除けばごく普通の高校生だ。

まずはなぜこんなことになっているのか、先程までのことを思い出してみよう。


先ず俺は朝、珍しく寝坊し高校に遅刻しそうになっていた。



「母さん!何で起こしてくれなかったんだ!」


「あんたが何度声掛けても起きないからでしょうが!自分で目覚ましぐらいかけなさい!」


「兄ちゃん…高校生にもなって何やってんの…」


「中学生は時間があって羨ましいよ…」


「何言ってんの、僕はそろそろ出るよ」



そしてその後俺は速攻で準備して家を出た。



「車には気を付けなさいよー!」


「あぁ、気を付ける!じゃあ行ってきます!」



◇◇◇



「…いや、このままだと間に合わないな。近道を使おう」



今思えばあんな選択をしたのが間違いだった…。いや、せめて違和感に気づいた時に引き返すべきだったんだ…。



「うん?いつもと同じ道…だよな?こんな淀んでいたか?…まぁ、大丈夫だろう。出席の時間まで後15分。このまま行けばなんとか間に合いそうだな」



だが、俺が本当に異変に気づいた時にはもう遅かった。



「違う。どこだここは。今何時だ。そろそろ本当にまずいぞ。時計が止まっている…?…戻らなくては。何だこれは。道が…無い?」



もう戻ることは出来なかった。俺は嫌な予感がしたがこの淀んだ道を進むしかなかった。

その道をどれぐらい歩いただろうか。ほんの数分のような数時間のような不思議な感覚がずっと続き、ある時不意に明るくなった。



「…?何だ?ここは…」



意味が分からない。怪しげな道を歩いた先に広がっていたのは広大な草原だった。

だがそれ以上に驚くべきことがあった。いや、懐かしいものを感じた。



「うん?これは…魔素か?魔力に変換されてゆく…。うん?」



そう、俺が感じたのは日本に居た時には感じなかった魔力だった。そしてこの地には魔素が溢れていたのだ。



「…魔素変換が行われている?“転生前”の力が発動しているだと?…何だこれは…一体どうなってる…」



そう、俺は転生者だ。詳細は省くが地球とは違う世界で死んだ後、地球の一般家庭の長男として転生したのだ。

そんな俺がかつて居た世界と変わらない場所に戻って来ている。いや、ここは本当に俺が居た世界かもしれない。



「もう魔力が体に満ちている…身体の魔力の適応が早すぎる。やはりここはかつて俺が居た世界なのか…?」



いや、地球には魔素も魔力も無かった。空っぽだったが故に入りやすいのかもしれない。今はここが同じ世界かどうか確かめなくては。



「転移―うん!?」



後ろに、何か居るな。構えている。野生動物か?こんな草原に?ものすごい速さで飛んできた。俺はそれを見切り、胴体をつかむ。



蹴兎(キックラビット)…?何故突撃してきた…?あぁ、俺のせいか」



魔力を感じたのが久しぶり過ぎて抑えるのを忘れていた。これでは俺の魔力がだだ漏れだったから自己防衛本能によって突撃したに決まっている。

俺は魔力を収束させると、蹴兎も大人しくなる。そっと地面に置いてやると、さっき以上の速さで去っていった。



「蹴兎が居る…。が、まだ似ているだけの可能性もあるな」



よし、中断されたが、転移魔法をもう一度やろう。



「『転移』…いや、待てよ。俺が居た時からどれほどの時が経っているかも分からない。確実に残っているだろう場所に飛ぶべきだな。『転移』-魔王城-!」



◇◇◇



俺は魔王城に飛んだ。転移魔法は一度マーキングしていないと転移出来ない。飛ぶことが出来るということはここはかつて俺が居た世界ということだ。が、今はそれどころではなかった。



「…何だこれは」



魔王城がもぬけの殻だった。それに見たこともない程に荒れ果てている。俺が居た時はこんなことになったことなどなかった。外を見ると街も人が居る様子がない。

どうやらここは既に使われていないようだ。それならばこの状態も頷ける。



「都を他の地に移したのか…。だとしても城下町まで移したのか?街は別に残しておいてもいいだろうに…うん?」



よく見ると朽ちただけではない、人為的な破壊の痕跡が見られる。襲撃を受けたと思われる。そのためここを捨てたのだろう。



「…そうかぁ。ここはもう捨てられたってことか」


「何だ貴様は!?ここで何をしている!」


「…うん?何だ他にも居たのか。…ああ、気配探知を使うのを忘れてたな」


「何を一人で喋ってる!なぜ人間が旧魔王城のバルコニーに居るのだ!そもそも何処から入って来た!」


「他にどんなスキルがあったかな…。地球に居た時は考えもしなかったから覚えてないな。あ、『ステータスオープン』…はあ?何だこれ。魔素変換、転移、気配探知以外の全てが???で埋まっているのはどういうことだ?」


「貴様、俺の話を聞けぇぇぇぇぇ!!!!」


「うるさいな、ちょっと黙っててくれ」



俺はこのうるさい奴をデコピンで気絶させると今のスキルの現状について整理することにした。



「まず…ここは、かつて俺が居た世界。転移魔法が使え、この魔王城に移動したことが何よりの証明。そして次に、俺の力自体は失われてはいない。だが、さっき使った三つ以外の全てが非表示になっている。…面倒くさいな。ま、使いながら思い出していけばいいか。…さてと、今はいつなのかこいつから聞き出すか」



俺はこの伸びてるやつの体を起こすと何発かビンタを喰らわす。



「おい。起きろ。ほら、話聞いてやるから」



この一連の場面を誰かが見ていたら苦言の一つも言いたくなるだろう。

だが、このバルコニーには俺とこいつの二人だけ。文句を言われる筋合いは無い。



「いつまで気絶してるんだ。そんな大したことしてないだろ。おい、起きろ」



もう一発食らわせる。今度はさっきよりも強くだ。



「う、うん…俺は、なぜ寝ている…しかも頬が痛い…」


「おい。そんなことはどうでもいいから俺の質問に答えろ」


「あ!お前、何故ここに居るとさっき聞いた…痛ぁ!」


「うるさい。一度頭を冷やせ。殴るぞ」


「いや、今殴った…」


「は?」


「あ、何でもないです…」



俺は一先ずこいつを大人しくさせるとまずはこいつが知りたがっていることから答え、その後自分が質問することにした。



「まずはお前の質問に答える。俺はユーガ·ツクモだ。ここから見える景色が綺麗なのでバルコニーに居た。ここへは突然やって来たので何処から入ってきたという質問については俺が知りたい」



別にこれ自体は嘘ではない。ここから見える町並みは実に自然と一体化していて魔王城一番の絶景スポットだった。

魔王城自体に居る理由は俺が転移魔法で飛んできたからだが、この世界に戻ってきた理由は本当に俺も分からない。ここにやって来た点だけが明確に嘘だ。相手に嘘を信じさせるには真実を混ぜること。話術の基本だ。



「で?納得はしてもらえたか?」


「う、ううむ…にわかには信じがたいが、自分自身ですら来た方法が分からないとは嘘にしては雑すぎる。格好もここ、魔大陸じゃ見ないものだし、信じるしかあるまい」


「何だ、意外に話通じるんだな。さっきはあんなにわめいてたから人の話を聞かないやつかと思ったぞ」


「長いこと無人の旧魔王城に見知らぬ奴が居たら疑うのも当然のことだと思うが?」


「…それもそうだな」



彼の言い分も俺がそちら側だったら同じことを言うと思う。だから彼の言葉に納得してしまった。だが、ずっとこの話題だと話を進められない。本題に入ろう。



「今はそれどころじゃないんだ。俺は現状を把握しないといけない。この世界のことについて教えてくれ」


「お前は何を知りたがってる?」


「あらゆることをだ。俺はこの世界のことを殆ど知らない」


「…まぁ、良いだろう。お前は変わってるがまともそうだ。教えてやる」



それから俺は、様々なことを教えてもらった。二百年程前に何週間も続いた初代魔王と勇者の激突があったこと。

それによってここ、魔都は壊滅的な被害を受け、放棄する決断がされ、更に北の地へ移動したこと。

戦いの余波は凄まじく、城下町の反対側、つまり魔王城の裏側は更地になった挙げ句、魔素濃度が高すぎて魔族ですら十分も居られなくなっているとのことだった。

因みにその時に魔王と勇者は相討ちになったらしい。

その後新たに就任した二代目が停戦協定を結んだようだ。そのせいで今も魔族の大半は人間を嫌っているとのこと。初代は国民から高い人気があったのだそうだ。

それから早々に二代目は引退し、今は三代目が治めているとのこと。



「気を付けろよ。ツクモ。ここらに魔族が住んでいる訳じゃないが居ない訳じゃない。極力関わるなよ。お互いのためにな」


「あぁ、気を付ける。ありがとな。助かった。それとまた来るかもしれん。その時は頼む」


「…程々にしろよ?俺やあいつ等以外に会ったら面倒だぞ?」


「あぁ、次はもっといろんな話ができるはずだ。じゃあ、俺は行く」


「おう。じゃあな」



◇◇◇



旧魔王城を後にしたあと、俺はとある国を目指すことにした。



『発展している人間の国か…。それだったらやはりオーガスティアだろうな』


『オーガスティア?またそう云う国があるのか』


『と言ってもそれはあくまで通称だ。きちんとした名称はオーガスティア王国って国だ。と言っても、帝国に併合される前と殆ど変わらない。大陸の中じゃ人間の国で一番デカい面積を誇ってる。何しろ大陸の半分近くを占めてるからな』


『ラヴィリシアじゃないのか…』


『ラヴィリシア帝国から分裂したのがオーガスティアだ…うん?ツクモ、お前ラヴィリシアは知ってるのか』


『うん?あぁ…偶々な』


『ふぅん…まぁいいさ。因みにラヴィリシアは今は皇国って名乗ってる。大体の奴はそのまま帝国って呼ぶがな』


『そうか…。オーガスティア…』


『あぁ、それとツクモ、今は帝国に行くのはやめとけ。治安がここ最近良くねぇ。皇帝が変わってから国の方針が変わって、どうやら最近きな臭い動きがあるらしい』


『よし、大体分かった。じゃあ俺はそろそろ行く』


『おう。次からは正面切って入ってこいよ。お前は特別に入れてもいい』


『あぁ、考えとく』


『お前、考えてないだろ…?まぁいいさ』



だが、ラヴィリシアはこの魔大陸とは別にあるので大陸を渡らなければならない。

だが、俺には転移魔法がある。

帝国の外れにでも飛べばラヴィリシアにも近いだろう。



「…そうだな、イバンツィオにでも飛ぶか」



イバンツィオは帝国の西端の方の街だ。

あの街の近くには大きな森がある。あいつらが住んでいる森と比べると、その次くらいには魔素濃度が高く、イバンツィオが森の監視を担う街でもあった。

森の魔素濃度が高いので何かあった時の為に目印(マーキング)をつけておいたはずだ。



「『転移』-イバンツィオ前の森-!」



◇◇◇



「…おかしいな。こんなに遠かったか?」



俺は転移魔法で飛んだ後、森の中に転移した。俺がかつて目印をつけたところまで森は拡がっていたのだ。


その後、現地民らしき人達と多少いざこざがあったがその人達のリーダーであろう年配のエルフと話をして、俺は森を出ることを許された。

そのエルフ曰く『例え目印が付いていようとこの結界には特定の者しか入れない。入れたということはお主も我々と同じということ』だそうだ。

深くは聞かなかった。こう言っては悪いがここにわざわざ来る用事があるとは思えなかったからだ。

だが、そのエルフはこう続けた。『我々は同じ境遇にある。困った時には力になれることもあるだろう』と。

人間にしては大層変な服装をしている(登校中だったので制服のままだった)俺に偏見を持たず、事情も大して聞かずに後ろ盾になってもらえたのは有り難かった。

お互い事情など知らないが、それでも味方が居るというのは心に落ち着きを与えてくれる。


その後、俺のこの格好は余りに違和感があるということでマントを譲ってくれた。こんな辺境でそんな格好をする人は居ないとのことだった。

俺はブレザーとネクタイをもらった袋に入れ、マントを羽織る。学生鞄も同様だ。

俺はそこの住民に迷惑をかけたことを謝罪した後、森を出た。

出る時に、結界を通った感触があった。どうやらあのエルフの言っていたことは本当だったらしい。よく見るとこの森を覆う巨大な結界が張られている。これだけのものとなると、おそらく術者は…



「…捧げたのか。仲間の為に」



森を出た後、俺は自身に身体強化を施し、イバンツィオまで走った。

身体強化のおかげか、僅かな時間で到着することが出来た。のだが…



「ここが、イバンツィオ…?随分栄えてるな…」



俺が居た頃とは大分変わっていた。外壁も立派なものになり、警備もしっかりしている。

何より、街が広がり、辺境の街とは思えない程栄えていたからだ。



「そこの者、止まれ。イバンツィオに何用だ」


「身分証はあるか」


「いや、持っていない。旅の最中に補給の為に寄った。それと、冒険者登録も考えている」


「そうか、なら臨時証明書を出すから荷物を確認させてくれ」


「荷物はこの袋だ。あとは財布だけだ」


「両手を上げて。ナイフ等は装備していないな…。そっちは?」


「珍しい上着とネクタイ、それに…不思議な形の鞄が一つ。後は無いな」


「君、武器は?」


「体術と魔法を使うので必要ない」


「そうか、なら街中で魔法を行使しない誓約書を書いてくれ。書き終えたら臨時証明書を渡そう」


「これを破った場合、一部の例外を除いて罰則がある。気をつけることだ」



俺は臨時証明書発行に必要な項目を記入すると、門番の彼に誓約書と共に渡す。それは受理され、暫くすると臨時証明書を受け取る。



「よし。じゃあ、行っていいか?」


「我々はユーガ·ツクモを歓迎する。ようこそ、イバンツィオへ」



◇◇◇



ここがイバンツィオか…。入ると改めてその成長具合に驚かされるな…。

よし、先ずは冒険者ギルドに行くか。

門番にギルドの場所を聞いていた俺は、真っ直ぐそこを目指す。



「ここが冒険者ギルド…。よし、入るか」



俺は扉を開けると、受付嬢の居る場所へ向かう。



「いらっしゃい。仕事の依頼?それとも受けに来たの?」


「いや、冒険者登録に来た。身分証は臨時証明書がある」


「貴方、文字は書ける?難しいようだったら代筆するけど」


「いや、書けるから大丈夫だ」



さっきは聞かれなかったけどな。冒険者は()()()も多い。字を書けないやつも一定数居るのだろう。



「そ、ならいいけど。少なくとも文字は読めて貰わないと困るんだよね。そう云うのを使って人を騙す奴も居るから」


「まぁ…よくあることだろ」


「確かにそうだけどね。で?書けたの?」


「これで良いか?」


「うーんと…。はい、確認。じゃあ呼んでくるから待ってて」



そう言うと受付嬢は奥に入っていく。

しばらくすると、屈強な男を連れてきた。



「よう、俺が試験官だ。冒険者登録希望者はお前だな?」


「あぁ、そうだ。宜しく頼む」



その後、俺は広い場所に案内され、試験官と模擬戦を行うことになった。

こっちへ戻ってきてから、まだ一度も戦闘用の魔法は発動していない。

出来るかどうか少しばかり不安だ。

因みにこれは先ほど説明された例外に当てはまるので問題なし。


「よし…やるか。準備は出来たか?」


「…あぁ。大丈夫だ。頼む」


「では…行くぞっ!」



そう言うと試験官はなかなかのスピードで突っ込んでくる。右手を振り上げ、魔力を込めている。

あれをまともにくらったら一発でお陀仏だな。だが…



「-身体強化-そして、-魔力鎧-」


「何だとっ!?」


「驚いている暇なんてあるのか?試験官さん」



彼の拳は確かに当たった。が、俺の魔力鎧により、それは防がれた。



「わざわざ徒手空拳で来てくれたのは有り難い。が、その気遣いは不要だったな」


「…はぁ!?」



俺は軽く拳を握り、呆然とする彼の左腕を掴み、逃げられなくさせると、手を離すと同時に右手でストレートを決める。これは身体強化こそ使っているが、彼のように魔力を込めたりはしていない。属性魔法は使っていないので、純粋に俺と彼の差が大きかっただけのことだ。



「痛て…。お前、どうなってるんだ!?」



おや、身体は随分タフらしい。吹っ飛ばされた直ぐに起き上がった。痛がりはしているが、重症というほどでも無さそうだ。



「どうなってるとは?」


「お前が使ったそれ、魔力の鎧だろ?まさか出来る奴が居たなんて聞いたことが無かったからな」


「まぁ、確かに…。俺の周りでも殆ど居なかったな」



因みに俺の周りとは、魔族であった前世のことだ。何しろ俺も殆ど使ったことはなかった。

魔族になると、この程度の鎧はたかが知れており、莫大な魔力を消費するので無駄。肉を切らせて骨を断つ、というような相手の攻撃をくらって反撃する方が楽なのだ。

最初から力で叩き潰す奴も居るが。

そしてこの魔力鎧は魔族以外だと、魔力消費が多過ぎて使い手が殆ど居なかった。

反応から察するに今の時代には人間の使い手は居ないのだろう。



「よし、合格だ!実力を見るだけのつもりがまさか手も足も出ないとはな。俺も鍛え直すとするか!さ、戻るぞ」


「あぁ、これから宜しく頼む」



◇◇◇



それから俺は、冒険者登録を終え、早速いくつかの依頼をこなし、夕方ごろに宿を取った。

俺はベッドに寝転がり、自分の置かれた状況を最初から思い出していく。



「まずは寝坊して、急いでいたら、登校中にこの世界に迷い込んで、魔王城に飛んだら首都は滅んでて、ここは俺が居た時代よりずっと後の時代で。森に飛んだら不思議な奴らと出会った。冒険者登録をして、早速依頼を終わらせて、今宿を取って休んでる。…本当なら今頃、母さんの飯でも食ってたかな。皆には悪いことをした。迷惑かけてるな…。兄さんも探してくれてるかもしれない。弟も慌てたりするのか?学校の奴らにも会いたかった…。ははは、何だよ、これ。漫画かよ。……帰りたい」



そうだ、帰らなくては。俺は地球に未練がある。

偶然とは言え、この世界に戻ってきてしまったが俺は今や魔族ではなく人間。

しかもこの世界の人間ですらない。

目的は一つ。地球へ帰る方法を探すこと。

今は一人だが何も俺しか居ないとは限らない。

同じ目的を持った同志が居るかもしれない。

現代には居なくとも、過去に居たかもしれない。一応冒険者にはなったが日銭が欲しいだけで、何をするわけでもない。こっちに未練を残すわけにはいかないのだ。人との関わりは最小限に留めることにする。

そして、俺が地球へ帰る為の方法を探す旅が始まった。

約2ヶ月記念ということで投稿します。

初の短編投稿。本当はこっちが先のつもりだったんですけどね。

活動報告にも書いたんですが、Lost Fantasiaと同一世界観のお話です。あまり世界観の話が出てないと思い、作りました。

ですが、彼とレオンは時代が全然違います。でも、大丈夫です。

それはまたいずれあると思います。

閲覧いただき、ありがとうございます。

感想、誤字脱字等の報告お願いします。

ブクマや下の評価いただけると幸いです。

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