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意味がわかると怖い話

歌姫と12人の小人の物語

作者: ゅぅ

むかしむかし、ある村にとても歌うことが大好きな娘がおりました。

その娘の歌声はとてもキレイで、村人達からとても評判でした。


ある日、その国の王子様が評判を聞き付け、その娘の家に結婚を申し込みに来ました。

その王子様はとてもハンサムで、その娘は王子様に憧れていたので、結婚することに決めました。

しかし、王子様には別に王様が決めた許婚がおり、その許婚はその話を聞いてとても腹を立て、家来にその娘を殺すように命じました。


娘と王子様の結婚式の一週間前にそれは実行され、村外れの森の中から娘の遺体が発見されました。

王子様はとても悲しみましたが、許婚が毎日励ましに王子様のもとへ行き、娘が死んで一年後には王子様とその許婚は約束通り結婚しました。

王子様と結婚した許婚はお妃さまとなり、さらに一年後には可愛いお姫さまが生まれました。

しかし、残念なことにお姫さまは生まれてすぐに声の出ない病気にかかってしまいました。

それでも、声が出ないこと以外は健康で、みんなから可愛がられてすくすくと育ちました。


そんなある日、お姫さまの5歳の誕生日パーティーの準備をしていると、お姫さまがいなくなってしまいました。

城の中をいくら探しても見つからず、城の外も探そうとにした矢先、お姫さまが泥まみれで帰ってきました。

お妃さまが「どこへ行っていたの?!」と質問すると、 お姫さまは「もりのなか」と言いました。

なんと、声が出るようになっていたのです。

これにはみんな大喜びして、すぐにパーティーを始めました。

パーティーの間中、お姫さまは声が出ることが嬉しいのか、時折鼻歌を歌っていました。


「何の歌を歌っているの?」


お妃さまは聞きました。


「小人さんに教えてもらったの」


お姫さまは答えました。

詳しい話を聞いてみると、お姫さまが城の中庭で遊んでいる所に赤い服を着た小人が現れたらしく、その小人の後に着いて行ったら、いつの間にか森の中へ。


森の中には赤の他に様々な色の服を着た小人が6人、2色の服を着た小人が5人いたと言うのです。

そして、その歌はその小人達に教えてもらったと言いました。

お妃さまはお姫様にその歌を教えてもらうことにしました。

すると、お姫様は紙にその7人と5人の小人の絵を描いて、その小人を指しながら歌い始めました。



*************


[緑];今日は特におしゃれなファッション♪

[藍,紫];楽しみなことはいろいろあるよ♪

[赤];うっかりドアを開けすぎて♪

[青,藍];外で待ってた貴方を挟む♪

[橙];おおきな屋根のレストランへ行って♪

[赤,橙];また今日もあの席へ座る♪

[青];想像を遥かに超えたソフトクリームを食べた♪

[橙,黄];おいしいの他には言葉が出ない♪

[黄];おどろいたのはミックスジュース♪

[緑,青];おいしすぎてまた飲みたい♪

[紫];シフォンケーキを土産にするよ♪

[藍];可愛いラッピングもこの店の魅力だよ♪


*************



「聴いてもらいたかったの」

そう言ってお姫さまはニッコリと笑いました。
















【解説】

まずは、お姫さまが歌っていた歌に秘められた暗号について。

歌の歌詞に注目すると、所々にカタカナが混ざっています。それを"色"と一緒に抜き出すと、

緑;ファッション

赤;ドア

橙;レストラン

青;ソフトクリーム

黄;ミックスジュース

紫;シフォンケーキ

藍;ラッピング

となり、カタカナの頭文字に注目して並べ替えると

赤;ド

橙;レ

黄;ミ

緑;ファ

青;ソ

藍;ラ

紫;シ

となり、音階が浮かび上がります。

いわゆるピアノで言う白鍵ですね。

ということは、残りの2色はというと色と色の間にある音なので、いわゆる黒鍵に当たります。

それを並び替えると

①赤 ;ド ②赤橙; ③橙 ;レ ④橙黄; ⑤黄 ;ミ ⑥緑 ;ファ ⑦緑青; ⑧青 ;ソ ⑨青藍; ⑩藍 ;ラ ⑪藍紫; ⑫紫 ;シ

となります。


あとはこの順番通りに歌詞を並べ替えて、番号番目の文字を抜きとります。

①赤→1番目の文字=う

②赤橙→2番目=た

↑のように抜き出すと『うたきいたおまえをころす』 ⇒『歌聞いたお前を殺す』

となります。


ここからは話の解説になります。

森で殺された娘は、お妃さまをとても恨んでおりました。

そして恨み続けていると、呪いの歌の妖精を作り出してしまいました。

そして、その妖精を使ってお姫さまを呼び寄せ、娘はお姫さまに乗り移り、お妃さまに呪いの歌を聞かせて殺したのでした。

最後の一言はお姫さまを通して言った、娘の一言でした。

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