静かなる内戦47~サニヤとディオマンシ
『あ~、眠ってしまったようだ。』
ディオマンシは大きなあくびを一つして、自分が今何をしていたのか思い出せないほどの深い眠りから目を覚ました。
『あれ? 誰も居ぬ。酒も皿もそのまんまじゃ、、』
部屋にはほんのりと、カジュの油のランプが点いていただけだった。
『んん、、動けん、、なんだこれは?!』
ディオマンシは縛ってある紐を解こうと体を左右に動かした。
すると椅子の後ろに座っている女の顔がぼんやりとディオマンシの目に映った。
『おっ、サニヤ! これはいったい!?』
『お望み通りの腕輪でございます。ついでに足輪も差し上げますわ。』
『ふざけるな‼ 早くほどけ‼ 何を見ておる! 早く!』
『、、、、』
『女どもはどこに行った!?』
ディオマンシは椅子ごと持ち上がらんばかりに体を揺らし立ち上がろうとしたが、バオバブの椅子は重く、また元の位置にドスンともんどり打った。
『カマラを呼べ! 引き返せと!』
『あぁ、カマラ殿は引き返そうにも引き返せまい。もうこの世におられるかどうか、、』
『どういう事だ! 何を言っておる! わしをどうしようというのじゃ!』
『もう一日二日で男どもが帰って来るかと思いますので、もうしばらくのご辛抱を。その時に、、』
『その時まで待っておれと言うのか‼ いい加減にしろ‼』
『いえ、その時に成敗が下るかと。』
『成敗?わしが何をしたというのじゃ!』
『あれ? もうそのような事を言っておること自体が成敗でありますよ。』
サニヤは大声で笑った。
『もう!ジタバタするんじゃないよ‼ 黙って大人しくそこに座ってりゃいいんだよ‼』
サニヤは有りっ丈の声で怒鳴った。
『殺されぬだけ良いと思え‼ 』
『コリは!コリを呼べ‼ コリを‼』
『ディオマンシのおじさん、よく見なよ。その椅子にあんたの身体をくくりつけてある紐を。』
『んん?』
『そりゃあ、コリ様の腰ひもだよ!』
サニヤは今度はニヤリと笑った。




