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殺戮と滅亡 98~密林の王の歌

 ファルの後ろにいたのはカヌの一族グリオ。

伝承音楽の一団グリオだ。

 ムルの家から持ち出したバラフォン。カリンバ、コラ、ムベト。

ファルはグリオの男。グリオとしての初めての王。


 紫のむしろにドンッと槍を突いた。

赤く錆びた剣先は血のにおい。


そのにおいを嗅いだファルは大きく口を開き、歌い始めた。


 



夕の日は嘆く 誤まった時間


悪を飛ばす 絶望に沈まぬカザマンスの魂


この体の腫れた道 我を醜くする手段


遠く忍び寄る白い魔の手から 逃れる為


誰も近寄らぬ赤い傷の肌


女にとっては美

男にとっては勇



笑ったのは猛者の獣と 尊く美しく咲く白い花


引きずられる民は 月明かりのさらし者

ハハハハハ


全ては青い目の悪魔の諸行


笑われたのはその悪魔

ハハハハハ



笑った月と太陽は手を組んだ


我らの仲間

カザマンスの民を引き戻す


奴らを追い出すのは我ら


全ては月と太陽の神に味方した


雲はカザマンスの川を満たし 木々は追い風を起こした


夜は黒い壁を立て 


星は隠れ しるべを消した


花は毒と化し 泉の神はその目と引き替えた


獣は遠く吠え 音の的を外す


全ては我らカザマンスの味方


我が腕も まなこ


全てはカザマンスのもの


我は不滅の王位 カザマンスの王


黒い獅子の仮面は密林の王 


ンバイとマリマの子 私がファル


ハハハハハッ



ファルは紫の絨毯から 赤い槍を抜いた。





※今日は短いお話となりました。

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