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殺戮と滅亡 39~お急ぎくださ~~~い!!

「お待ちどおさま。」

洞窟の先頭から出て来たのはドルンであった。


「あっ、カロさんでしたっけ?お待たせ。」


 「俺の名前なんかどうでもいい!」

「なんだよ。急に。荒立てて、、大変なんだよ~。洞窟の中を歩くのはぁ。」


 「違うんだ!船が!船が!爆破されちまったんだよ!」

「えっ、嘘っ!冗談?脅し?」

 「いいから早く出て参れ!ファル様やサバ様は先に行ったんだ!」


 「どうしたんだ?」

その後ろから現れたのはハラであった。


「、、、船がないんだ。オランダにぶっ放された。」


 「え~~!」


 その後ろからマンサとアランが飛び出した。


ぞろぞろと黒蟻の如く洞窟を出て来た兵と民は、皆カンビヤの岸に向かって走った。


 

 「ほんとだ、、ない。瓦礫の山、、」

アランは頭を両手で抱え、その水辺に膝をついた。


「アラン殿ぅ、、帰れないじゃん、、」

マンサが言った。

 

 「あっちゃ~!マルセイユが遠のいたぁ~!」


「じゃ、アラン殿。この瓦礫でいかだを作ってフランスまで。ってのはどうです?」

 「マンサ様、、おふざけが過ぎます!」

「てへへ。」



「あのぅ、、ジョラ族の皆さんよろしいでしょうか、、この場に及んで何と脳天気な、、」

セレール族のカロが言った。


 

 「で、やったのはオランダの船で間違いないのか?」

マンサがカロに聞いた。

「ほれ、この倒れた葦。船が行ったもの。それにフランス国旗を掲げていた船に砲弾浴びせるなんてオランダ以外いないっしょ。」

 

 「何艘?」

「それは知らない。俺はファル様に頼まれて、お前らが出て来るのをここで待っておったんだから。」

 「じゃあもうファル様達は、モリンガに?」

「たぶん船の行方を追いながら。」



 「ほら、ほら!ほ~ら!やっぱり正解! 千里眼の奴を上にあげといて良かったじゃ~ん!俺の手柄だ!」

ハラは両手を上げてその手をパチパチと叩いた。


「あのもう一度言いますが、皆様脳天気。そんな事より急いでくださいなっ!」

カロが小声で怒鳴った。



 「アラン殿どうする?道々別れを惜しんで来たが、、」

マンサが聞いた。

「ん、、こうなったらお前らと一緒に行くしかあるまい!」

 「ジョラまでご同行?」


「そうだ。もうどこまでもついて行くわいっ!」


 「住んじゃえば?」

「いや、カジュの木を頂いて、マルセイユの親父とその酒を造って大儲けする。」


 「ダメダメ!いくら気候が似てたって無理。」

「なんで?」


 「神が宿る村でしか生えないから。」

「なんだ?神って?」

 「そこにしか降らない雨と、そこにしか起きない溜まり風。」

「意味がわからん、、」



 「あのぅ、、よろしいでしょうか? ジョラの皆様とおフランスの方。」

「ん?」


  「お急ぎくださ~~~~~い!っ ‼」

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