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マンディンカ闘争 18~バンジュールの3艘の船

 「サバ様!南の海上!ご覧くださいっ!」

 ブラルは船室内にいたサバ、バルエ、アランを甲板に呼び出した。

真昼の甲板は板を焦がすほどの熱射に包まれていた。


「あれは?」

 『フランス国旗を掲げている。』

「大型の機帆船。」

「3艘も。」


 アランは目を細め、西へ向かうその船を眺めた。

「あれは、バンジュール駐留兵の船だ。」

 『どこへ行く?』


「たぶん、ダカールだ。奴らはフィリップ王に従ったのだ。ジルベールを見捨てた。南米とのオランダ戦に参戦するんだ、、」

 『なるほど。』

「しかし、俺達の船。大丈夫か?」

 「大丈夫であろう。私達の船もフランス国旗をなびかせている。我らパルマランの船はこの辺りまで常にウロウロしておったから、日常の事だ。」


『バンジュールにはいかほどのフランス兵がおるんだ?』

 「ざっと、300。」

『大型3艘を出航させたという事は、ほぼ全員?』

 「バンジュールに残っておったとしても、兵数十。」

『奴隷もおる?』

 「100ほど。」

『バンジュールはほぼ、もぬけの殻、、』

 「そういう事になります。」


ーーーーーーーーーーーーーーー


 「ロベール大尉。あの北に見える2艘の船。パルマランの船。」

『奴ら、まだこんな所を。しかも舳先は東。』

 「まさか、アラン少尉殿はジルベールに加担をするのでは? すでにフィリップ王からの書は見ておるはず。とっくにダカールへ向かったと思っておりましたが。」


『奴はジルベールの事を好いてはおらんはずだったが。何か賄賂わいろでも頂戴したか、、ハハッ!』

 「どういたしますか?」

『気にせんでも良いわ。パルマランの兵は少ない。放っておけ。わしらの船を見て気が変わるかもしれん。ハハッ!』


 フランス国旗を掲げた互いの船は、自軍同士でありながら、カンビヤ川の入り江近くを片や西へ、片や東へと舳先を向けて離れていった。


 


 ロベール大尉を乗せた3艘の大型船が、真昼の太陽を浴びながら西の水平線に消えようとしていた時であった。


「サバ殿。今なにか? 音が?」

 『した。したな。』


「俺には何も?」

アランは言った。

 「アラン殿の耳と私達の耳は違うのだ。静かに。」

「西風に乗った音。爆破音?」


サバ達は船室から飛び出した。


 『あっ!あれはぁぁ!』


 ロベール大尉達を乗せたバンジュールの3艘の船が消えた水平線の上であった。

一瞬にして太陽を覆い隠すほどの黒く燻ぶった煙が、3本の柱になって立ち登っていた。


 『あの煙。3艘とも、、』

「燃えている、、?」

 『1艘だけなら火事の可能性もあるが、、3艘同時、、』


「間違いなく攻撃を受けた、、」


 『誰だ?何者だ?』


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