フラミンガ紛争 12~祭りの始まり
7人の兵士。それはマンサを筆頭にコリ、メッサ、サニヤ、ロダ、そしてセグとヘレであった。
マンサの引いた矢はガーラの眉間にまで迫っていた。
『うぬら!幼い女子を傷つけるとは何という不届きな奴!』
キリリ グイ~
『やっちまえ!ガーラを殺っちまえ!!』
沼の北側にいたフラミンガ兵も殺気の湯気を立ち昇らせながら、グイグイとマンディンカ兵に迫って来た。
ファル率いるジョラ軍50、ニジェ派のフラミンガ兵30、そしてマンサ達7人。
総勢90余の軍に取り囲まれては、さすがのガーラもグウの音も出なかった。
『待て待て!マンサ。もうすぐ日が暮れる。今宵は祭りだ。オレ達はフラミンガの民に祭りを見せに来ただけだろ?血は見たくない。小奴らを皆、一本縄で縛り繋げて大蛇のように踊らせろ!!』
ドドンドドン♪ ヨレレ~♪ ヨレレ~♪ドドドドンッ♪
祭りが始まった。縛り上げられたガーラと20の兵も見世物の様に踊らされた。
「ほらほら!ガーラ!もっとちゃんと踊れ!なんだその屁っ放り腰はぁ?!腰を使うんじゃ!腰を!」
「飛び上がってうねるんだよ! 大蛇!大蛇!ほれほれ!」
ジョラの太鼓にフラミンガもヤンヤ♪ヤンヤと踊り舞った。
「祭りをしてる場合かの?」
「かまわんかまわん!踊ろうぜ!!ほいほ~い!」
「そうだ!そうだ!もう奴らは縛られておるんだ!気にするな!踊れ!踊れ!」
「ん!そだな!ハハッ!」
音を聞きつけたフラミンガの女子供も林から飛び出して来た。
「これは楽しそう!私達も踊りましょう!」
ドドドン♪ヨレレ~♪ドドンドドン♪
それを見たマンサはその女衆の輪に加わった。
『ナシャはどの子だい?』
マンサが踊りながらフラミンガの女衆に聞いた。
「この娘でございます。」
『おー!この娘かい!なんて可愛らしい!』
マンサは頭を撫でると
『怖かったろ?傷は癒えたかい?』
しかしナシャはそれには答えずこう聞いた。
「ガーラは殺さないのかい?」
『殺しはしないわ。ファル王はわかっておられますよ。ガーラにはナシャ様のお償いをして頂きます。この世から消え去るまで一生ね!』
「じゃあ良かった、、」
『ん?』
「だってね、ガーラは私を助けてくれたのかもしれないんだよ。あのカマラとかいう奴から。」
『そっかぁ、、ナシャ、あなたは本当にいい子ね。けどね、きっとわかる日が来るわよ。ガーラはあなたを、、まっいいわ。ガーラは殺さないから一緒に踊りましょう!』
「うん!わかった!」
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『ところで、ニジェの姿が見えんが?』
ファルがハラとドルンに聞いた。
『あ~!!忘れておったぁ~!弾薬の小屋と一緒に流されてんだっけぇ!!』
『はぁ?! なぜそれを先に言わん!』
『ガーラを追っかけることに必死で~!』




