始めの青空
____はっ!?
あれ、ここ…どこだ?
『ピーッピーッピーッ…』
どうやらここは病院の一室のようだ。
てことは俺、無事だった…?
ガラガラガラ。
中学生ぐらいの男の子が病室へ入ってきた。
あれ?俺の知り合いにこんな子供いたっけ?
確か木村しかいなかったよね?
まさか、いとこの息子とか?
まあそんなわけないか。それだったら知らされてたし。
そして、その子によって現実を突きつけられた。
『シン、生き返ってくれたんだね。』
は?シン…?誰だよそれ!
俺はレンだぞ。
あと生き返ったってなんだよ、失礼なやつだな。
「おい、シンって誰だよ。」
その子は少し悲しそうな顔をして、そして思い切ったかのようにしゃべり始める。
『そっか。ううん、大丈夫さ。君は本当のシンじゃないよね。だってシンはもういないから。』
その一言で全てわかった。
一言で言うと、俺は死んだ。
それはもう確定した。だってこの体よく見ると中学生くらいの体だから。
多分俺、別の亡くなった子供に転生したんだと思う。正確にいうと転生じゃなくて憑依かな?
まあそんなのはどうでもいい。
とりあえず落ち着いて聞いてみよう。
何を聞くかって?そりゃここが日本かだよな。
漫画とかでも異世界に転生するものも多いし。
きっとここも異世界だろう。
「あのーここってどういう国なの?」
そう聞くと驚くべき事実が発覚した。
『え?ここは日本だよ。だって日本語喋れてるじゃん。』
え?まじ?ここ日本なの?
ガチでラッキーだわ。
異世界の漫画だと話が通じないものもあるからよかった。
てか、思ったんだけど頭が妙に思い。右側が特に…!?
右を向くと謎の髪の毛?みたいなものがぶら下がっていた。
これは、いわゆるアホ毛か?
それにしても長すぎだろこれ!!
しかも感覚あるし。怖いわこれ。
あとなぜか左腕に違和感あるんだが。
左腕をふと見ると思わずきれいな二度見をした。
う、腕が真っ黒なんだが。
どうなってるんだこの世界は。
とりあえず聞きたいことがある。
「あのさ、ここって人外や獣人っているの?」
まあ異世界物といえば魔物とかだよね。
すると思わぬ返事が。
『え、普通にいるよ?でも人と同じぐらいだから人口の半分が人外だよ。』
へ?この街ふつうに人外がいるの?
この子の顔からわかる通り、ものすごく普通らしい。
常識なのかよ。
この世界の日本どうなってんだよ。
こんなこと考えてる場合じゃねぇな。
早く退院しなきゃまずい。
「あのさ、退院してもいいかな?」
そう聞くと、
『じゃあお医者さんに聞いてみるね。』
と言われ、どこかへ行ってしまった。
…ちなみに俺は知る由もなかった。数日後に不思議な出来事が起こることを。
まあそれはまだわからなくてもいいことだ。
ここから俺の生活が始まる。
後で知った情報だが、俺の本名は高野 心のようだ。そしてあの少年は友桜 新音という。俺、本田 蓮は死んだ。そして、高野 心として生きることになった。これからのことを考えながら、青空の下を歩き始めた。
こんにちは、シンです。最近は仕事が大変で辛いです。その合間に小説を書いております。頑張って書いているので、ここまでよんでいただいたならすごく嬉しいです。これからも頑張ります。応援をよろしくお願いします。