日常の終わり
___『ミーンミンミンミンミンミンミーン…』
今日も平凡な変わらない一日。いつも通り騒がしい仲間。いつまでも青い空。病気になりそうなほど眩しい夏の日差しが差してくる。その中に俺と親友の木村が居る。
俺は本田 蓮。俺の隣に歩いているのは、ヤンキーの木村 通折だ。ちなみに現在は高校の授業が終わり、放課後の帰りである。
田舎の坂道を歩いていると、木村が話しかけてきた。
『あのさー、レン。一つ自慢していい?』
木村は今にも話したそうな顔をしている。
仕方ない、聞いてやるか。
「いいよ、なんだい?」
爽やかな返事を返した。しかしそのあとの言葉でものすごく嫌な顔をしてしまう。
『俺、彼女ができたんだ。』
木村が突然そんなことを言ってきた。
いや、こんなヤンキーが俺よりモテるのかよ。
「そうなんだ。で、誰と付き合ってるの?」
嫌な予感がする。するとその予感が的中した。
『えーとね、岩瀬さんと付き合ってるんだ。』
え、うそだろ?
あの学校で一番アイドル的存在のあの岩瀬 奈良さんと付き合っているのか!?
「いやいや、冗談はよせって。」
『え、本当だけど。』
ガーン。
まじかよ、こいつ。
本当に付き合ってるのか?木村。
まあいいや。こんなこと考えている暇はない。
そんなこと考えていると突然、
『本田!危ねぇ渡るなぁ!!』
と叫ぶ木村が見えた。
時は既に遅し。俺はトラックにぶつかった。
身体が宙に浮く感触がして、やがて床にぶつかった。
身体中が痛いはずなのに、痛みを感じない。
視界がものすごくボヤけている。
木村が男泣きしながら俺のとこへ来てしゃがみこんできた。
『本田、オメェもうここまでなのか?お願いだから死ぬなよぉ!!』
その途端身体中が冷えてきた。
今にも枯れそうな言葉を必死に発した。
「木村…どうか…彼女を…しあわ…せに…しろ…。」
木村が救急車を呼ぶところが見える。
そして突然意識が切れた。
…微かに木村が叫んだ気がした。
こんにちは、シンです。短いですが、楽しめましたか?
楽しんでいただけたならものすごく嬉しいです。
あとがきも短いですが、第2話をお楽しみにしてください。ではまた次の話でお待ちしています。