表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

国ごと異世界転移・短編集

ファンタジーなめんな地球

作者: 303 ◆CFYEo93rhU

 航空兵力が枯渇してしまった軍だが、それでも諦めなかった。

 いや、諦められなかった。諦めたら、そこでこの国の命運は尽きてしまう。

 勝てると思う者は誰も居なかったが、しかし地上軍の派遣は決定された。

 輸送船団の半分以上が目標到着前に撃沈されたが、それでも軍は諦めなかった。

 いや、諦められなかった。


「撃て撃て! 相手はただの女だ!」

 数十両の主力戦車から、一斉に120mm滑腔砲が発射される。

 だが秒速1500mの砲弾は、ソフィアの2m程手前で防護結界に阻まれ、弾き返されてしまう。


「メテオランサー!」

 ソフィアのかけ声と共に、天から赤々と燃え滾る鋭利な隕石が降り注ぐ。

 強大な運動エネルギーは重装甲の戦車をいとも容易く破壊し、鉄屑に変えてしまう。

 非常に広範囲に渡る執拗な攻撃は、MLRSですら可愛く見えるだろう。


「フレアストーム!」

 何も無い空間から突然、火災旋風が発生する。

 炎に焼かれた装甲車はドロドロに融け、中に乗っていた歩兵を蒸発させる。

 炎から遠くにいる人間も、周囲の空気が薄くなる事で窒息死に到る。


 なんとか生き残っていた戦車が120mm滑腔砲で攻撃するが、防護結界によってソフィアを傷つけることはできない。

 逆に発見された戦車は、ソフィアのファイアアローによって破壊されてしまった。


「アイスミサイル!」

 凄まじい運動エネルギーを持った硬い氷片は、ボディアーマーなど関係なく人体を貫通し、触れたものを凍らせる。

 魔力の無い軍の兵士は、氷片が近くを通っただけでも、液体窒素をかけられたかのように凍ってしまう。


「ラピッドサンダー!」

 雷の直撃を受けたものはその場で蒸発し、自然界の現象としてはありえないほどに強烈で凄まじい威力の雷の連続で、無線も使えなくなる。


 30分前には2万人だった軍が、今は数十人を残すのみである。



「悪魔の手先め、思い知ったか!」

 正義感に燃えるソフィアは、文字通り全滅した軍隊に対し、怒りの言葉を向けた。



 わかっていたのだ。

 戦略核でさえ何の効果も無かったのだから、ロケット弾や戦車砲ごときでどうにかなると考える愚か者は居ない。

 だが、魔術師にとって機械文明は絶対悪である。たとえ降伏しても、我々に命の保証は無かった。


 相手にとってみれば、我々は悪魔に等しいのだ。

 我々のような機械に多くを頼る社会が赦しを求めた所で、聞き入れてくれるはずが無かった。

 この戦争は、どちらかが絶滅するまで続く。文明の存続を賭けた戦いである。


 そして、誰もがこんな理不尽な世界に突然転移してしまった事を嘆くことしかできなかった……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いや、スパコンと学者総動員してとっとと魔法解析しろよ。空間的対称性が破れてようが、人間が起こせる事象の複雑さには限りがあんだから。 そこに法則があるなら解析しろ。愚かな原始文明とはまるで違う…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ