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ゼロから始めるダンジョン攻略  作者: 世界一生
5章 パーティ名を決めよう
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19話 エピローグ

パチッパチ……


焚火の爆ぜる音で目を覚ました。


「あれ、俺何やってたっけ……」


「おお、起きたか。主よ、小僧が目を覚ましたぞ」


目を覚ました俺の顔、その至近距離に美少女の顔があった。最初は焦点があってなくて、なんだか分からなかったけど、俺の顔を見下ろしているのが天狐だと気付くのに時間はかからなかった。


「天狐?」


「うむ。意識はしっかりしておるようだな」


ずっと見下ろされているのも気分が良いものじゃない。それも、さっきまで殺されそうになっていた相手となれば尚更だ。


「よっと……ツッ」


「まだ無理をせぬ方がよいぞ?お主が一番死にかけだったからな」


なんとか上半身を起こして、改めて天狐を見る。さっきまでは余裕が無かったから、あまり気にしてなかったけど、今改めて見る天狐はやっぱり美少女だった。


「……なんだ?そのようにジロジロ見おって」


顔は、間違いなく美少女と言っていいだろう。日本にいたときは、アイドルにもここまで整った顔立ちをしたのはいなかった。線の細い、華奢な体躯は守ってやりたいと思う保護欲を掻き立てられる。もっとも、俺よりも全然強いけどな。


「ははぁ~ん?小僧、お主我に欲情しておるな?」


俺がジロジロ見ていたことで勘違いしたのか、天狐が『あは~ん』だの『うふ~ん』だの変なポーズを次々取っていく。こいつ、どこでこんな仕草を覚えたのか。その都度、巫女のような服がユラリユラリと柔らかく揺れる。その生地は絹ででもできているのか、滑らかで触り心地が良さそうだ。


「ホクト!お前、そんな幼女に欲情するって……まさか、まさかロリk」


「するか!変な勘違いするなカメリア!」


「ホクトくんダメよ!そっちに行ったら、戻ってこれなくなるわ。お姉ちゃん、そんなの許しませんよ?」


「だぁ~!!うるさい!俺はノーマルだ、ロリコンじゃない!!!」


さっきまで気を失っていたのが嘘のように騒がしい。天狐の方を見ると、悪戯が成功したのが嬉しかったのか、ケタケタと笑っている。


「……はぁ、いいから落ち着け。俺は目を覚ましてから、今の状況がよく分からないんだよ」


俺の周りにみんなが集まってしまったので、そのまま気を失ってからの状況を聞こうと思う。視線をアサギに向けると、彼女が代表して話してくれた。


「あの後、私の魔力を大量に受けた天狐が私を主として認めてくれたの」


「うむ、お主の内気功によって狂わされた我の身体は、消滅しかかるまで歪められてしまった。そこに主が大量に魔力を流したことで、我の身体は現世に無事定着できたと言う訳だ」


「俺、そんなつもりで浸透を打った訳じゃ無いんだけどな……」


「でも結果として、ホクトくんが天狐に浸透を当ててくれたから、私が天狐の主として認めてもらえたようなものだよ。だから、ありがとうホクトくん」


「そうだな、実際主の魔力は我の好みとは言えぬ。だが主の魔力が無ければ、我は現世に定着できぬ。背に腹は代えられぬと言う奴だ」


「そ、そこまではっきり言わなくてもいいじゃない!」


アサギが天狐を使役できたのは、天狐が生き残るにはアサギに頼らざる得ない状況ができあがった結果と言う事か。まあ、当初の予定とは違ったけど、終わりよければなんとやらだな。


「で、正式に天狐はアサギに使役されることになったのか?さっきから主って呼んでるけど……」


「うむ。過程はどうあれ、我はお主らに負けた。我を使役できるのが、我が主の狐人族である以上、主との契約を結んだ」


「そっか、良かったなアサギ」


「うん!」


アサギは本当に嬉しそうだ。多分、俺と出会う前から火の上位精霊との契約をしようと色々頑張っていたんだろう。それが、ここにきて報われたんだ。嬉しくないはずないよな。


「我としてはな、小僧の方が好みなんだが……残念ながら、お主は我と契約できる一族ではない。それに……」


「ホクトくんはダメ!」


「ホクトはアタイのもんだ!」


「残りのメンバーから拒絶されたからな」


そう言って、ケタケタと笑い転げる天狐。戦っていた時も思ったけど、こいつは基本明るい性格をしているんだな。まあ、一緒に冒険をするメンバーは明るい奴の方が楽しいだろうし、そっちの方が良いだろう。


すると、天狐が俺に近づいてきて耳打ちした。


「もっとも、お主がその気ならいくらでも伽をしてやるぞ?お主の魔力は美味だったからな」


なんて、とんでもないことを言ってきた。俺はとっさに身体を離して天狐を見る。


「ククク、なんだお主童貞か?以外に初心な反応だのう」


「お、お前な……」


「ちょっと天狐、ホクトくんに何を言ったの!?」


「ホクト大丈夫か?アタイがお前の貞操を守ってやるからな!」


ああ、これは今までよりも何倍もうるさくなりそうだ……。俺はそのまま脱力して、再び身体を横たえた。





「さて……落ち着いたところで、今後の事を話そうか」


アサギが作った食事をみんな――天狐もしっかり食べた――で食べ終わった後のコーヒーブレイク。俺は、これからのことを話そうとみんなの注目を集めた。


「今後の事?」


「とりあえずアサギは、元々火の精霊と契約できたら俺たちのパーティに入ってくれる感じだったけど、それは達成された。なら、俺たちのパーティに入ってくれるって事でいいのか?」


アサギは言っていた。今の自分では足手まといになるから、一緒のパーティには入れないと。でも天狐を使役するようになって、その問題は解決された。


「そうだね。こんな私で良ければ、ホクトくんのパーティに私を入れてください」


そう言って頭を下げるアサギ。遂にここまで来れた。俺がこの世界に来てから、ずっと思っていたアサギとパーティを組むと言う目標が達成されたのだ。


「カメリアは良いか?」


「ああ、アタイはホクトが良いと言うなら問題ない。それに、アサギの事は昔から知っている。アサギの魔法があれば、今まで苦手にしていた多数の魔物に対する面攻撃ができるから、今まで以上に冒険が楽になるだろう」


「そうか……」


アサギとカメリアのわだかまりは、完全に無くなったと思っていいだろう。これからは同じパーティメンバーとしてやっていくんだ、メンバー同士がいがみ合う事が無いのは同じパーティのメンバーとしては嬉しい。


「ただし!ホクトはアタイのもんだ。アサギは手を出すなよ!」


「ちょっと待って、ホクトくんはカメリアとはなにも無いって言っていたわ。ホクトくんのお姉ちゃんとして、カメリアがホクトくんに近づき過ぎないよう、しっかり監視しますからね!」


アサギとカメリアがギャーギャー騒ぎ出した。こいつら、さっきまで仲良さそうだったのに、どうしてこうなった……。


「小僧、お主も罪作りな男だな。すでに2人も愛妾がおるのか、なら我が主と共に我も可愛がってくれてもいいだろう?」


突然天狐が後ろから抱きついてきた。こいつは、どこまで本気の行動か区別がつかない。


「「ああ!?」」


俺に抱きついた天狐を見て、アサギとカメリアが同時に絶叫した。これ、さっきまでと同じじゃないか。


「お前ら、いい加減にしろ!!!」





「おかえりなさい、ホクトさん」


あの後、3人を宥めて何とかリーザスまで戻ってきた。日帰りのつもりが、結局戻ってくるまでに3日もかかってしまった。そして、今目の前にいるノルンさんの口元が引き攣っている。まあ、原因は後ろにいる奴らのせいだけど。


「すいませんノルンさん、うるさい連中で……」


「ホクトさんのせいじゃないでしょう」


俺を見て憐憫の視線を向けてくるノルンさん。ああ、同情してくれる優しい女性は素晴らしいな。同じ年上の女性なのに、どうしてこうも違うのだろうか。


「ホクトくん!ノルンと何を話していたの?お姉ちゃんに隠さず話しなさい」


「ホクト!その女に色目を使われたのか?ダメだぞ、お前にはアタイがいるんだ」


「小僧、お主他にも愛妾を抱えておるのか?以外にやるもんだのう……」


誰か助けて!


「お前ら……いい加減にしないと、パーティを解散するぞ?」


ドスの効いた声で3人に注意する。すると、途端に2人は静かになった……2人は。そう、やかましい精霊だけには効果が無かったけど。


「アサギ、とりあえず話が進まないから天狐を仕舞え」


「……わかりました。ほら天狐」


「ちっ、仕方ないのう」


そう言って天狐は大人しくアサギの中に入っていった……胸の谷間から。


「なあ、なんで毎回胸から出入りしてんの、そいつ」


「なんかここが気に入ったみたいで。何度かお願いしたんだけど、言う事を聞いてくれないの」


滂沱の涙を流しながら、アサギが俺に言ってくる。ああ、これは触れちゃいけない内容だったか。とにかく、これでうるさい奴がいなくなったから、改めてノルンさんに向き直る。


「今日は、正式にパーティを登録しようと思いまして」


「そうですか、と言う事はアサギさんも?」


「ええ、私もホクトくんのパーティに入ります」


アサギのその一言に、ギルド内部がざわめく。何だと思って周りを見ていると、ノルンさんが理由を教えてくれた。


「アサギさんほどの腕を持った魔法使いは稀ですから。かなりのパーティから勧誘を受けていたんですよ。ですがアサギさんは、その全てを断っていたので……他の冒険者からはソロ専門だと思われていたのです」


なるほど。それが、俺のパーティに入ると聞いて驚いているのか。妬み、僻み、憧れ……色々な感情が渦巻いているギルド内。だけど、ここで臆する訳にはいかない。俺はアサギの入るパーティのリーダーなんだから。


「ではホクトさん、あなたがたのパーティ名を教えてください」


俺たちのパーティ名、これはみんなで話し合った。俺たちだと一発でわかる、そんな名前が良いと思ったのだ。


「俺たちのパーティ名は……『猛炎の拳』だ!」



名前:ホクト・ミシマ

性別:男

年齢:17

レベル:25↑

職業:拳闘士(Lv6)↑

----------------------------------------

体力 :293(+14) +22↑

精神力:183     +13↑

攻撃力:192(+10) +15↑

防御力:189(+6)  +8↑

敏捷 :377(+3)  +26↑

知能 :2

魔力 :153     +12↑

運  :42

----------------------------------------

スキル:

ダーレン大陸共通言語(Lv3)

鷹の目(MAX)↑、集中(MAX)↑

気配感知(Lv3)↑、魔力制御(Lv4)

跳躍(Lv1)拳術(Lv2)↑


----------------------------------------

称号 :

初心者冒険者(体力に小補正)

----------------------------------------

装備 :

銀の籠手(攻撃力+10)

ショートソード(攻撃力+5)

皮鎧(防御力+6)

グリーブ(敏捷+3)



名前:アサギ・ムラクモ

性別:女

年齢:24

レベル:32

職業:魔法使い(Lv8)

----------------------------------------

体力 :121

精神力:233

攻撃力:105

防御力:155(+23)

敏捷 :160(+3)

知能 :281(+5)

魔力 :335(+99)

運  :94

----------------------------------------

スキル:

ダーレン大陸共通言語(Lv5)

水魔法(Lv8)、精霊魔法(Lv1)


----------------------------------------

称号 :

炎の精霊使い(魔力に中補正)

----------------------------------------

装備 :

エルダートレントの杖(魔力+10、知能+5)

手甲(防御力+8)

魔道士のローブ(防御力+15)

天狐のピアス(魔力+50)

グリーブ(敏捷+3)



名前:カメリア・フレイム

性別:女

年齢:23

レベル:28↑

職業:槍士(Lv7)↑

----------------------------------------

体力 :346(+34) +28↑

精神力:186(+15) +4↑

攻撃力:306(+30) +14↑

防御力:218(+11) +20↑

敏捷 :118(+3)  +3↑

知能 :8

魔力 :88

運  :25

----------------------------------------

スキル:

ダーレン大陸共通言語(Lv3)

槍術(Lv9)↑、剛力(Lv5)


----------------------------------------

称号 :

中級冒険者(体力に中補正)

----------------------------------------

装備 :

鬼神の朱槍(攻撃力+30、精神力+15)

手甲(防御力+8)

皮の胸当て(防御力+3)

グリーブ(敏捷+3)

これにて5章は終了となります。

パーティ名は悩みに悩みました。

こういう名前を決めるセンスが絶望的に足りてない……本気で『ホクトの拳』にしようかと

何度思った事か。結果的に『猛炎の拳』に落ち着きました。

パーティ名には色々突っ込みたいと思いますが、これでやっとスタートラインに立った

彼らを思って、生暖かく見守ってください。


今章は途中から仕事が忙しくなり過ぎて、実質2週間ほど書く暇がありませんでした。

で、ストックを消費して何とか耐え忍んだのですが、今度は構成を思い出すまで

更に時間が必要になりました。

なんとか毎日更新は死守できましたが、おかげでストックが0になってしまいました。

次章の構成はすでにあるので、毎日更新が途切れないように頑張ります。


評価や感想は飢えていますので、どしどしお願いします。

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