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ゼロから始めるダンジョン攻略  作者: 世界一生
1章 冒険者になろう
9/240

9話 スキルとステータス

追記:文末の・・・を……に変更しました。

そんなこともありつつ、2人の旅は順調に進んでいる。

アサギは相変わらずだけど、戦闘の時には助かる存在だ。それ以外の時の壊れっぷりとのギャップが激しい。


「ホクトくん、なにか悪い事考えてたでしょ」


「…………」


何故分かったんだろうか?


「何か隠してる男の子って、そういう顔するよね」


「世間一般の男子と一緒にされてもな……」


往生際悪くあがいてみる。


「私の知ってる男の子たちが、みんな同じ顔をするときがあるのよ。

 そんなときって、大概碌なことを考えていないのよね……」


もうあがくのは止めよう。


「ところで、あとどれくらいで着くんだ?

 その願いの塔がある町には」


「リーザスね。この速度で歩くと、たぶん明日の昼過ぎには着くんじゃないかな」

普段から走り込んではいるけど、やっぱり森の中を歩くのはキツイ。

アサギは俺の速度に合わせてくれてるようだから、遅れの原因は俺なんだろうな。


「ごめんな、俺が遅いから……」


「そんなことないよ。言うほど遅れてもいないから全然許容範囲内よ」


「でも冒険者になったら、こんな森にもよく入るんだろ?」


「そうね、人にもよるけど初心者のころは採取がメインになるだろうから。

 でも森の深い部分には入らないから、ちょっとずつ鍛えていけばいいよ」


町に行ったら鍛えなおそう。


「そう言えば、町に着いたらアサギともお別れだな」


そんな俺の言葉にあからさまにショックを受けてるアサギ。

見るとピンと立っていた耳がへにゃっと垂れ下がり、尻尾に目を向ければ見たことがないくらい萎んでる。


「え、ホクトくん私のこと捨てるの!?」


「どうしてそうなる!?」


「だって、あれだけ尽くしたのに町に戻ったらポイって捨てるなんて……。

 そうね、私はホクトくんにとって都合のいい女だったって事なのね」


ヨヨヨと泣き崩れるアサギ。涙も出てないのに、なにがヨヨヨだ。


「変な言い方をするなよ。確認しただけだ。

 そもそもアサギにとって、俺は森で迷子を拾ったようなものだろう?

 だから、町に戻ったら別々に行動するのかと思ってたんだよ」


水を上げ忘れたひまわりのように萎れていた耳と尻尾がピンと立った。どうやら誤解は解けたらしい。


「なんだ、そういうこと。いきなりお別れ宣言されたからビックリしたよ」


「早とちりし過ぎだ。そもそも、俺はこの世界のことを知らないんだから

 アサギがいてくれた方が助かるに決まってる」


「そうかそうか、ホクトくんは私がいないとダメなのか」


何がそんなに嬉しいのか、ニマニマした顔をこちらに向けてくる。


「とりあえずリーザスに行ってもホクトくんの面倒は見るよ。

 ただ、最初の方はホクトくん独りで依頼を受けてもらうことになると思うけど」


「独りで?まあ、別に構わないけどなんでだ?」


「私の冒険者ランクだと、ホクトくんと一緒に依頼を受けると

 ホクトくんの評価が下がっちゃうのよ。独り、もしくは同じランクの人と一緒に依頼をこなせば、ちゃんと評価されるから」


「冒険者って結構細かいんだな。もっとどんぶり勘定なのかと思ってた」


「探索者への登竜門だからね。能力もないのに強い人に付いて回っただけで

 ランクを上げられたら意味ないのよ」


「それもそうか……」


そのあたりはしっかり対処されているらしい。


「ランクについての説明は、登録するときに教えてくれると思うから

 しっかり聞くのよ」


「大丈夫だって、何とかなるよ」


「……心配だわ」


そんなやり取りをしつつ森を進む。





その日も何回か戦闘があった。基本的にはアサギが魔法で攻撃して終わりなんだけど、ゴブリンが出てきたときはわざと1匹だけ残すように攻撃してるみたいだ。


「ごめんねー。1匹残っちゃった」


ゴブリンに襲われる度に1匹だけ残るって、逆にすごい精度だと思うけどな。


「おらぁ!」


ショートソードをゴブリンの頭目がけて振り下ろす。ゴブリンも当然死にたくないから必死にガードする。ちょっと押し込んで怯んだ隙に、横に回り込んで脇腹に剣を突き刺す。


「ギョギャガーッ!」


ゴブリンは断末魔をあげて動かなくなった。


「なんとか様になってきたかな」


「そうね。まだまだ甘いけど、ゴブリン1匹なら通用しそうね」


そう、ゴブリン1匹限定。しかも、アサギの魔法で弱らせた後の相手限定。

こんなんで、本当に冒険者なんてやっていけるのか?


「大丈夫よ。みんなこんな事もできないうちに逸って死んでいくんだから。

 ホクトくんは自分のペースで強くなっていけばいいの」


「ちなみに、この世界にはスキルとかないの?」


「スキル?あるわよ」


「え、あんの!?」


「そりゃ、あるわよ。私だって魔法のスキルを持ってるから使えるんだし。

 ちなみに、私の得意魔法は火魔法です!」


アサギが胸を突き出してドヤ顔し始めた。耳と尻尾もピコピコ、フッサフッサのお祭り状態だ。こういう仕草をするから、子供っぽく見えるんだよな。


「まあ、アサギが火魔法得意だっていうのは何となくわかってた」


「え、そうなの?私、森の中だからホクトくんの前では火魔法使ったことないと思ってたけど」


「俺の世界で、狐の妖怪は火を操るのが得意なんだよ。

 アサギも狐人族なんだろ?だから、そうじゃないかと思ったんだ」


「むぅ~。私妖怪じゃないよ」


「先入観だっただけだ。

 ところで、そのスキルっていうのは俺も持ってるのか?」


「どうだろう?……今は持ってないかもしれない。

 でも色々な経験を積むと覚えるものだから、最初にギルドでステータス見たときにスキル持ってなくても、落ち込まなくていいよ」


「次々に新しい情報が出てくるな……。

 やっぱり、この世界にもあるんだステータス」


異世界物には定番のステータス。今までアサギも見ているそぶりが無かったから、ひょっとして無いのかと思ってたけど、あるんだステータス。


「俺の今のステータスって、どうやって見るんだ?」


「ん?見れないよ」


「え、見れないの?」


「うん。ステータスって冒険者ギルドで登録しないと見れないのよ。

 そもそもステータスを気にするのは、冒険者とか探索者だから」


「一般人は自分のステータス見ないのか……。

 気にならないのかな?」


「気になる人は冒険者登録すればいいだけだからね。

 でも、そんな理由で冒険者になる人もほとんどいないと思うよ」


俺なんか気になるけどな。野球やってた頃なら特に気になってたんじゃないかな。自分のパワーがいくつだから長打が打てるとか、スピードが高いから盗塁できそうだとか……。まあ、あったらあったで数値だけ気になってたかもしれないけど。


「なんにしても、冒険者登録すれば、そのへんも一緒に説明してくれるよ」


「冒険者になる楽しみができたな」


そんなことを話しながら森の中を歩く。そして翌日の昼頃には森を抜け、遠くに大きな外壁に囲まれた町が見えてきた。

9話かけて、やっと人里に着きました。


本文では省略していますが、森の中を歩いている最中にアサギから色々なことを

教えてもらっているホクトです。

本文中に入れると、会話が長くなってしまうので後書きで紹介します。


単位について

地球       オクトワン

1メートル    1メタ

1センチメートル 1シードメタ

1ミリメートル  1ミードメタ

1リットル    1リグル

1ミリリットル  1ミードリグル


基本的にホクト基準の場合は地球の単位を使います。

会話をしていくうちに、通じないので直っていくでしょうが・・・。


ご視聴ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします。

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