6話 スキル譲渡
翌日、胸が苦しくて目を覚ますと何故か床の上だった。
「あれ、俺なんで床に寝てたんだ?寝相は悪くないはずなのに……」
夜遅くに宿に帰ってきて、カメリアを部屋に送っていった。その後自分の部屋に戻って……確かにベッドで寝たはずだ。うん、記憶はハッキリしてる。
「酒のせいで落ちたか?」
これから酒を飲むときは注意しよう。そう思って、視線を胸元に向ける。苦しさの原因は俺の胸の上で健やかな寝息を立てていた。
「ポロン重いよ……」
「……クゥ……クゥ……」
一向に起きる気配が無い。普段は俺の枕元に丸まって寝ているポロンが、なぜ俺の胸の上で寝ているのか?いよいよ謎が深まってきたな。
「……んぅ」
俺の頭上、ベッドの上から誰かの寝息が聞こえた。俺以外の誰かが、この部屋の中にいるのか!?さすがに看過できない状況に胸の上のポロンに心の中で謝りつつ身体を起こした。
「!!!」
ベッドの上のモノを見て意識が飛びそうになった。なぜ俺のベッドの上にカメリアが寝ているのか?しかも、寝乱れた半裸の状態で……。
「か、か……カメリア!?なんでお前が俺のベッドに寝てるんだよ!」
「……うぅん、ん?……もう朝か?」
薄く目を開けたカメリアが窓を見て呟く。そうです、朝です。それは間違いないですが、俺の質問に答えてくれませんかね?
「朝だよ、それよりも何でお前が俺のベッドにいるんだよ?」
「……ふぁ~、おはようホクト」
「……おはよう」
やだこの人、俺の話を聞いてくれない。
「ワン!」
寝ていたところを突然起こされたポロンが、抗議の為か俺の足に体当たりをしてくる。ゴメンな、ポロン。俺もお前を起こしたくは無かったんだよ……悪いのは目の前の傍若無人な人だ。
ポロンを拾い上げて胸に抱く。剥れたポロンはイヤイヤをして逃れようとする。頭を念入りに撫でてやってると、そのうち大人しくなった。
「……んふぅ~……ああ、よく寝た」
ポロンを宥めている間もカメリアは我関せずと、俺のベッドの上で身体をほぐしていた。半裸の状態でやらないでいただきたい。色々と見えちゃいけないモノが見えてるんですが……。
「いい加減答えろよカメリア。なぜ、お前が、俺の、ベッドの、上にいる?」
「そう怒るなよ、どうだホクト。ほら、サービスショットだぞ?」
「朝から大変良いものをありがとうございます!」
思わず口を出た言葉は、俺の意図しない最大限の感謝の気持ちだった。だって仕方ないだろ?童貞には、目の前の裸体は刺激が強すぎるんだよ!ナイスバディの美女がベッドの上で半裸で身体をクネクネ動かしている様を想像してくれ。感謝の1つも言いたくなるわ!
「素直だなホクト」
「それは良いんだけど、なんでお前が俺の部屋にいる訳?昨夜は確かにお前を部屋に連れて行って寝かしたはずだぞ?」
「合ってるよ、アタイは昨日ホクトと一緒に帰ってきてから自分の部屋に帰った。そこまでは合ってる」
「なのに、なぜ目が覚めたらお前がベッドの上に寝ている?」
「そんなの決まってるじゃないか、アタイが夜のうちに忍び込んだからだよ」
事もなげに言いやがった。夜のうちに忍び込んだ?
「俺全然気付かなかったのか?それはそれで、冒険者として自信なくなるな」
「だって、気配決して忍び込んだし」
「どうしてお前は、そう無駄な方に努力をするんだよ。それよりも、お前昨夜ベロベロだったじゃん。なんで俺の部屋に来れたの?」
「ああ、それ?だって、アタイ全然酔ってなかったし」
「はあ?」
どういう事?宿に戻るまで間違いなくベロベロだったはずだ。
「いや、だって……おかしいだろ。帰り道で気持ち悪くなったお前を介抱したぞ、俺は」
「優しかったな、背中を擦ってくれて……本当に心配そうな顔をして、アタイあの顔を見てキュンってなったよ」
「お、お……お前、あれ全部演技だったのか!?」
「それもこれも、全ては夜にホクトの部屋に忍び込むため!」
その答えを聞いて、俺は一気に脱力した……。マジかよ、あれ全部が演技ってどんだけだよ。ハリウッド女優も真っ青だろ……。
「それで……俺が床に寝ていた理由は?」
「……さあ?アタイが布団に潜り込んだ時は、確かに一緒に寝てたぞ?」
床に寝ていたことは謎のままなのか?
「あ、でもアタイ……寝相が悪いらしいから、ひょっとしたら蹴っ飛ばしたのかもな」
「やっぱりお前が原因じゃねえか!」
「あはは、悪い悪い。ベッドに潜り込む事にばっかり意識が行ってて、自分の寝相の悪さ忘れてたわ」
犯人はコイツです。ああ、もう!朝から無駄に疲れた。
「とにかく、日も高くなったし着替えて買い物行こうぜ」
「おう!今日は朝から良い思いができたし、最高の日になりそうだ!」
最早何も言うまい。俺はカメリアを部屋から追い出して着替えを済ませ、宿を出た。外で待っていたら、普段着を着たカメリアが出てきたのでスキルショップに向かう。朝からどっと疲れた……今日は最悪の日になりそうだ。
「で、そのスキルショップってのはどこにあるんだ?」
「市場とか店がいっぱいあるところだよ。ほら、昨日行った店のあたり」
「ああ……」
俺たちが昨日夕食を食べた店は南門の近くにある。北門を上に見たときに右下あたりと思ってくれ。反対の左下辺りは、通称職人街と呼ばれていて町に来てすぐに入った防具屋なんかもその区画にある。
「気付かなかったな。あの辺りは結構歩いている気がするんだけど……」
「メイン通りからは少し外れたところにあるからな。スキルショップを使うのは、基本的にアタイ達みたいな冒険者か、専用のスキルを必要とする職人たちだけだ。客を呼び込む必要もないから、あんまり目立たない所にあっても問題ないんだよ」
「なるほど、確かに一般人がスキルを売買するってのはイメージできないな」
昨日も通った道をカメリアと並んで歩く。カメリアは体格が良いけど、見た目は間違いなく美人に分類される。背が高く、出るとこ出てて引っ込むとこが引っ込んでる、グラマラスな女性だ。他の人よりも頭ひとつ抜けてるから余計目立つしな。さっきから、道行く男どもがチラチラとカメリアを見て、横にいる俺を見て首を捻って去っていく。ゴメンね、普通の男が一緒に歩いてて。
「なに難しい顔してるんだ?」
「何でもない、自覚無いってのが一番の問題だよな……」
「???」
過ごしやすい気温と気持ちいい風、散歩をするにはうってつけの日和だ。ポロンもはしゃぎ回っている。少し走って、俺たちと離れると戻ってくる。で、また走っていくのを繰り返す。
「ふふ、ポロンもご機嫌だな」
「たまには休んで散歩するのも悪くないな」
「そんな風に考えたことなんて、村を出てから一度も無かった。ホクトと会ってから、色々な経験をできることが堪らなく嬉しいな」
隣を歩くカメリアが突然言い出した。やめろよ、そう言う臭いセリフ吐くの。それ以来どちらも喋ることなく歩き続ける。ただ、無言が苦しくは無かった。カメリアと2人、緩やかな時間を共有している感じがしてちょっと恥ずかしかったけどな。
「お、ここだ」
とある店の前でカメリアが足を止める。店……とは言ったけど、1人で歩いてても店だとは気付かないかもしれない。特に看板が出てる訳でも無く、とても店には見えない。
「本当にここなのか?俺には普通の家に見えるんだけど……」
「間違いなくここだ、アタイも初めて来たときは見つけられなくて何時間も迷った」
「……分かる」
カメリアが先導して店の中に入る。入ってみると、そこは確かにお店のようだった。壁際には商品を陳列する棚や、店の中央にショーケースみたいなものもある。なんか宝石店みたいだな……地球でもこっちでも入ったことないけど。
「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」
店に入ってきた俺たちに声をかけてくる店員さん、見た感じカメリアと同年代の女性の人だ。目ざといなと一瞬思ったけど、まあ当然か。俺たちしか客居ないし。
「ちょっとスキルが見たくてね、買うか分からないけど見てもいいですか?」
「もちろんです、お客様は当店は初めてですか?」
「ええ、恥ずかしながらスキルショップがあるってことを、昨日こっちの連れに聞きまして……」
「そうですか、そちらの方は何度か来ていただいた事がありますよね?」
「よく覚えてるな、アタイがこの店に来たのなんて片手で数えるほどだぞ?」
「失礼ながら、お客様は目立ちますので」
「ああ……まあ、そうか」
頭をポリポリとかくカメリア。こいつは自分の見た目がどうだなんて、一切気にしないからな。店員に言われて気付いたんだろう。
「さてお客様、どういう系統のスキルをお探しですか?」
スキルの系統か……どんなスキルがあるのかも知らないんだよな。その辺素直に話して助言をしてもらうか。
「どんなスキルがあるのかも、よく解ってないです。俺の戦闘スタイルは敵の近くで動き回る素早さ重視な感じなので、それを補うようなスキルがあればいいかなと思ってます」
「なるほど……素早さ重視の前衛職ですか」
店員さんが考え込む。漠然としたことしか言えなかったから、変に困らせちゃったかな。
「ホクトは付いててもらえよ。アタイは、しばらく店の中を見て回るから」
「良いのか?」
「いいよ、もともとアタイは冷やかしで来たようなもんだし」
「わかった」
俺から離れて、カメリアは店内を見て回るようだ。俺も今日買うつもりで来た訳じゃないんだけど、気を使ってくれたみたいだから甘えるとしよう。
「お待たせしました、こちらなどいかがでしょう?」
そう言って店員さんが3つの水晶のような玉をショーケースの上に置いた。
「……これは?」
「こちらは短刀術のスキルです。このスキルを身に着けると、短刀の切れ味が上がり短刀を扱う際の身体の動きも最適になるように補正されます」
「へぇ、スキルってそんなこともしてくれるのか」
「そのようなスキルはお持ちではないですか?」
「ええ、俺の職業は拳闘士なんで。その手のスキルは持ってないです」
「そうでしたか。では、間違った商品を提供してしまいましたね」
「いえいえ、色んなスキルを知るチャンスなんで気にしないでください」
せっかくスキルショップに来たんだ。自分の知らないスキルを色々紹介してくれた方が嬉しい。ひょっとしたら、とんでもない掘り出し物に出会えるかもしれない。
「拳闘士の方ですと、次にご紹介するスキルもひょっとしたら合わないかもしれませんね」
「どんなやつですか?」
「投擲術のスキルです。直接攻撃への影響はありませんが、補助として投げナイフなどを使用するような方でしたら精度と速度が向上します」
「ほう!そんなスキルがあったんですね。俺も投げナイフは使うので、そのスキルはありがたいです」
「そうですか、喜んで頂いたようでなによりです」
投擲術スキルか、投げナイフは一角兎の討伐をし始めた頃は良く使ってたけど、結局すべてのナイフがどっかに行っちゃったんで、それ以来使ってないや。でも、超近接職の俺にとって遠距離を攻撃できる手段としてはアリな気がする。もっと練習した方が良いかもしれない。
「ちょうど今、ダンジョンの7階層でキラー・ビーと戦う機会が多いんですよ。空を飛んでるあいつらに効果的な攻撃ができるかもしれません!」
これはイケるんじゃないか?俄然投擲術スキルを買う気になってきた。
「虫系の魔物に投げナイフは有効です。であれば、このスキルはお客様の一助になるかもしれませんね」
「はい、俺もそう思います!で、このスキルっていくらくらいするんですか?」
すでに買う気満々だが、財布との相談をしないといけない。そもそも買う気がなく冷やかしで来たこともあって、出せる金はそんなに多くない。3万ゼムまでなら出しても良いけど、それ以上は生活が厳しくなる。
「こちらの投擲術スキルは100,000ゼムになります」
「……は?」
「100,000ゼムです」
「……はぁ、すいませんお金が足らないです」
「そうですか、残念です」
10万はさすがに出せない。しかし、スキルって高いんだな。
「結構するんですねスキルって」
「こちらはLv7なので、どうしても高くなってしまいます」
レベル?スキルのレベルによって金額が違うのか?
「レベルって、売った時のレベルがそのまま残るんですか?」
「はい、お売りいただいた時のレベルは査定の対象になりますので……」
レベル7で10万って事は、ひょっとしてレベル1なら買えるんじゃないか?
「あの、投擲術スキルのレベル1ってありますか?それなら買えそうなんですが」
「申し訳ありません、投擲術のレベル1は現在品切れでして……。やはり皆さまレベルが低いものをお買い求めになるので、高レベルのものほど売れ残るんです」
まあ、言われてみればそうか。高レベルを金を出しても欲しいってのは、その価格帯でも買えるほどの力の持ち主か富豪くらいだろう。ならレベルが低いうちに買って自分で上げていった方がお金はかからない。
「じゃあ、今お店に置いてあるのはみんな高レベルのものばっかりですか?」
「全てではないですが、だいたいは高レベルですね」
購買意欲が一気に減った。親切にもすべてを話してくれる店員さんには悪いけど、10万程度の商品ばっかりだと手が出ないな。高レベルでも安いものがあれば別だけど。
「一応、最後の1つも見せてください」
「わかりました、こちらは疾風のスキルです。所持しているだけで、敏捷値が飛躍的にあがります」
欲しい!敏捷が上がるスキルがあるなら、喉から手が出るほど欲しい。でもなぁ……。
「確かに欲しいですけど、きっとお高いんでしょ?」
「そうですね、こちらはLv3のものですが50,000ゼムになります」
やっぱり高い。さっきの投擲術スキルのレベル7よりは低いけど、レベル3でも5万するのか……。
「ありがとうございました、もう少し見て回って良いですか?」
「……はい。ご期待に沿えず申し訳ありませんでした」
「いやいや、店員さんは悪くないですよ。一所懸命説明してくれましたし、なにより親身になってくれているのは伝わってきました。俺が相場も考えずに来てしまったのが悪いんです、だから謝らないでください」
「……はい、恐れ入ります」
どっちも悪くないのに、こういう結果になってしまうこともある。今回は諦めるか。
「おいホクト、ちょっとこっち来てくれ!」
すると、突然カメリアが俺を呼んだ。いったい何を見つけたのか……。俺は店員さんに目配せしてから、カメリアの元へ向かった。
「なんだよ、何か見つけたのか?」
「これ見ろよ」
棚に飾られた水晶を見てみる。台座の部分にスキルの名前と説明が書かれているが、そこには『跳躍』と書いてあった。
「跳躍か……」
「これあれば、ホクトでも直接キラー・ビーを攻撃できるんじゃないか?」
カメリアに言われてハッとした。確かにジャンプ力が上がれば、飛んでいるあいつらを直接殴ることができるかもしれない。そうか、飛び道具とかの事ばっかり考えてたけど、こういう路線のスキルもあるのか。
「でもお高いんでしょ?」
「なんだ、その言い方は……」
カメリアには通じなかった、まあ当然か。台座に書いてある説明文を読み進める。そこにはLv1と記載されている。あれあれ、これなら買えたりしないか?
「すいません店員さん、このスキルですけどおいくらですか?」
俺同様に沈んだ表情をしていた店員さんを呼び出す。これが買えそうなら、あの店員さんも喜んでくれるだろう。
「はい、どちらですか?……ああ、これですね」
店員さんが水晶を手に取ってカウンターの方へ行く。さすがに全ての水晶の金額は把握していなかったか。さっきのも俺に説明する前に調べたのかもしれない。
「……お待たせしました、こちらは15,000ゼムになります」
「おお、それなら買えます!」
「そうですか、どうされますか?」
店員さんもホッとした表情をしている。あとは俺が買うかどうかだけど、これは買いだろう。レベル1がどの程度の効果か解らないけど、ダメだったら鍛えればいいだけだし。
「買います!」
「ありがとうございます。では、すぐに譲渡しますか?」
「あ、そっか。スキルを入れるのは店でやってくれるんですよね?」
「はい、それほど時間はかかりませんが、ご都合は大丈夫ですか?」
「大丈夫です、よろしくお願いします」
店員さんに言うと、準備を始めた。準備を進めている間にカメリアも俺の方に戻ってきた。
「結局買ったのか?」
「ああ、こんなチャンスなかなか無いだろうしな。これも跳躍のスキルを見つけてくれたカメリアのお蔭だ、ありがとうな」
「へへ、ホクトが喜んでくれたならアタイも嬉しいよ」
ちょっと照れた表情を見せて笑うカメリア。
「では、始めます。まず金額の15,000ゼムいただけますか?」
「はい」
用意していた金貨1枚と大銀貨5枚をカウンターの上に置く。
「確かに頂きました、ではご説明させていただきます。スキルの譲渡ですが、失敗することはありません。基本的にどんなスキルでも譲渡することが可能です。譲渡にかかる時間は5分ほどとなります。よろしいですか?」
「はい、問題ありません」
「では、右手を甲を上にしてカウンターにのせてください」
言われるままにカウンターの上に右手を置く。すると、俺の右手の少し上に水晶を異動させて店員さんが何かを呟く。すると、水晶から砂粒のようなものが俺の右手の甲に降り注ぎ、それが中に消えていった。
「……」
ビックリしたけど、手を動かす訳にもいかずそのままの姿勢で待つこと5分。水晶が消えて、その全てが俺の右手に消えていった。
「これで終了です、譲渡が上手くいったかステータスで確認してみてください」
言われるままにステータスを確認してみる。すると
名前:ホクト・ミシマ
性別:男
年齢:17
レベル:18
職業:拳闘士(Lv4)
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体力 :259
精神力:162
攻撃力:173
防御力:178
敏捷 :335(+3)
知能 :2
魔力 :137
運 :42
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スキル:
ダーレン大陸共通言語(Lv3)
鷹の目(Lv9)、集中(Lv9)
気配感知(Lv2)、魔力制御(Lv4)
跳躍(Lv1)NEW
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称号 :
初心者冒険者(体力に小補正)
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装備 :
グリーブ(敏捷+3)
確かに跳躍のスキルが増えていた。
「大丈夫です、ちゃんと跳躍が増えていました」
「良かったです、また何かありましたら当店までどうぞ」
「ああ、ありがとう。その時は、またよろしくお願いします」
俺は店員さんにお礼を言って外に出た。外で待っていたポロンが両手を俺の方に延ばすので、抱き上げてやる。
「良かったな、良いスキルが見つかって」
「ああ、早速ダンジョンに行って試してみたいけど……今日は止めとくか」
「そうだな、今から行っても大して潜れないしな。それよりも、腹が減った。どこかで食べてから帰ろうぜ」
カメリアの提案は、俺にとっても渡りに船だ。さっきから腹がグーグー鳴ってうるさい。こうして俺の初めてのスキル譲渡は終わり、カメリアとポロンと一緒に屋台で遅い昼飯を食べて帰ることにした。




