消えた彼
そんなある日、彼はなんの前ぶれもなく姿を消した。私は、きっとそのうち来るだろうとか思いながら、祠で毎日待ちながら祠に話していた。けど、それが1週間も続くと不安になり友達に相談をしてみた。ついでにその祠についても聞いてみた。
「どうりでいつも帰るの早いと思った。」
「なるほどねー」
「祠についてなんか知ってる?」
「そういえば私の家の近所に住んでるおばあさんが、昔祠のこと話してたなー。」
「どんなこと!?」
私は、すぐに食いついた。
「いや、そこまでは覚えてないな…。なんだっけ?今度話聞きに行ってみたら?」
「分かった!今日行ってみる!」
「いやいや!せめて明日とかにしたら?」
「相変わらずアホだな〜」
「うるさい!」
そんな他愛のない話しをして、次の日そのおばあさんの家に1人で行ってみた。おばあさんに祠について聞いてみた。そしたら、
「あの祠かい?あそこは昔『出合いの祠』と呼ばれていてね、縁結びの効果があるんだよ。」
「そうだったんだー」
「でもね、その呼び名は長くは続かなかった。」
「なぜ?」
「それはね、縁切りの効果もあったんだよ。たから、恋人や親友どうしになってもすぐにどちらかが消えてしまう。私も昔似たようなことがあったね〜。」
「おばあさんはどんなことがあったんですか?よければ聞きたいです。」
「いいよ。私があなたぐらいの時かな。私もね縁結びの効果があると思って祠に行ったんだよ。そしたらその時優しい目をした20歳くらいの若い男の人と知り合ってね。仲良くなったの。」
私は少しビックリした。そして、
「その男の人の名前はなんですか?」
「うん…。…ごめんね。もう随分とまえのことだから、忘れてしまったよ。でもね、その人に会って毎日あの祠に通ったわ。一緒に話せて楽しくて。そしてわたしは彼に恋をしていたの。でも、彼は突然姿を消してしまったの。」
「私と一緒だ…」と思いつつ聞いていた
「それで、おばあさんはどうしたんですか?」
「それでね、友達から縁切りのことを聞いてもうあきらめたわ。でもね、そのあとある学校の男子から告白されてね、それが今の旦那よ。旦那も祠に来る途中だったみたい。彼のおかげかもしないね。」
私も、そうなるのかなという期待と、彼に会えない寂しさで胸がいっぱいになった。
そして、今の私がいる。




