Elfen Wirklichkeit
さて気持ち切り替えてだ。心のスロットに現実を差し込む。(フーフーと息を軽く吹きかけるのを忘れずに。やり過ぎると呼気で湿けるから注意せよ。)
どうやら塁が代表して質疑応答してるっぽい。
「細かくお聞きします。元に戻る時の制限とはなんでしょう?」
「助かります。どのような条件の時でも共通ですが、ここで得た力は元の世界には持っていけません」
「力とは?経験のことでしょうか?そもそも特別な力とは?」
「女神様がこう伝えろとおっしゃってました。異世界転移をしてスキルを貰えると。スキルが力です」
塁が悩む。色々優秀?なのでうちのクラスにこれで伝わってない人はいないと思う。そして口を開いた。
「力はもう僕達に宿っているのでしょうか?」
王妃が応える。
「スキルは見ないと使えません。所謂ステータスですね。チェックするのは後日の予定です。準備もありますからご了承ください」
その準備、この世界のすり合わせなどは後日することになったようだ。
一同それぞれの個室に案内される。休憩していいんだと。城の中で閉鎖してない場所以外は自由閲覧だそうだ。
太っ腹なりぃ。
てか驚いた。建物や技術はヨーロッパの貴族社会が往来してた頃なんだが、それ以外の全ては日本だ。
特に倫理観や衛生感な。全てが綺麗すぎる。心も。
「オペラ見に来た貴族って下の平民の席に痰吐くんだぞ。おっそろしいー」
ひとりごとを呟いて道化役を演じてたけど悲しくなったのはおいておく。
「つまりそういうことだよねぇ」
部屋に戻ると幼なじみーずがいた。
「なぁ、この世界どう思う?」
「都合良すぎ」
「目的はなんだろうねぇ。」
誰が糸引いてるのか?聞かないよ。
「まぁあの王妃ババぁやな」
「ん。どうかんがえても転移者」
「つうかザルだよねぇ。塁くんわざわざ横文字使ってないのに使ってる。それが狙いなのかなぁ。言い直してるってことかな?で、どうするの?ユキは?」
「んー。そうねぇ。まだ静観だよねぇ。観光したいしねぇ。」
すくなくとも、17〜18世紀のヨーロッパを見れるのは貴重だ。しかも倫理観、衛生感が日本とか、ここは東京ヨーロッパ貴族村かな?作るなら千葉っていうオチつきよね。
ま、ここが俺の管理場所なら絶対違うことするがな。
魔王?と協力してさ、マリーアントワネットに言わせるんだ。
パンがなければ世界樹の種を食べればいいじゃない。
ってね。
ってエルフは普通にいいそうだから困る。うるさいうるさい!マリーアントワネットに言わせるんだい!