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Serenade

時は遡る。


「おはよう、ユキ」

「おはー」


家から出ると玄関前に立っていらっしゃる、一見眠そうなクールビューティーに挨拶をする。

彼女の名は丹下かしこ。幼なじみ1でっせ。今時珍しい黒髪ロングの冷血お嬢様系の見た目だが、なかなかどうして人を取りまとめるのがうまいのである。

こいつを世界の使者とかにしたら戦争なくなるんじゃないのってくらい人と人をとりもつ。何を行ってるかわからないかもしれないが、事実だからしょうがない。ちなみに超庶民です。

そのぶん料理とかもうまいが。つーかなんていうか軍隊とかの指揮官とかにはならないと思うけどさ、一人の隊員として参加しても見事に周りの調和に合わせて調和する柔軟性も持つので、こいつチート持ちだと思うのわたくし。ただ調和に従うときは腹で何を思っているかどうかはわからんよ。頭固いところはあるね。だからもし理不尽な理由でチャパツ強制法とか施行されたら、チャパツにするけど、十年後には全世界が納得する(させる)理由で染料が劇薬扱いされる未来しか見えないと思う。わらう。


「そーいえばまた後輩の女の子からラブレターもらってなかった?かしこお姉様!とかって」

「ん。嬉しいけど流石に同性愛は無理」


……相変わらず言葉少なくて誤解を生みそうな平和調停の女神(仮)ですこと。

こいつの言ってることを幼なじみ翻訳スキルに任せるとこんな感じか。


そうそう。私に憧れるのは嬉しいんだけどねー。私の恋愛対象は男性なのよぉ。もちろん同性愛は否定しないわよ?でもその後輩、昔なんか男子に

酷いことされて男が怖いって噂も聞くし、それとなくなんとかしてあげたいよねぇ。


はい。うしろ半分は妄想です。でもそんな感じだと思います。異論を認めますので、俺よりうまく翻訳できる方は至急わたくしことユキへご連絡ください。SNSで探せば

連絡先みつかるんじゃないんでしょうか。つーか関係ないけどこいつがラブレター書いたら面白いことになりそうじゃね?



前略。


好きです。


かしこ


かしこ。



下らない冗談はさておこう。


そんな茶番を楽しみ(?)つつ、駅に向かって少し歩くと大きな一軒家の前に立つちょっと不機嫌そうな美女が立っていた。


「ちょっと遅いよ!二人共!」


そうではなく不機嫌だった。ちなみに美女なのには間違いないが。


「おはよ。」

「おはー。てかヒジリさんよ。時間どうりじゃんかいな」


俺の言葉に彼女は少し顔をしかめると、驚いたり、悩んだり、悲しんだり、最後には穢を知らぬ乙女のように恥じらう顔をして百面相スキルを発動させつつ(ちなみに彼女を穢す奴がいたら俺が消しますよ)


「ううー。そうだけどさー。うん。ごめん。でもほら私いつもちょっとルーズじゃない?友達からさ、あなたはルーズ。だからモテナイ。とか言われて。そこまではもちろんごめんって言えるんだけど。それから彼氏自慢を延々とされちゃってさー。

その子の彼氏がすごくいい人らしくて……」


あ、彼女も彼女の友達も(逢ったことないのでおそらくだが)悪気ないよ。いい子だよ。ただホント乙女なのよこの娘。趣味は意外にも、パソコンとか工作系なんだけどな。


あ、ご紹介が遅れました。ご想像通り幼なじみ2の聖・キルヘントナートちゃんです。あ、おじいちゃんが外国人っす。見た目はボンキュボンのグラマラスビューティーなのよ。性格は既出よ。ROMるよろし。

じっちゃんは忍者みたいな日本人びいきのダンディパパなんだけどな。うるへー。ツッコミどころ多すぎ。俺と盟友だよ☆


三人でいると会話が続かない訳なし。駅についても電車がでても学校で席についてもだ。


そんな毎日が続くと思っていたが……

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