Gestalt
とりあえず従うことにしたみんな。殺伐としているがすごく優しそうな聖母みたいな
王妃っぽい人が立ち上がり場をとりもつ。
「申し訳ありません。みなさま。戦うことは強制ではありませんし、召喚された時点でこの世界の一般人より強さがある証拠です」
ほう。随分優しいこと。
「事情を説明させていただきます。その前に自己紹介を。わたくしはこの国の王妃です。名前は不明です。邪神に隠蔽されているようとしか言えないみたいです」
あーやっぱり邪神いるやつね。
「魔王を倒すことによって経験値を上げ、女神様とともに戦う勇者様を探しております。
戦えない方は高待遇を致します。ここで待機してくださいませんか。邪神さえ倒せれば女神様が皆様を送り返させていただきます」
「よ、よくわからないけどやってみよう。できなければ待機していいらいいし。」
正義系ウザ夫の塁が言い出す。
もちろん恐怖の声も上がる。
「みんな!この世界の人たちは困ってるみたいじゃないか。手助けしないわけには行かないだろう?」
Uzeeeeeee。やりたきゃ一人でやれよ。うちのクラスこんなだったっけ?
俺の考えを遮るように王が大きな声で注目させる。
「さて!早速その力を測定させてもらおう!」
蓄音機みたいな朝顔形の集音器と木っぽい材質で出来た掲示板のようなものが出てくる。
「この音の高さになるよう声を出してください。一度測定が終われば自分でも能力を確認できます」
ステータス!が音を想像することの代わりなのか。そうすると俺強そうだなとか柄にもなくワクワクする。
出席番号順でやりはじめたが、やっぱりそうだ。魔力っぽいところはピッチにどのくらいうまく近づけたかだ。そして発声方法や音色ももちろん関わってくるらしい。
俺Tueeeeeできそうで楽しみ。相変わらず体力はなさそうだが。
などなど考えていると歓声があがった。塁である。
「お、俺にこんな力が。みんなを守れる力が有るんだ……」
じゃ、みんなと一緒に待機して守ってろよ。どう考えても魔王を殺す力だろうが。
Name ルイ・カガ
VIT 150000
INT 1400
炉の加護
まぁたしかにすげえな。今までの平均が1000位だから段違い。しかもだれもでなかった炉の加護っていうのすら有る。
これは剣を自由に出せるようになるらしい。一般人もたまに持ってるそうだが、能力が高くないと弱い刃物を出せる程度だそうだ。
最初聞いた時は生産職かな?って思ったけどTHE勇者って感じだな。
まぁワクワクはするなぁ。今のところあからさまな悪意や違和感ないし、そこまでは楽しんでみるかね。
Name ヒジリ・キルヘントナート
VIT 1200
INT 400000
?の加護
世界にはまだわからん加護も有るんだと。ヒジリは天使かな?(身内贔屓)
てかやばいかしこはそうきたか。茶目っ気有るやつだな。こうなると暫定だけど勇者・聖女・賢者・魔王(俺)パーティかな?
Name カシコ・タンゲ
VIT 150000
INT 1500
?の加護
あれ?絶対おかしい。たしかに普通のうたい方からではないから発声方法や音色は捨てておいても、到達ピッチだけでいえばヒジリと遜色ないはず。
だからすくなくともヒジリよりかはちょっと下程度だと思う。なんだ??違和感しかない。ちょっと油断して浮かれてたかも。
全員の顔色を見直し始めるべきだ。明らかに警戒体制に入ったほうがいい。そういえば王妃とかのコメントとか聞きながしてた。
その王妃がコメントを挟んでくる。
「武闘家と言ったところでしょうか」
その雰囲気には違和感がない。能力的にも言ってることは的を射ている。
怪しいがなにか行動をするべきではない。警戒するべきだ。
しかし。
ドクン。
ドクン。
なんだこれ。おれは精神支配でも受けてるのか?
「ヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
訳もわからず俺は絶叫していた。
勇者(商人)、武闘家(賢者)、聖女(聖女)、賢者(魔王)のオーソドックスで理想的なパーティ(ゲス顔)




