僕の神?
この『僕が僕の神に出会って』は僕の初めての作品です。
ファンタジーがメインの要素になりますが、友情や政治なども絡んでいく予定です。
連載小説になりますが、しばしお付き合い下さい
「……………くん、…………ンくん、……進くん」
「うわぁぁぁぁぁ!!……………あれ?」
小野屋進の声が教室中に響いた。
バカだ、ドジだ。また、やらかしてしまった。進はそう思った。
「クスッ」
「クスクス」
皆の笑い声が耳に入る。堪えてるつもりだろうが、授業中の静かな教室内じゃあ、丸聞こえだ。しかし、笑うことは無理もない。教室の片隅で寝られて、起きた瞬間に叫ぶ……そんなところを見て誰が笑わないというのだろうか。なんてことを考えていると笑わない人が一人だけいた。
ふと正面を見上げると、
「お・の・や・く・ん、後で職員室に来なさい」
と怒ったような口調で谷口美代子は言った。美代子はこのクラスの担任であり、英語の教諭でもある。そこら辺の人よりは幾分か容姿はいいが、その超スパルタな性格が痛い。そんな美代子に進は睡眠学習の姿を発見された。
「は、ははっ」
もう、顔をひきつらせて苦笑いするしかない。
「返事は?」
「………はい」
キーンコーンカーンコーン
放課後になって、クラスメイトは次々と教室を後にする。
「進~、一緒に帰ろうぜ」
進の親友の最上泰知だ。誘われたが、進にはもちろん用事がある。それも30分以上はかかるだろう。そんなに待たせるわけにもいかない。
「ごめん、職員室に寄ってくから。先に帰ってて」
「そっか。つーか、進もバカだよな~。よりによって、美代子の授業で寝るとか、マジありえね~っての」
「別に望んで寝た訳じゃねぇよ」
「んじゃあな」
二人はそう言って、教室の前で別れた。進はそのまま職員室へ向かい、そして指導を受けた。
「失礼しました~」
職員室から出たときには顔がやつれていた。
指導は予想をはるかに上回り一時間を越え、さらに反省文という余計な課題まで出された。本当にツイてない。せめて、美代子じゃないときに寝るべきだった。
そんな自己嫌悪に陥りながら家路を進んでいると、空から白色の布が降ってきた………というよりも落ちてきた。それも猛スピード。上に岩でも乗っているのだろうか。そんなことを予測する間もなくドシーン。音を立てて進に直撃。進は仰向けに倒れ、重くて白い布はその上に乗っかった。
「イテテ………」
布から声がした。ふと布を見るとその正体は人であることがわかっ………てない!
人が空からあのスピードで落ちてきて、それも無事だなんて。もしかして、人じゃないのか、宇宙人か、未確認生命体か。進は起き上がって人の容姿をした生物と目を合わせた。
「…………………………………………。」
「あ~、ごめん。驚かした?」
「えぇぇぇぇぇぇぇ!!」
そっくりだ、何から何まで。目も口も鼻も輪郭も身長も、そして喋り方も。強いて言えば服装だけが違う。
「僕はシンっていう名前。君の名も僕の名から来てる。僕は小野屋進くんを生成してる、君に由来する神だよ」
そう言いながら立ち上がって、地面に座っている進に手を差し伸べた。
へ~、そうなんだ、なんて答えられる訳がない。
「え?何?神様ってあの神様?」
進の頭では、というか常人の頭では理解するにし難い。それも進の頭となると、パンク状態。驚きのまま目の前が真っ白になった。