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10年後の2人

作者: レモン
掲載日:2026/10/25

 それは、10年前のことだった。まだ、私が、20歳の頃、一磨と、出会った。3カ月くらい付き合ったのだが、一磨の転勤で、遠距離になり、自然消滅した。

 私は、洋子、今は、30歳だ。一磨は、私と5歳違っていたから、今は、35歳だ。偶然、近くのコンビニで、10年ぶりに、私と一磨は、会った。本当に、ビックリした。一磨も、驚いていた。しばらくぶりに会ったので、コンビニの外で、立ち話しをした。

10年の歳月は、2人を、少し、大人に、変えていた。話しを聞くと、一磨は、また、ここに、転勤で、戻ってきたとのこと。私が、彼女は、いるの?と、聞いたら、いないと言っていた。すかさず、そっちは?と、聞かれた。私も、いない、と、答えた。

 一磨は、いきなり、「俺たち、結婚を前提にして、また、付き合わないか。」と、言ってきた。私は、あの時とは、違う気持ちで、付き合えるかな、と、思っていた。あの頃は、若かったから…私は、断る理由もなかったので、「いいよ。」と、言った。

 私と一磨は、付き合うことになった。とても、楽しい日々が続いた。一磨は、ある時、私に、「話しがあるんだ。」と言ってきた。何かと思った。私は、「何かな?」と聞いた。一磨は、「実は、俺、以前、同棲してて、子供ができたんだ。その子を認知してるんだ。そして、その彼女とは、別れたんだ。」と、言った。私は、本当に、ビックリした。「そうなんだね…」と、私は言った。しばらく、沈黙が続いた。一磨が、「それでも、俺と付き合ってくれるかな。」と、言ってきた。「少し、考えさせてね。」と、私は言った。

 私は、家に帰って、冷静になって、考えてみた。心の中では、認知の件は、正直、本当に嫌だった。あとは、一磨に対しての気持ちと、どちらが、上回るかだと思った。10年前、別れなければ、こんなことには、ならなかったのに、と、後悔する自分がいた。

 よくよく、考えてみた。やはり、一磨のことは、好きだという気持ちが、強かった。過去は過去だから、今の一磨を見てあげよう、と、思った。一磨を信じることにした。

 一磨に会って、私は、「やっぱり、一磨の事が好きだから、付き合っていきたい。」と、伝えた。一磨は、すぐに、「それなら、結婚しよう。」と、言った。私は、「はい。ただ、1つだけ、条件があるの。週末婚にしてほしいの。大丈夫かな。」と、言って、一磨の方を見た。私は、一磨とは、週末だけ会うほうが、うまくいくような気がしていた。一磨は、「どうして?」と、聞いてきた。私は、「今まで、付き合ってみて、お互い、その方が、うまくいく気がするの。」と言った。一磨は、少し考えてから、「君がそうしたいなら、そうしてみようか。もし、それで、不都合があったら、また、考えよう。」と、言った。私は、「ありがとう。いいわ。」と、言った。

 すぐに、私と一磨は、結婚した。平日は、お互い、仕事を頑張った。週末になると、2人のうち、どちらかのマンションに行き、料理を作ったり、映画を観たり、恋人同士の様な、結婚生活だった。楽しく、過ごせていた。

 ただ、私の方が、やはり、心の奥底で、子供の認知の件を、許せていなかったのだと思う。だんだん、一磨のことが、許せなくなっていった。自分の、わだかまった気持ちの、はけ口が欲しかった。

 私は、一磨には、そのことを、言えずにいたのだ。モヤモヤした気持ちのまま、一磨とは、生活できなくなっていった。別れようかとも、思ったが、決めかねていた。私が、選んだのは、一夜だけの浮気をして、気を晴らすことだった。

 若い頃通ってた、飲み屋さんに行き、カウンターに座って飲んでいた。一人の男性が近づいてきた。そして、隣の席に座った。私に、「お一人ですか?」と、声をかけてきた。私は、「はい。」と言った。なかなかの、ナイスガイだった。名前は、聡太といった。40代半ばだとのこと。とても、話し上手な人だった。私は、いろいろな思いから、飲み過ぎてしまっていた。この人でも、いいかなと、ほろ酔いの中、考えていた。

 そんな時、一磨から、これから、会いたいと、電話がきた。私は、焦った。なんと言おうかと、考えあぐねていた。電話越しに、飲み屋の雰囲気を、一磨は、察した。「迎えに行こうか。今、どこ?」と、一磨は、言った。私は、「今、飲み屋さんにいるけど、まだ、飲みたい気分だから、迎えに来なくていいよ。」と、言った。一磨は、すかさず、「心配だから、迎えに行くよ。それから、俺と、飲み直そう。」と、言った。私は、しぶしぶ、お店の場所を教えて、迎えに来てもらった。

 こうして、私の浮気計画は、未遂に終わった。モヤモヤは、残っているが、浮気は、しなくて、よかったと思っている。一磨からの電話がなければ、間違いなく、浮気をしてしまったと思っている。よく考えれば、そんなことで、気持ちを、晴らそうと思っても、晴れないと思っていた。私は、これで、逆に、よかったのかもしれないと、思っている。

 


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