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第6話:鋼鉄の裁き、恐怖の拡散

ヤマトの艦首に配置された巨大な30mm12連装リニアバルカン砲の砲塔が、不気味な唸りを上げて目標をロックする。核融合炉から供給される膨大なエネルギーが、砲身の内部で圧縮されていくのが、艦橋にいても感じられるかのようだ。


「リニアバルカン砲、発射準備完了!」


オペレーターの報告に、高杉艦長は迷いなく命じた。


「撃て!全弾、旗艦へ!」


轟音は、もはや爆音と呼べるものではなかった。それは、空気を引き裂き、空間そのものを震わせるような、地鳴りのような響きだった。


ゴォオオオォンッ!


ヤマトの砲塔から、青白いプラズマの光を纏った鋼鉄の塊が、音速をはるかに超える速度で射出された。一発、また一発。間髪に入れずに連射される主砲弾は、夜の玄界灘を閃光で彩りながら、一直線に敵の旗艦へと吸い込まれていく。


敵旗艦は、まるで豆腐のように脆かった。


最初に命中した一発が、艦橋の真下を貫通し、内部で爆発を起こす。次の瞬間、二発目、三発目と着弾した砲弾は、旗艦の巨大な船体をあっという間に寸断していった。鋼鉄の装甲は紙切れのように引き裂かれ、火花と黒煙が夜空に舞い上がる。内部からは誘爆が連鎖し、眩いばかりの炎が噴き出した。


「敵旗艦、大破、轟沈を確認!消滅しました!」


レーダー士の報告が、興奮気味に艦橋に響く。敵旗艦は、ヤマトの初撃によって、わずか数秒のうちに海の藻屑と消えたのだ。


敵艦隊の無線からは、阿鼻叫喚の叫びが聞こえてくる。


「な、何だあれは!?」「旗艦が消えた!?」「バケモノだ!」「後退しろ!全艦後退!」


ヤマトの圧倒的な攻撃力は、敵の戦意を根底から打ち砕いた。先ほどまで猛進してきた敵艦隊は、統制を失い、蜘蛛の子を散らすように四散し始めた。互いに衝突しかける艦艇、方向を見失って海上を彷徨う残骸。その光景は、もはや軍事作戦ではなく、一方的な虐殺劇のようだった。


「残存敵艦、総崩れです!全艦、撤退を開始!」


通信士の報告に、高杉艦長は冷静に頷いた。


「追撃は不要だ。ドローンの状況を報告しろ。生存者の救出を最優先する」


ヤマトは、玄界灘にその絶対的な存在感を示し、敵に恐怖を刻み込んだ。しかし、真の目的は、この地の、そして日本の未来を救うことだ。戦闘は終わったが、ヤマトの使命は、まだ始まったばかりだった。

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