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4-63『ハイド・バッカス1』

 衝撃的な事実だった。

 ガルガはまだ魔人になってから日が浅かったというのもあって、罪の意識があるのは分かる。だが、今まで戦ってきたエイフィルやその前に戦った魔人なんかも罪の意識というものは全く無く、俺の二つ目の効果である罪の重さによって相手を弱体化させるという効果が機能していなかった。

 罪を罪と思っていなければ俺の切り札(カード)では罰することが出来ないからだ。


 だが、ハイドにはもしかして罪の意識というものがあるのか?

 ハイドは魔人としての力に順応しすぎている。これほどの力を持っているのなら、ガルガ同様に魔人になって日が浅いということもないだろう。

 だとしたら、なんで?


「が、くぅっ!」


 頑張って身体を持ち上げようとしているようだが、無駄だ。

 罪が重ければ重いほど弱体化してしまう。今のハイドには自分の体を持ち上げるほどの力すら残っていないことだろう。

 この状態で『身体強化(ブースト)』を使用しても無駄だ。弱い状態のものをいくら強化しようともたかが知れている。


 一度俺の切り札(カード)にかかってしまったらもうハイドは終わりだ。

 だが、俺の切り札(カード)の効果があるんだったらもっと早くに効いても良いようなもんなんだが、ハイドの奴、もしかして気合で俺の切り札(カード)を耐えていたのか?

 それで俺とルリハに攻撃されてちょっと弱ってきたところでようやく効いたって言ったところか。本当にめちゃくちゃなやつだ。


「はあああああああああああああああああああ『土流怪宴』」


「っ!?」


 ハイドはこの状況になってもまだ諦めてなど居なかった。

 地面に手がついているというこの状況を利用して再び『土流怪宴』を使用してきた。弱体化していることによってさっきよりも攻撃の密度は低いし、威力も弱いが、流石は超級魔法と言ったところだろう。

 一発でも食らったら俺たちはまず間違いなく致命傷となる。


「俺、は、まだ、負けるわけには行かないんだ」


「おいおいおいおいっ」


 なんとハイドが『土流怪宴』の土の触手を利用して自分の体を持ち上げ、それをまるでアーマーのようにして身にまとった。

 ハイドは自分の力で動くことはもう出来ない。だが、それならば『土流怪宴』で無理矢理動かせば良いという狂った発想。

 魔法の力で体を動かすと身体の限界以上に動かすことが出来るから、力加減を間違えると最悪身体がバラバラに砕け散るというのにそこまでして戦うのか。


 何があいつをそこまでさせるんだ。


「カルマ様っ!」


「っ、ルリハ!」


 見ると、ルリハの身体が徐々に『土流怪宴』に飲み込まれて締め上げられ始めていた。

 それを助けに行こうとするが、『土流怪宴』の触手の壁が俺の行く手を阻み、ルリハを助けに行こうとする俺を妨害する。

 俺の拳ももう限界。ハイドを倒せるとしたら、今チャージしたダメージをそのまま攻撃に上乗せしてハイドを全力で殴るしか無い。


 だから、俺に残された道はルリハが締め上げられて殺される前にハイドを倒し、『土流怪宴』を止めること。


 ハイドへ接近して『破壊の一撃(デストロイヤー)』でぶん殴る。

 ……いや、ダメだ。俺からルリハに無茶はするなと、自分の身体は大切にしろと言ったんだ。その俺がそれを実行しなくてどうする。

 それじゃ、示しがつかないだろ。


 だが、『豪拳(インパクト)』よりもずっと威力の高い技が必要だ。『激雷』よりも破壊力のあるパンチが必要だ。


 どうしたら――


 そこで俺の視界に入ったのは周囲に死ぬほど存在している炎の存在。そして思い浮かぶはユイの戦い方。

 ユイはいつも剣に風魔法を付与して戦っている。それによって剣の鋭さをあげているのだ。

 なら、単純に『豪拳(インパクト)』に火魔法を『付与(エンチャント)』したら威力が上がるんじゃないか!?


「ふぅぅぅぅぅっ」


 正直『付与(エンチャント)』はあまり得意な方ではないけれど、ハイドを倒すにはこれしか思いつかないから。


「っ! 『付与(エンチャント)』『豪拳(インパクト)』」


 拳が燃え上がる。それと同時に『身体強化(ブースト)』で拳を強化。

 確実に破壊力は『豪拳(インパクト)』を上回っている。


「これが、俺の編み出した新技!」


 ハイドへ向けて駆け出す。

 空中に飛び上がったハイドを応用にしてそこら辺にある『土流怪宴』の触手を足場にして次々と飛び乗っていき、ハイドへと距離を詰める。

 ハイドももう限界のはずだ。だから、この土の鎧を破壊してハイドへパンチを届かせることが出来れば俺の勝ちだ。


「ハイドぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」


「カルマぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」


 俺の構える炎の拳、そしてハイドが今作り出した土塊の拳がぶつかりあった。


「『烈火豪拳クリムゾン・インパクト』」


「『土塊豪拳(ガイア・インパクト)』」


 その次の瞬間、俺の意識は一瞬にして落ちた。


 次に目が覚めたときには真っ黒な空間に置かれた椅子に俺は座っていた。

 状況が全く理解できなかった。どうして俺がこんな場所にいるのか、ハイドとの戦いはどうなったのか、そしてどうしてハイドは俺の眼の前で椅子に座っているのか。

 なにか見えない透明な壁のようなもので俺とハイドの間を遮られ、ハイドはうつむきがちにこっちを向きながら座っている。


「お、おい、ハイド。これもお前の力なのか!?」


 俺が問いかけるが、ハイドは何の反応も示さなかった。

 最初は聞こえなかったのかとも思ったが、どうにも違うらしい。次の瞬間にハイドは口を開き、俺に声を届けてきた。


「俺は……懺悔します。今までの罪を告白します」


 そう告げ、暗いトーンでハイドは語りだした。

 ついにカルマが新技を編み出しました。

 今までは色んな魔法も使えたものの、その殆どは『豪拳』や『破壊の一撃』のみで、攻撃のバリエーションというものが乏しかったのですが、新たに『烈火豪拳』を編み出しました。


 これでさらに戦いの幅が広がると信じたい。

 ちなみにインパクト系の技の威力としては『激雷』<『豪拳』<『烈火豪拳』=『土塊豪拳』=『幽豪拳』=『迅雷拳』<『魔王豪拳』<『破壊の一撃』になってます。

『激雷』は上級で『豪拳』よりも級は上なのですが、破壊力よりもスピードに重きを置いた結果、威力で言ったら『豪拳』の方が高いです。

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