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171  作者: Nora_
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「はい、あーん」

「あむ、うむ、これも美味しいな」


 それなりの金額ではあるが払う価値がある、特別好きというわけではない私でもこうなのだから甘い食べ物に目がない人間達なら積極的にこうすることだろう。

 ちなみに今日はももとふたりきりだった。

 れんのことだから「私も行きたい」と言うと考えていたのに実際は「たまには行ってこい」というもので驚いた。


「磯崎先輩はどういうつもりなんだろ、年上だから我慢したということかな?」

「そうだと思うが」


 ふたりきりのときは積極的にくっついてくるから飽きたということはない、ないはずだ。

 なので、そういうことにしておくのが私としても一番いいと言えた。


「細かいことはいいか、こうしてくろちゃんとまたふたりきりで過ごせて嬉しいよ」

「はは、言われた側としてはそう言ってもらえると嬉しいが」

「これ食べたらどうす――あ、今日は私の家に来てくれないかな?」

「分かった、そういうことにしよう」


 何故かやたらと早く食べ始めたものの、こちらはゆっくり食べることにした。

 金銭的負担はかなり大きいので行ける回数は少ない、それなら味わっておかなければもったいない。

 途中、じっと見てきたももにも負けずにマイペースに食べきり、会計はこちらが払って終わらせた。


「はい、まとめて払ってくれてありがとう」

「ああ」

「じゃあ行こー」


 学校からも店からも離れていないそんな場所に彼女の家はあった。

 どうやら部屋で過ごしたいみたいだから付いていくと、なんとなくそんなに変わらないのに女子らしい部屋だなと感想を抱いた。


「飲み物を持ってくるからちょっと待ってて」

「いや、気にしなくていい、ここにいてくれ」

「あ、そう? それならいるけど」


 床に座らせてもらって少し足を伸ばす。

 少しだけなのは一応常識としてしているのもあるし、……足が臭わないか気になるというのもあった。


「さっき考えたんだけど、こうしてくろちゃんとふたりきりで過ごす時間が一週間に一回はあるといいかなって」

「それなられんに言っておくことにしよう」

「くろちゃん的には大丈夫なの?」

「ああ、全く問題ないぞ、ももだって友達だからな」

「そっか、それなら私の方からも磯崎先輩に頼んでみるよ」


 今日の様子なら許可をしてくれると思う。

 多分、あの距離感で一緒に過ごし続けてしまったら悪いことになりそうだからこれでいい。

 まあ、嫌だと言われたられんの言うことを聞くことにすれば問題もないだろうと終わらせたのだった。

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