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二日目朝の会議

冷蔵庫には、溶けた鶏肉が3キロもある。

今夜、和美が皆に振る舞ってくれるはずだった。

朝御飯を探して冷蔵庫を開いたあゆみは、ため息をついてそれを閉じた。

今朝は、何も食べたくない。

昌平が、そんなあゆみの仕草に気取ったのか、後ろから言った。

「…オレが作るよ。和美さんがやりたがってたからな。とりあえず、君は何か食べた方がいいよ。」

あゆみは、頷いたが言った。

「分かってる。でも、食欲がなくて。」

杏奈が、心配そうにいう。

「プリン食べる?今朝入ってたの。補充されてるみたい。これなら喉越しもいいから。」

あゆみは、弱々しく微笑んだ。

「そうね。でも、ホントに何も入らない気がする。」

すると伊緒が、パンを手に言った。

「しっかりしなきゃ。食べないと頭が働かないよ?和美さんが真だったなら、それを殺した狼を吊ってやるつもりで頑張るの。これからも、みんな襲撃されて行くんだよ。それを阻止するためにも、狼をストレートに吊らなきゃ。恵令奈さんは私から見て人外だった。縄は無駄にならなかったの。だから、今夜からもしっかり人外をピンポイントに吊って行かなきゃ。一緒に頑張ろう?真なんでしょ、あゆみちゃん?」

あゆみは、どう答えて良いものかと思ったが、自分が共有者の真であるのはかわりない。

なので、自信を持って言った。

「…ええ。私は真よ。だから頑張る。そうね、ごめん、昨日は伊緒ちゃんを見習おうと思ったのに。食べるよ、でもパンは無理そうだし、プリンにする。」

杏奈はホッと微笑んで、冷蔵庫からプリンを持って来てくれた。

伊緒も表情を緩めて微笑み、3人はそこで固まって朝食を摂った。

愛里も佳純も、まだ降りて来ていなかった。


バラバラと集まって来た人達は、7時半には全員揃った。

佳純は、疲れた顔で言った。

「じゃあ、朝の会議を始めるわ。みんなは分かってると思うけど、占い師の中で残ったのは村役職と真占い師だった。内訳は言わない。その時が来るまでこのまま行くわ。話し合って決めたことよ。で、今朝は一輝さんと和美さんが犠牲になった。どっちかが狐で、どっちかが真占い師だったわ。狼と永嗣さんの読み合いで狼が勝った感じね。占い師と霊媒師の中の役職のこともまだ言わない。真役職同士の中では共有してるから、私が万が一噛まれてしまっても問題ないわ。つまり、真役職は全員内訳を知っている形になるの。」

あゆみは、それを聞いて思った。

カイが真占い師で、景清が猫又なのだ。

景清は、あくまでも噛まれることを望んだのだろう。

その勇気には、あゆみは頭が上がらなかった。

佳純は、続けた。

「昨日の恵令奈さんは、白が確定したわ。何だったかはわからない。後から分かるんだと思う。とりあえず、今夜は伊緒さんが占い師達の二択、永嗣さんは私を護衛して。霊媒師は噛まれたら吊り始める。今夜はグレー吊り。一輝さんと和美さんの内訳がわからないから…昌平さんと和人さんも、一応グレーとして話をしようと思う。」

重久が、言った。

「和美は最後まで襲撃を怖がってた!呪殺なんか頭にないみたいだったぞ。占われることは全く怖がってなかったんだから、あいつは絶対狐じゃない!一輝の方がおかしかったじゃないか、恵令奈さんの追放を見てからの狼狽えようをみんな知ってるだろ。昨夜呪殺されるのを知ってたからじゃないのか!」

確かにそうだ。

和美は、相互占いの提案にノリノリだった。

明生がそれを発言した時、割り込んでバツの悪そうな顔をしていたのは記憶に新しい。

どう考えても、あれは狐の反応ではない気がする。

カイも、頷いた。

「僕もそう思うよ。だから、どこまでも和美さんが真に見えてるけど、わからないからね。とりあえずってこと。」

景清も、頷く。

「だよな。狼だってそう思ったから和美さんを噛んだんだと思うんだよ。仮にカイが真で呪殺しても、噛み合わせで2死体出ないから分からなくなるだろって寸法だろうなって。何しろ、一輝を噛むのは不自然だ。あいつは慣れてなさそうな様子だったし、発言も流れに合わせてるみたいだった。和美さんの方がしっかり発言してたもんな。だから昌平は、白寄りのグレーで、吊られることはよっぽどでないとない。占われるかもしれないけどな。」

重久は、少し納得したのか頷いた。

「なら良いんだ。あいつは真だったとオレは思ってる。」

佳純は、続けた。

「それで…ええっと、グレー詰めの話ね。今の完全グレーは杏奈ちゃん、愛里ちゃん、重久さん、公一さん、拓郎さん、それから昌平さんと和人さんになるのよね。その中に、1狐、3狼が居ると仮定して進めようと思ってる。仮に恵令奈さんが狐だったとしたら、変わってくるけどね。単純に二分の一の確率で人外に当たるのかなって考えよ。だから、今日はこの7人から話を聞いて活きたいと思ってるわ。じゃあ、拓郎さんから聞いていい?昨日あんまり発言が聞けてないし。」

拓郎は、頷いた。

「分かった。オレは…そうだな、景清の言う通り、狼は和美さんを噛んだのかなとオレも思った。一輝はなんか頼りない風だったし、どうも村役職っぽくもない。猫又や共有だったら、もっとしっかり自信を持てると思うんだ。それがあんまりなかったから、しかも占い師なのになんかふわふわしてる感じだったし、ここが狐かと言われたらしっくり来る。和美さんの強い発言の仕方は、役職でも占い師っぽかった。相互占いを喜ぶ狐もいないだろうし、そもそも猫又や共有だったら自分占いは無駄だからあんな風に声が出ないだろう。そんなわけで、今日生きてたら和美さんが真だろうなと発言するつもりだったが、こんなことになった。だから昌平は白だと思う。オレでもそれが見えてたのに、和美さんを守れなかった永嗣はオレの中では真目が落ちてる。昨日は発言から伊緒さんが狼かと思ってたんだが、永嗣のカイ守りはあまりにも安直だ。狼と読み合うつもりもなさそうな守り先だろ?狼だって、カイは守られてるって考えるのが普通だ。裏をかこうと考えてないように思う。」

永嗣が、反論した。

「守り先には迷ったさ。でも、狼がチャレンジして来たらって思ったんだ。和美さんでもそんな風に言われるのに、カイが襲撃されてたらもっと何故守らなかったって言われるところだろう。それが怖かった。冒険はできなかった。」

拓郎は、肩を竦めた。

「ま、以上だよ。まだ決めたわけじゃない。あくまでも印象が変わったってだけ。」

佳純は頷いて、公一を見た。

「次は公一さん。」

公一は、頷いた。

「オレは永嗣さんのカイ守りは順当だったと思う。永嗣さんも言ったように、真目の高いカイが噛まれたらみんなの批判は集中したと思うし。もし、和美さんではなくカイが死んでたら、おれは迷わず狩人ローラー続行を提案したと思うよ。昨日の様子を見ても、当然守る位置だと思うから。そこを難癖付けて怪しんでる拓郎さんは、オレからしたら俄かに怪しく見えてるよ。とはいえ、和美さんの事はオレも真だったと思ってる。でも、グレーの重久さんがやたらと庇っているように見えるのもちょっと不安だけど。グレーの中の半分は人外なんだろ?そう考えたら、自分が白だから他はほとんど人外だと怪しんで行くのは間違ってないと思うし、一応和美さんと一輝はフラットだと言っておくよ。」

佳純は、次に重久を見た。

「重久さんは?」

重久は答えた。

「オレは和美は絶対に真だったと思う。あいつは、みんなで帰ると明るく言っていたし、恵令奈さんの追放を見るまでは、落ち着いて占い師としておかしくない発言をしてたんだ。狐だったらあんなにあっけらかんとしてられないと思う。オレにしか分からないかもしれないが、あいつはほんとに前向きだったんだ。」

佳純は、頷く。

「分かってるわ。仲良くしてるなって思ってたし、話していたのは見ていたから。重久さんにしか分からない事もあると思うわ。それで、一輝さんが狐だったとして、そこからどう考えるの?」

重久は答えた。

「初日に囲うってのは安易な気もするんだが、それでもゲームに慣れてなさそうな一輝だったら囲ってそうだと考えて、相方は和人かなと思っている。狼が和美を襲撃して来たのが解せなくて…あいつは確かにオレ目線じゃ真っぽかったが、お前達から見たら同じ白でも村役職の可能性だってあったんじゃないか?そこを噛んで来てるのも、なんだかちょっと納得できない。拓郎がその理由を言ってたが、オレから見たらそんなの推測だし、猫又に当たったら怖かないか?狼はなんで和美が猫又じゃないって思えたんだろうって思ってな。まあ、一か八かで噛んだと言われたらその通りだが…。」

それには、安治が言った。

「…多分、だが、昨日景清が護衛を自分だけにするなと言ったからじゃないか?」皆が安治を見る。安治は続けた。「オレはあれで、景清が村役職なのかと思ったんだ。佳純さんは景清を守らせようとした。だが、景清はそれを分散させた。恵令奈さんが死んだのを見てるのにあれが言えるのは、人外じゃないだろう。とすると、佳純さんが守らせようとしたことから、景清が共有者の相方で、それを守らせようとした佳純さんに対して、景清が占い師を守らせようとしたようにオレには見えた。昨日は襲撃の事もあるから言わなかったが、だから狼は、猫又は霊媒師に居る、と思ったんじゃないかと思う。でないと噛めないだろう。怖過ぎるからな。」

安治の言うことはもっともだった。

昨日、わざと佳純はそう見えるようにと景清と話し合って茶番を演じたのだと言っていた。

村にも狼にもそれは見えていたが、狼はあいにく、共有者だと思われるところより、占い師を噛みたかったようだ。

重久は、顔をしかめた。

「…マジか。オレは気付かなかった。だとしたら、オレは永嗣に文句を言いたいよ。拓郎の意見に賛成だ。カイを守ってなかったら確かに責められたかもしれないが、自分の任された意味と重さを考えて欲しかった。どうあっても護衛成功を出す気概が見えない守り先だ。公一はそれを責められないとか言ってたが、オレは責めたい。気付いていた人も居たわけなんだからな。そう考えたら、和美が噛まれたのは必然だった。あいつがあれほど怖がったのも、道理だったんだ。」

重久は、また暗い顔をした。

最後にしっかり話せなかったのが、心残りなのだろう。

何しろ、戻って来るとは言っているが、それが証明されているわけではない。

それも、ルールブックの文言からの、推測でしかないのだ。

佳純は、そんな重久を見てまた悲し気に顔をしかめたが、表情を引き締めて、愛里を見た。

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