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誰が怪しいのか

「オレ目線ではカイが凄く白く見えてるんだよな。」景清は言った。「だから相方だとしたらカイが筆頭位置だ。でも、和美さんも落ち着いて発言してるし、一輝も頑張ってゲームを理解しようと思考してる感じを受けた。誰が人外って、だからホントに今はわからない。オレの白先は共有者の佳純さんだし、他の占い師達の白先の意見を聞いて、その人達の色がおかしくないかで判断しようかなと思ってる。霊媒師はほんと、みんな白くなったよなー。あゆみさんが思考ロックしないって最初に言ったのも好感が持てるし、元気の率直な意見も良かった。尚斗さんの弁明は白く見えたし、安治さんの意見も重みがあって…誰が怪しいとかなくなっちゃったよ。ちょっと困ったと思ってる。肝心の狩人だけど、確かにみんなが言うように伊緒さんの意見は強かったな。でも、最初の発言だったし、頑張らないとって思った結果にも見えた。永嗣さんは落ち着いてるけど、だから白いってのはまだ早いかな。恵令奈さんはこの中では浮いてる印象。オレ目線じゃ、とりあえず狩人減らしたいだけだから、誰かも言ってたけど、真をつらなけりゃ誰でも良いから、みんなが恵令奈さんにするならオレもそれでも良いかな。そんなところ。」

景清は、かなり話した。

発言が後になるほど情報が増えるのでそれは当然かもしれないが、かなり白く見えた。

佳純は、言った。

「じゃあ、最後にカイ君。」

カイは、頷いて口を開いた。

「…そうだね、僕も狩人の中なら誰でもいいよ。だって、いくら話しても結局推測でしかないわけなんだよね。それよりは僕自身が生き残るのが重要なだけで。狩人に狼が出てくれたのはラッキーだったと思うよ。もちろん狂人と狐って可能性もあるだろうけど、話を聞いてると占い師にはどうも狼は居なさそうだなって感じた。多分、出てるのは狐だね。だから、狩人の中の狼さえ吊らなきゃいいわけで、それが仮に真狩人でも結局白黒出せる真役職が死なないことが重要だから、指定護衛で役職守らせればいいわけじゃん。破綻恐れて噛めないから、真狩人が一人で守るよりよっぽど効率いいよ。とりあえず、僕はまだ色も見てないところの色予想は言わないでおくよ。ミスリードになったり、僕が指摘したからと発言変えられたら困るしね。追い込んでから言うよ。逃げ場がある内に手の内を晒してしまいたくないからね。僕からは以上かな。」

カイ君は、多分村人だ。

しかも、自分を必ず真だと証明できる役職…猫又ではないだろうか。

あゆみは、思った。

こんなに、ともするとヘイトを買うような事を言ったら、怪しまれると人外にはできないだろうからだ。

佳純は、ため息をついた。

「まあ…カイ君の意見も聞いてはおきたかったけど、そう言うなら時期が来てから聞くわ。ただ、一つだけ。狩人の内訳をどう考えてるの?」

カイは、息をついた。

「…そうだね、言わずにおこうと思っていたけど。僕は、狩人には狼と狂人が出ていると思っている。」

狐じゃないのか。

あゆみが身を乗り出すと、佳純が問うた。

「それはなぜ?」

カイは、答えた。

「僕は占い師に狐が出ていると思ってる。そしてその狐すら、恵令奈さんを庇ってないし、ここまで全員が恵令奈さんで良いと言ってることでもわかる。恵令奈さんは狼にも狐にも庇われていないことになる。つまり、恵令奈さんは真か狂人。それが僕の意見だよ。その上で、恵令奈さんの発言を考えたら、狂人かなって。」

佳純は、さらに突っ込んだ。

「ごめんね、いっぱい聞くけど、カイ君の意見は参考にしたいから。その、狂人だと思った発言の内容は?」

カイは、また息をついた。

「…あのさあ、それを話すと僕がどう考えてるのかちょっと透けるけど。まあいいや、まず、狩人が発言している時はまだ、霊媒師は発言していなかった。その時のみんなの意見は尚斗さん偽でしょ?村は後から出て来た尚斗さんを凄く怪しんでた。当然、どこかに居る狂人も、尚斗さんを狼だと思っただろう。自分が狂人だから。もしかしたら狐かもしれないが、狼の確率の方が高いしね。」

佳純もあゆみも、ウンウンと頷く。

カイは続けた。

「そんな時に、伊緒さんは強く尚斗さん黒だと言った。狂人目線じゃ敵だと思うだろう。何とか庇わなきゃと考える。そしたら永嗣さんが対抗がどうのと庇うような意見を出した。それに乗ろうと考えた、と僕には見えたんだよね。あ、狂人だな、と思った。これは永嗣さんと尚斗さんの色は関係ないよ?何しろ狂人からは狼が誰なのかわからないから。ただ、あの時の村の空気からそう考えたんだろうなあって思った。だから、永嗣さんと伊緒さんはわからないけど、恵令奈さんは狂人かなって僕は予想してるんだけどね。」

かなり具体的だ。

他の人達が浮いてるだの、発言が薄いだので恵令奈を推しているのに、カイはとても論理的に考えて恵令奈でいいと言っていたのだ。

昌平が、言った。

「…マジか。すごいな、カイ。カイ様と呼びたいぐらいだ。なんかモヤモヤしてるのに怪しいなあって言語化できなかったけど、そういう事だったのか、って心の中がスッキリした気がするよ。」と、佳純を見た。「意見話してもいいかな?そろそろ鍋を見て来ないといけないから、先に話して席を外したいんだ。」

すると、和人が脇から言った。

「オレが見て来ようか?」

昌平は、苦笑した。

「いいって、オレが作るって言ったし。」

そうだ、鍋だったと佳純は慌てて言った。

「いいわ、話して。」

昌平は、頷いた。

「じゃあ、オレの意見。オレは占い師は、めっちゃカイ信者になりそうだ。これで猫又とか共有者だったらショックだな。白には違いないけど、結果が信じられなくなるから。景清さんもいろいろ考えてて自信がありそうだから、白に見える。一輝さんは…慣れないからかな?他の思考が伸びる人達の後に聞いたから、ちょっと薄く聴こえてオレの中ではちょっとマイナス評価だった。和美さんはいきなり振られてさっさと答えてるところが印象いい。オレに白をくれてるしね。霊媒師は、みんなは尚斗さんがもっともなことを言ってると白くなったように思ってるみたいだけど、オレはまだそうは思ってない。やっぱり役職者は、みんなが出たのを見たらその時点で出ておくべきだ。あんな風に個別に話す場で出たら、共有者だって困るじゃないか。何か対策を考えていたとしたら、それで壊れるだろ?迷惑でしかない。だから、オレは何を弁明したって後から出たって罪は消えないと思ってる。だから、霊媒師を精査することになったら、まずは尚斗さんからと考えてるよ。ちゃんと出た他の霊媒師達に悪いからね。」

確かに、あれで佳純とあゆみの策は崩れた。

あゆみは、思った。

あんな風に出る真役職もあるかもしれない、程度に思っておくのがいいのかもしれなかった。

昌平は続けた。

「そんなわけで、オレは狩人だってまだわからないと思ってる。仮に尚斗さんが狂人ならわからないけど、黒なら伊緒さんは白いし永嗣さんが黒い。白なら逆なわけだろ?決め打つ材料はまだない。とはいえ、恵令奈さんが浮いてるのは確かだし、今日は恵令奈さんでオレも異存はないよ。それぐらいかな。」

昌平は、思っていた以上に考えていて、自分の意見というものをハッキリ持っている。

あゆみは、昌平が羨ましかった。

すぐに流されてしまい、今も迷っているあゆみとはえらい違いだった。

佳純は、頷いた。

「ありがとう。鍋を見て来て。」昌平は頷いてキッチンへと向かう。佳純は続けた。「次、一輝さんの白先の和人さん。」

和人は、昌平を見送りながら言った。

「昌平はすごいな。回りに流されない意見はまたもっともだしオレ、恥ずかしくなった。そうだな、オレは占い師はカイが筆頭で白いのは確かにそうだと思う。もう、ほんと崇拝レベルで信じてる。もし猫又や共有者だったとしても、カイは村人かなと思った。で、霊媒師だけど、確かに昌平が言うように、尚斗さんは弁明がしっかりしてたけど、後出しってマイナスから始まってるからそこまで白くはないよな。カイが言うように、占い師に狐が出ているのなら、狼は全員グレーに居たことになるだろう?まあ、霊媒師に出ている中に混じってたら一人は出てたことにはなるけど、尚斗さんが黒ならそうなる。慌てるよね、グレー詰めされたら結構な確率で吊られるから。それで急いで狩人と霊媒師に出たとなると分かる気がするし。確かに白の数はわからないけど、狼同士は誰が仲間か分かってるんだから、全員グレーに居るのは見えてるもんね。だから、あんな怪しまれ方をするのも仕方ないと思うんだ。だから、フラットに戻ったなあ。狩人も、永嗣さんが尚斗さん寄りで伊緒さんが尚斗さん敵認定してることで精査してたみたいだけど、みんなもこれで分からなくなったんじゃないか?とはいえ、だからやっぱり浮いてる恵令奈さんからってのが妥当かな。今日はとりあえずって感じ。」

そうなるよね。

あゆみは、激しく同意だった。

もうわからないが、浮いてるんだから恵令奈からにしよう、という空気になるのは仕方がない。

カイは恵令奈を真か狂人と言って、狂人だろうと結論付けていた。

佳純は、ため息をついて言った。

「…なんか村の意見が固まりつつあるのかなって感じね。じゃ、明生さん。」

明生は、口を開いた。

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