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07 聖騎士4傑


 聖騎士4傑とは、バンパイア、上級アンデッド等の不死者討伐の専門職だ。

 聖騎士団は戦争用の騎士団で、その上に特殊聖騎士団がある。又、その中から上位4名を聖騎士4傑としている。


 この聖騎士4傑、誰でも憧れる名誉職かと言うとそうではない。バンパイア、上級アンデッド等、そうそう現れない、現れて討伐すると討伐金が出るが、そうでなければ、お金が一銭も入って来ない、安定した役職ではないのだ。金持ちで強い者でなければれないのだ。それだったら、冒険者や傭兵になった方がまだいい。


 団長とアリリは、ジルにこの聖騎士4傑になれと言う。

 アリリが言う事には、聖騎士4傑は司祭の職位と同じ権限を持つ事になるとか。


「では、やるよ」


「決定かい?」


「あぁ」


 訓練もしたくない、やる気もない俺にはぴったりな職ではないか?


 1日に1回、冒険者ギルドの依頼掲示板を見に行き。バンパイア、上級アンデッドの依頼が無ければ帰り、ぐだぐだするだけだ。すばらしい。パラダイスだ。


「あんた、暇だったら、バンパイアを探したらどう?」


「そんな効率が悪い事、出来ないぞ」

 どこにいるのか分からないバンパイアを探すくらいだったら、寝ていた方がましだ。


「やる気がない人がいると、こっちまでやる気が出ないじゃないの」

 家でも買おうかな? 雑貨屋を開いて副業にするとか。

 聖騎士4傑でも、お金が無く副業している人もいるのだ。


「アリリ、俺、そんなに邪魔? 邪魔なら1人暮らしするけど」


「1回、1人暮らしするのも悪くないわね。全部1人でやらないといけないからね。少しは動かないと駄目だよ」


「よし、決めた。1人暮らしするぞ」


 首都内を歩き回り、テナント募集の所を探し、連絡する。

 すんなり借りられて、商品を並べて行く。商品は魔鉱石、魔核をメインに、【人】の時に開発した商品を適当に並べる。店に大きなショウケースを置き、その奥で椅子に座り、客を待つのだ。場所は怪しげな路地裏にあり。人が1人、入れる程の通路だ。誰も来ないような怪しげな店になった。


 変な客には消えて貰っている。


「しょば代を出せ」


『石化』


 人の形をした彫刻。これも商品として置こう。


 店を開けるのも、商品の売買も気分次第なのだ。


 いつしか、レアな店として、有名になる。


 店の商品はホコリが被っている。だが、その中にお宝が眠っていると噂が立ってしまい、店の商品が空になる事もあった。


 オリジナルは残し、複製をコピーして商品として売っている為、問題はないが、ガキが万引きするのは許せないので、商品全部にポインタを付けるようにしている。売る時はポインタを外し、勝手に店の外に持ち出す場合には警告音が永遠に鳴るようにしている。


 忙しくなるのが嫌で、3日に1日だけ開けるようにし、だらだらするのだ。

 聖騎士4傑の仕事は店を閉めた後、冒険者ギルドに寄り掲示板を見て帰るようにしている。


 ついに、冒険者ギルドの依頼掲示板にバンパイア討伐の依頼が張り出された。


 ちょー、面倒臭い。店に戻り、星規模の思念を発動。バンパイアを店に召喚し、水晶に閉じ込める。子供のバンパイアを含め、7体程いた。そのバンパイアを教会に持って行き、解決。店に戻り、いつもの生活をする。


 旅に出るか。と、ふと思った。食事旅だ。お薦めな店を人に聞きながら食事をするグルメ旅だ。この世の唯一の楽しみと言ったら、グルメしかないでしょうに。


 この星にはバンパイアはもういない。上級アンデッドはダンジョンの最下層にいるが、人に迷惑を掛けていないので、見逃すとした。各地を歩き回る事で、聖騎士4傑の仕事をしていると思われるのも都合がいいのだ。


 店を閉めて、家賃2年分を大家に払い、旅に出る。目標はグルメマップを作る事。手始めに、ここ首都のグルメだが、もう網羅してある。ふんわりとろとろのクリームシチューがお勧めだ。そして、某店の卵掛けご飯は絶品……。これは語彙が足りないと伝わらないぞ。俺は語彙なんかないぞ。


 本来なら写真があればいいのだが、この星にはないのだ。国、町名、店名、場所を記載して、本にするのはどうだろうか? 絵心もないので、記載だけにする。元々、食べる事は俺の趣味だからな。本は二の次にしよう。


 生憎、ここはヒューマン族の端に当たる国だ。海側の反対に歩いて行けば、全ての国を網羅する事が出来るはずだ。そして、転移魔法陣を設置すれば、いつでも美味しい食事が出来ると言うもんだ。


 まずは、首都、帝都、皇都に行く、人が集まる所には美味しい食べ物もあるはずだ。人に聞いて、食べ歩くぞ。お金が無くなれば、冒険者依頼をすればいい。


 出発。


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