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05 聖騎士


 現在、教会前に来ている。


 ゴシック建築の塔が2つ並んでおり、塔の天辺には十字架が立っている。中央下に扉口があり、そこから入る事が出来るようだ。


 中に入ってみると、手前に前室、そしてアーケードが続いている。その向こうに礼拝堂があるのだろう。どんどんと歩いて行くと、横の壁と上にステンドグラスがあり、美しい。


「すみません」


「はい、献金、寄付金でしょうか?」


「いえ、宮殿魔法師団長より、手紙を預かってきました。推薦で交換留団しに来た者です」


「はい、少々お待ち下さい。大司祭をお連れします」


「アリリ殿の推薦で来られた方ですか? こちらへどうぞ」

 大司祭らしき男性が先程の女性に案内されて来た。

 衣服は真っ白で、十字マークの入った縦長帽子を被っていた。


 こじんまりとした、応接室に通された。

 ここにもステンドグラスがあり、その光で部屋が彩られている感じだ。

「お座り下さい」


「はい、失礼します」

 ソファに座る。年季が入っているソファで少し固い。


「聖騎士に交換留団ですね。以前よりアリリ殿から、お話しはありました」


「それで、入団出来るのでしょうか?」


「そうですね、入団試験をしましょう。簡単な試験です。難しい試験ですとアリリ殿に叱られますから」


「聖属性の魔力があれば問題無しとしましょう」


「宜しくお願い致します」


「この水晶の玉に手をかざして、聖属性魔力を流して下さい」

 少なく、ヒールを流す感じで……。

 ヒビが入ってしまった。申し訳ない。


「この水晶、古かったかな? ちゃんと聖属性魔法は出来て、いましたから大丈夫です」


「この手紙を聖騎士の、寄宿舎に持って行って下さい。そこで、寮の部屋割りを行って下さい」


「はい、ありがとうございます」


 大司祭さんから地図を貰い、聖騎士の寄宿舎へ向かう。

 なんか緊張して来たな、女性しかいないとか。アマゾネスみたいだったら怖いぞ。


 これが聖騎士の寄宿舎かな? 四方形の建物で学校みたいだ。階段が付いており、3階建てになっている。あまりじろじろ見ると、変態に思われてしまうぞ。


 窓口へ行き、おばさんに手紙を渡し、許可を貰う。3階の一番奥が俺の部屋だと言われ、鍵を貰った。


 3階の一番奥ね。階段を昇る。誰かが出てきて侵入者だと思われたら、たまらん。これ、寮じゃなく、アリリの屋敷から通った方が良くないか? 心臓に悪いぞ。


 引き返そう。


「誰だ、お前は。最近の下着泥棒だな」

 筋肉隆々の短パン、Tシャツのお姉さんが、ずかずかとやって来て、殴って来た。それを躱し、脇を素通りし、走りに走った。縮地を連続して、アリリの屋敷に滑り込んだ。


「なんだ? ジルか? どうした?」

 気配を察知し、アリリが出て来た。


「あ、アマゾネスに追いかけられた」


「意味分からん」


「聖騎士の訓練は、この屋敷から通うぞ!!!」


「それは、構わんが」


 聖騎士になるのは無理かもしれん。こわっ!


 翌日、教会へ向かう事にした。大司祭さんに聖騎士のリーダーを紹介して貰う為だ。このまま訓練場に行っても、信用されないだろう。


 訓練場は、寄宿舎前にあり、ちらっと見て来た。大司祭さん自ら、紹介してくれるらしく、アリリも付いて来てくれた。お子様みたいだが、しょうがない。まだ11歳なのだから。


「え~っ。本日から、訓練に参加する事になった。ジル君だ」


「ジル・デ・トーカス、11歳です。宜しくお願い致します」

 本当はジンだが、ジルに変更するか。この首都の市民権を取る時、変えよう。


「それでは、ジルを宜しく頼んだよ」


「はい、大司祭様」


「ジル君と呼んでいいかい?」


「はい、構いません」


「では、ジル君は年少組と訓練するように」


「はい」

 年少組か、大司祭になるには、先は長いぞ。


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