04 教会
現在、応接室でテーブルを挟んで向い合せでアリリとソファに座っている。
「それで? エンシェントドラゴンロードから、なぜ人間になっているんだい?」
「あぁ、エンシェントドラゴンロードは知っての通り、長を決める仕来たりがあるだろ? それに負けて死んだんだ」
「嘘だろ、あんた最強だろ」
「まぁ、人生に疲れていたんだと思う。狭い世界で何千年も生きてられるかって」
「で? 今のあんたは何者なんだい?」
「俺は、今、田舎貴族の7男で、11歳になったから、追い出されたところだな」
「ハハハハハハ。傑作だね。大賢者、皇帝、エンシェントドラゴンロードになった者が追い出されたって」
「それで、これから、どうするね」
それが、考えていないんだよね~。
でも、次回の転生時の為に何か残さないといけない。
「何か、あるか?」
「宮廷魔法師団に副隊長の座が空いているぞ」
「アリリの尻に敷かれるのは嫌だな」
「尻に敷かれるのとは違うわい。だが、軍部に入ると上官の命令は絶対だからね」
「まぁ、今の所、やりたくないな」
「宮廷薬師団長も空いているぞ」
「この国、大丈夫か?」
「だらけているのは確かだな。この200年間、戦争がないから」
戦争を知らない子供達か。それは隣国も同じだろう。
「無いに越した事ないだろう」
「突然、戦争になった場合の対処が大変なんだぞ」
「暇な職位はないか?」
「全部、暇だぞ」
「まぁ、仕事は全て遣りつくした感はあるな」
「あっ!」
「なんだ?」
「俺を倒したエンシェントドラゴンロードを倒したい」
「そんな事か、倒しに行けばいいだろう。だが、あんたお金もないんだろ? しばらくは、私の手伝いでもするといい」
「そうするか? 厄介になるな」
今までやって来た仕事は鍛冶、商人、土木、建設、農業、執事、執務、皇帝、魔物、大賢者、貴族か。薬剤師や教会関係はやった事ないな。
「さっき言っていた、宮廷薬師団長をやりたい。やった事がないからだ」
「あんた、錬金術とか、薬剤、薬草に詳しいのかい?」
「そりゃ、大賢者、エンシェントドラゴンロードで詳しくなったさ」
「じゃ、やる必要ないじゃん」
「教会の大司祭もやった事ないぞ」
「教会関連、やってみるかい?」
興味津々で、アリリは言って来た。
「あぁ」
「聖騎士団と魔法騎士団は合同練習をいつもしていて、顔は効くから」
「最初に聖騎士団に入る事だね。女ばかりだから、変な女に目を付けられるんじゃないよ」
それで興味津々な目になったんだな。
「どう言う設定で入るんだ?」
「私の部下の交換留団と言う設定だね」
「交換留学みたいなもんか?」
「あんた、回復魔法は持っているんだろうね」
「あぁ、トリプルエクストラヒール、トリプルエクストラキュアなら持っているぞ」
「それは、星全体に掛ける魔法だ。もっと小さい回復魔法はあるかい?」
「ヒール、ダブルヒール、エクストラヒール、ハイエクストラヒール、スーパーエクストラヒール、ダブルエクストラヒール、トリプルエクストラヒールは使えるな。それのキュアも使えるぞ」
「よろしい。馬は乗れるかい?」
「皇帝の時、良く乗っていたから大丈夫だ」
「剣の腕前は?」
「聖剣、神剣、呪剣の称号は持っているぞ」
「槍の腕前は?」
「聖槍、神槍、呪槍の称号も持っているぞ」
「呪い系の剣、槍は使うなよ」
「呪い系が、一番威力が強いんだが」
「聖属性の魔法は持っているかい?」
「あぁ、全部使えるぞ」
「復活魔法もかい?」
「リザレクトも使えるし、時間逆行も使えるぞ」
「さすがエンシェントドラゴンロードだね」
「では、紹介状を書くから、教会に持って行きな」