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老人革命 1.0  作者: OPpSYb~
5/5

神童はフォートナイトの夢をみるか

後半書き足す予定です。

 吉良きら のぼるはこの春地元の公立中学に進学した。まだ学ランに着られている印象がある。通知表は中の上程度。担任の評価は「たまに鋭いことを言う子です。」だった。得意教科は社会と数学。長距離走が好きだったため部活は陸上部に所属した。


 昂の父は入学祝いにと1台のノートパソコンを昂に買い与えた。一世代前のCPU、8GBのメモリ、NVMe接続の256GBSSD。コンパクトで立ち上がりが早いものを選んだ。ゲーム漬けにならないようにとの配慮からか、グラフィックボードは最低限の機能しか持たないものだった。パソコンを買い与えたのは息子の能力に気づいていたからではなかった。父は理系の大学を卒業していたこともあり、中学生くらいからパソコンに慣れるのはいいと思っていた。昂の世代は小学校からプログラミングの授業があったようだが、買い与えるのは中学に入学してからだと父は心に決めていた。もしかするとビル・ゲイツのようにICT事業で将来大成するかもしれない、といった期待もほんの少し持っていた。


 父の淡い期待通りにはいかなかったが、昴の隠れた才能はランドセルにも収まるような小さなノートパソコンを介してワールド・ワイド・ウェブで花開くことになる。その才能ギフトは"ロジック"。通常日本では類まれな発想、早熟性、全国模試の点などをみて神童を見出すだろう。だが昂の才能は地味だが、「大人が音を上げるような細い論理の筋道を粘り強く最後まで追う」ことができた。昂はその存在すらまだ知らないが難解さで知られるラッセルのプリンキピア・マスマティカやヘーゲルの精神現象学ですらも意味を追うことができるだろう。その能力は神童と呼べる領域にあった。


「のぼるー、次は競争しようぜ!」

「いいよー、400m一本。負けたらアイス1本おごりなー」


陸上部の友人と戯れる姿は普通の13歳と変わらない。18時を過ぎて日が暮れてきた。


「はい、今日はここまでー。みんなお疲れ様。クールダウンして上がってね」3年生のキャプテンが終了を告げる。


「あー、疲れた。まあ今日は昂からアイスおごって貰えるしよしとすっか」

「なんだそりゃ笑。今週負け2回目だからお小遣い厳しぃよぉ。」


「昂はパソコン買って貰ったんだろ?いいよな家金持ちで。」

「そんな金持ちでもないわ。」


「パソコン何に使ってんの?」

「マイチューブ観たり、たまに父さんとプログラミングしたり」


「俺なんてスマホでしかマイチューブ観れないから大画面うらやましー」

「画面小さいけどスマホより疲れないから重宝してる。父さんには感謝だなー」


「あっ、ホントはただのマイチューブ閲覧機になってんだろ?」

「バレたか〜。確かにほとんどそぅ笑」


昂は友人にアイスをおごり、帰宅した。夕飯を食べ自室に戻るとパソコンを開き電源を入れた。ものの数秒で立ち上がるのは気持ちがいい。学校で触るパソコンと比べると雲泥の差だ。すぐにお気に入りに登録してあるマイチューブに移動する。


「さぁ、今日は更新されてるかなーっウズメチャンネル。

 ...あー、されてるされてる。カテゴリーは教育系。タイトルは"招待状方式"かぁ。」


昂は、毎日の日課であるかのように淀みない動作でスピーカーのボリュームを確認し、動画の再生ボタンを押すのだった。





フォートナイトはやってみたいなと思っています。

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