表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者殺しの第九騎士〈ナイトオブナイン〉  作者: アガラちゃん
三章「奴隷少女の生まれ変わり」
44/237

3章-(14)来るべくして

「転生者風情が……!」


 怒りに歯がみするイルフォンスへ、ラスティナが意地の悪い笑みを向ける。


「そんな顔もするのか。いつも魂の抜けたような顔で刀磨きをしていたのに、ずいぶん人間らしくなったじゃないか?」

「ナイト“1”……指示をくれ」

「何のだ?」

「あの転生者を粛正する命令をよこせ……!」

「ずいぶんなご執心だ。なんだか妬けてくるよ」

「ふざけるな!」


 ラスティナのくだらない軽口にすら、イルフォンスは余裕なく怒りをむき出しにする。

 だがラスティナはそんな彼の様子をまるで気に留めていないかのように、冷たく言い放った。


「ソウジの単独行動は私が許可を出している。粛正の対象とはならん」

「だが……奴は他の転生者と逃げたんだぞ……!?」

「くどいな。それは私の判断に疑義(ぎぎ)があると受け取っていいのか?」

「それは……いや、すまない……俺の個人的な感情、だった」


 遠くの「うわダッサ!」というマーリカの声にいら立ちつつも、イルフォンスはラスティナに詫びを述べた。


「仲間思いなのは感心だが、そう心配することはない。ソウジはいずれ我々の元へ戻ってくる」

「それは……?」


 ラスティナの言葉に、イルフォンスは顔を上げる。


「私は以前あの男の過去を見た。あの男はな、元の平和な世界では生きていけない奴だったのさ。だからこの世界へ召喚された……()()()()()()()()んだよ。この世界へ」


「…………」

「なに、すぐだ。じきにここへ戻ってくる。この世界への憎悪を抱く我らの同志としてな」


 ラスティナは背筋が凍るほどの邪悪な笑みを浮かべていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ