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神無月自身も逃れられず、入学させられた身だった。
「理事長と部員達の仲が悪くってね。榊部長がちょっと可哀そう」
「今の理事長はあまり強く能力を引き継がなかったみたいだしね」
「お婆と理事長、同級生だっけ?」
「ええ。そして同じ封話部で、理事長は当時の封話部の部長だったわ。封印を何とかしようと、必死だったわね」
そう語る祖母の眼が、苦しそうに歪む。
半世紀以上も代々の部長が苦しんでいることを、神無月は祖母から教えられていた。
榊も表面上は明るく振る舞っているが、陰では封印のことを何とかしようと必死になっていることを、神無月は薄々気付いていた。
だから部活には喜んで参加はできないものの、渋々ながら付き合っているのだ。
「封じられているモノも、浄化するまで時間がかかるしね。一つが浄化しても、また新たな封じるモノができてしまう。あの土地の力の作用は、恐ろしいの一言に尽きるわね」
「創立120年だもんね。その間、ずっとこうなんだ…」