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白い髪をきつく頭の上で束ね、メガネをかけている神無月の祖母は、今では力が弱まってしまったが、かつての<言霊>使いだった。
神無月の血筋は代々<言霊>使いが多く生まれる。
それゆえに神社が建ち、神無月の血筋の者は神社を継ぐ立場となる。
しかし現代ではほとんど強い<言霊>使いは生まれず、この神社でも能力者は祖母と神無月の二人だけになってしまっている。
祖母はそれでも、習字という手段で<言霊>の力を発揮する術を見つけた。
おかげで祖母の習字教室は子供から大人まで、多くの人間が学びに来る。
そんな祖母もかつては光輪学院の卒業生。
そして封話部の<言霊>使いとして、かの封印にも携わった。
封印には<言霊>使いが必要―。
そう学院の理事長から言われ、代々子孫達は光輪学院に入学しているのだ。