2/18
2
朝食を食べ終えると、神無月は背伸びをした。
「んっん~! 夏休み始まりはゆっくりできていいなぁ」
「八月は忙しいからね」
「はいはい」
祖母は神主を引退し、今は習字教室を実家で開き、先生をしていた。
今は神無月の父が神主をしている。
八月になると、神社はお祭りや行事で目まぐるしくなる。
神無月も神社の跡継ぎとして、そして巫女として忙しい日々を送ることになる。
「あ~。この間、部活で思いっきり<言霊>を使った疲れがまだ残っているなぁ」
ゴキゴキと首を鳴らし、神無月は眉をひそめた。
「あの学校、まだ終わらないんだねぇ」
「お婆の時も、そうだったの?」
「ええ。わたしもまた、封話部だったからね」
今ではオカルト研究部と言われているが、一昔前までは封話部と呼ばれていた。