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そこでふと、依琉がかなりの甘党であることを、神無月は思い出した。
「ふふっ、良かったわ。それじゃあご馳走するわね」
「はい! 喜んで」
笑顔で出て行く二人を見ながら、神無月はため息をついた。
<視>る力こそ無いものの、神道系に身を置いているせいか、多少人間のことがよく分かる。
例えば病気になっているかどうか―。
それで妻の姿を見て、一目で病気にはなっていないことを感じ取った。
それは祖母も一緒で…でもだからと言って、余計なことはしないし言い出さない。
<言霊>使いとして、言葉の重みをよく知っているからだ。
だから来客の注文通りに動いた。―どのような結果になろうとも。
「はぁ~」
二度目のため息を吐きながら、神無月は外に出た。
青空に浮かぶ太陽を見ながら、あの二人の行く道を思い、三度目のため息をついた。
【終わり】




