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「旦那さんは一応は必死だったわよ? 奥さんを助けようとする姿はある」
「そうだねぇ。それがまた、滑稽だとも言えるけどね」
イジワルそうにクスクス笑う依琉。
思わず眉をひそめる。
「そういう態度はあんまりよろしくないわよ? いくら美少年でもね」
「褒め言葉だと思っておくよ」
見た目は儚げな美少年なのに、腹の中は真っ黒な依琉だった。
やがて教室から二人が出てきた。
妻の手には赤いお守りが握られている。
「あっ、お嬢さん」
夫は神無月を見つけるなり、駆け寄った。
「あなたの言葉は力があると、お祖母さまから聞きました。あなたからも彼女を元気付けるお言葉をかけていただけませんか?」
「はあ…」




