12 無事帰還、そして豪邸へ
歩くこと20分。
ようやく、我が家に着いた。
「ただいま~」
「おかえりなさいませ。ご主人様」
アイナは笑顔で迎えてくれた。
この笑顔はいつ見ても飽きない。
「そうだ、いいものを買ってきたぞ」
そう言い、袋をアイナに見せる。
「これは何ですか?」
「フフフ。高級牛肉だよ」
「高級牛肉!?」
アイナは目を輝かせて、袋を見ていた。
これはこれで可愛いな。
「こ、これをステーキにしてもうかなと…」
「はい!よろこんで!」
「よ、よろしくね」
牛肉の入った袋を手渡す。
楽しそうな顔でキッチンに向かっていった。
まあ、喜んでくれて何よりだ。
リビングに入り、椅子に座る。
「ところで、今日はどこに行ってたのですか?」
「まあ、ちょっとした観光だよ」
そういえば、アイナにはデートのことを行っていなかったな。
俺は何故、嘘をついたんだ?
まあ、別にいいか。
「私もご主人様と旅がしたいですね」
「そ、そうか。いつか連れていってあげるよ」
「しかし、旅って結構大変そうですね」
「どうしたんだ?」
「だって、ご主人様とても疲れてるじゃないですか」
そんな風に見えるだろうか。
戦闘はしたが、服はあまり汚れていないのだが。
「私の質問に答えてください」
「へっ?」
いつの間にかアイナに抱かれていた。
いや、捕まったというべきか。
「私、嗅覚がいいんです」
「そ、そうなんだ」
「ご主人様から他の女の匂いをします」
「たまたま、他の人の匂いが移っただと思うよ」
「そして、血の匂いがすごくします」
はぁ…。これは逃れられないな。
諦めて、今までのことを全て話した。
アイナは俺の体から手を離した。
「そ、そんなことが…」
「ごめん、心配させちゃったかな?」
「大丈夫です。私はご主人様を攻めたりしません」
ふぅ…。これで終わりかな。
「で、では…」
「ん?何だ?」
「私とハグしてください!」
顔を赤らめて、そう言った。
「な、何故そうなるのだ!」
「だって、他の人としたのでしょ!」
これは俺に惚れているということか。
そんなに簡単に惚れるものなのか?
「わ、分かったよ」
アイナの体をそっと抱く。
「こ、こんな感じ?」
「もう少し、強く…」
そう言われたので、強く抱きしめる。
「はぁ…幸せです」
幸せそうでよかったぜ。
というか、アイナの体って柔らかいな。
「もういいかな?」
「はい…」
手を離した。
「さあ、ステーキを作ります!」
アイナは生き生きとステーキを作り始めた。
「はい!出来ました!」
目の前には大きなステーキが置いてあった。
「うわ~美味しそうだな」
あまりの美味しさだったので、すぐに平らげてしまった。
「どうでした?」
「とても美味しかったよ」
「それは良かったです」
「ところで、話があるのだが…」
まだ話していなかった、屋敷のことについて話した。
「それはいいですね。いつ引っ越すのですか?」
「明日だよ」
明日は高校の創立記念日なので休みなのだ。
「分かりました」
「まあ、準備はすぐ終わると思うよ」
屋敷には冷蔵庫もテレビもあるらしい。
なので、あまり持っていくものはない。
「では、お風呂を準備してきますね」
「ありがとうね」
ポケットから振動がする。
ポケットから携帯を出す。
相手は神からだ。
「もしもし、何だ?」
「勝手なことをするんじゃない!」
さて、また面倒なことになったな。
「その屋敷に住んだら。ここはどうするつもりじゃ」
また、聞かれていたのか。
「売る」
「それは駄目じゃ!」
「もしかして、売れないのか」
「ワシが与えた家を売るなど。言語道断じゃ!」
そうか、売ることはできるのか。
「分かった。代わりの住居者を探してくよ」
「し、仕方がない。好きにしなさい」
「分かったよ。ありがとうな」
「いつか手放すとは思っていたが、こんなにも早いとは…」
「切るぞ」
電話を切った。
そういえば、目的について聞いていなかったな。
まあ、いつか聞けばいいか。
「お風呂の準備ができました」
「分かった」
風呂に入り、上がったあとは引っ越しの準備をした。
まあ、持っていくものは少なかったがな。
「俺はもう寝るよ」
「おやすみなさい」
ふぅ…。やっと、眠れるぜ。
疲れが溜まっていたので、すぐに眠りについた。
「ふああ…。朝か…」
携帯で時間を確認すると午前8時50分だった。
そういえば、引っ越しのトラックは9時に来るんだったな…。
急いで着替え、ボサボサの髪を整えた。
「しまった。このままではだらしない姿だ!」
できる限り急いだのだが、間に合わなかった。
「ご主人様。来ましたよ」
仕方がない。待たせるわけにもいかないしな。
扉を開ける。
「こんにちは。オールストン家の者です」
「あっ。こんにちは」
「準備は出来ているでしょうか?」
「はい。出来ています」
「では、我々でトラックに荷物を積んでおきます」
そう言い、家の中に入っていった。
「お二人様はこちらの車に」
一人の男にそう言われ。
俺たちは用意されていた車に乗り込み、新居に向かう。
「この専用のロープウェイに乗り、屋敷に行けます」
男が指差す方向にはロープウェイがあった。
「荷物は後で運びますので、先にどうぞ」
俺たちはロープウェイに乗り、屋敷に向かう。
「これが屋敷か…」
「結構広いですね」
ロープウェイを降りると。
目の前には大きな屋敷があった。
鍵を使い、屋敷の扉を開ける。
入ると、そこには広い空間が広がっていた。
見ただけでもドアが7つもある。
俺はこんな豪邸も手に入れたのだ。
昨日は好きな子を抱き、この前は可愛いメイドを手に入れた。
これ、バチとか当たらないよな?
まあ、いいか。
俺のハーレム生活はこれからだ!