第10話 『愛』
『ありゃ、子どもを庇って死ぬなんてな〜まぁどっちにしろ殺すのに変わりはないけど。』
『父さん…』
サクマの目からは涙が止まらなかった
『…ッ!』
サクマは走り逃げようとした。
『おっと逃がさないよ。』
エルフの男が喋った瞬間にサクマの周りにあった木があっという間に炎に包まれた。
『暑い…暑いよぉ〜父さん母さん兄さんどこ行ったのぉ…』
サクマはさっき見たはずの光景が信じられない様に3人の名前を口にした。
『今度こそ死んでもらうぞ。』
炎の向こう側から何か飛んでくる。
『もう死ぬんだ。』そう思って覚悟を決め目を閉じた。
その瞬間誰かの声がした、あれは誰の声だっただろう…でもその声は何を言っているのか聞き取れずサクマは打たれた…
…
…
…
『ねぇきみだいじょうぶ?』
『えっ…?』
サクマが見た光景は火の森ではなく、見た事のない場所だった。
『どうしたの、そんなにけがをして?』
『君は…だれ…』
サクマの目の前にいたのはサクマから2歳ほど年下の子だろうか小さくそしてとても可愛らしい顔をした少女だった。
『だいじょうぶ?』
『えっ…ああこれはその…』
『なにかあったの?まよってたらわたしにそうだんしてみて。』
『いや、君に行ってもどうしようもならないよ。もう父さんたちは…』
サクマは嗚咽を漏らした。サクマはなんで生きているのかが不思議でしょうがなかった。
(俺より父さんや兄さん母さんのほうが他の人達の役にたったのに。)
それを見た少女はサクマをそっと抱いた。
『なにがあったのかしらないけど、わたしがきいてあげるからはなしてみて。』
サクマは少女の目を見た瞬間また涙が出てきた。彼女はこんな見ず知らずの自分を心配してくれるのが。この時のサクマにはとてつもなく嬉しかった。
『実は…』
…
サクマは全てを話した途中少女に分からない所もあったようだがそれでも少女は最後までサクマの目をみて話を聞いてくれた。
『そんなんだ〜しょうじきむずしいはなしでよく分からなかったよ。』
『なっ⁉こっちは信用したから話してあげたのに。』
『ふふごめんね。でもきみがさみしいくてとてもこまっていることはわかったよ…じゃきみにもわたしのはなしをすこししてあげる』
彼女の話はどんな話だったろうか。ずっとみんなの事を考えてうまく耳に入って来なかった。
『ちょっときいてる?』
『ごめんちょっとぼーっとしてた。』
『もーせっかくはなしてあげたのに』
『ごめんって言ってるだろ…』
『まぁいいやでねいまのきみのはなしきいてたらなんかむねがいたくなってきちゃたよ…ねぇきみそんなにおちこむことないんじゃないんかな。』
『なに言ってるんだ!父さんじゃなくて俺が死んでたら…』
『はいそこ〜そのかんがえがだめなんだよおとうさんがどうしてたすけたのかきみまったくわかってないよ…』
『?』
『きみがたすけられたのは愛されてたから。それだけのことだよたぶんきみのおとうさんはじぶんじしんよりもかぞくのことを大切におもっていたんだろうね。
だからきみはしぬべきじゃなかったんだよきみのおとうさんはいのちのたいせつさのなにかをおしえたかったのかもね。』
『父…さん』
またサクマの目から涙が出てきた出て来てそれをみた少女はもう一度サクマを抱いてこう囁いてきた…
『大丈夫君は強いから大丈夫君なら立ち直れるよ。』
この瞬間サクマは少女に恋をしてしまったのかもしれない。他人の事なのにこんなに言ってくれる少女に。幸福な気持ちに包まれてサクマは深い眠りに落ちて行った…
どうもこんにちは美羽です。
今回の少女の喋っている所はほぼ平仮名にしてみました。ちょっと読みづらいかもしれないかもしれませんが許して下さい。さてまた皆様に会える事を祈って。




