独り暮らし。
【Twitter企画21作目】
目の前に確かにあったものは一体どこにいってしまったのか。
それが僕が目を覚ました瞬間の思いであった。
さっきまであった温もり。さっきまであった風景。
もう、そんなものはどこにもなかった。
「はぁ、」
僕は毎日のこの感覚がとても嫌いだった。いつも、こんな感じで僕は朝を迎えるのが嫌だった。こんな気持ちになる朝なんて一生来るなと思っていた。しかし、世界は僕の意思とは関係なく、朝を連れてきて、僕の身体もそれに従うように目を覚ます。それがとても嫌いだった。
独り暮らしをはじめて約1年。もうそろそろこの感覚になれなければいけないのだろうか。
僕は憂鬱な気分で居間に向かう。そこにあるソファでまた一眠りするためだ。
そして、僕は嫌な風景を目の当たりにした。
居間に着いたのだ。そこには当然誰もいなくて、ソファがテレビを見やすいように配置されていて、端の方で僕の服が脱ぎ捨てられている。
そんな普通の光景のはずなのに。
普通のはずなのに、しつこくならされるインターホンのように僕の頭が違和感を訴えている。
断続的に、持続的に、永遠と違和感が広がるのを感じた。
なにかが違うんだ。『なにか』が違う。
『なにか』が足りないのか、それとも『なにか』が増えたのか。
理解なんてできないし、理解しようともできない。
肯定もできないし、否定もできない。
必要なものがわからない。不要なものがわからない。
なにかがありそうで、なにもない。
「オェ、」
吐き気が湧き上がってきた。
気持ち悪い。いまの僕が気持ち悪い。いまのこの感覚が気持ち悪い。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
寒い。冷たい何かに触れられている。常になにかが僕を凍えさせようとしているような気持ちの悪い感覚。
朝のあの気持ちに戻してくれ。いつも通りに今日も過ぎると思っていた僕の気持ちを返してくれ。
なんでこんな気持ちにするんだ。
わからない。なんでここはこんなことになっているんだ。
変わってない。なにもわかってない。なのに、感じるのがこの気持ちの悪い感覚。
僕は外の空気を吸おうとカーテンの開かれた窓に近づいた。いまの時期は外が寒いから開けないといけないのがすこしめんどくさいんだけど、まぁ、いい。
………………………………………あれ?
「なんで窓が空いてるの?」
─────人影が動いた。
ども。
今回はさくさく後書きをめざしていきますよー。
まず、今回の短編についてですが、これは僕が部屋で頭痛に苦しみながら書いた短編です!
あ、ちなみに頭痛は治りました!
まぁ、そんな短編なのでいつもの僕とはすこし違った作品になっていると思います。笑
では!また次の機会にー!笑