パーティ
ギルドカードが突然鳴った。
どうやら、募集した『スネークワーム討伐』クエストのパーティが集まった様だ。
募集掲示板への方へ赴く。
おお。
やはりと言うべきか、みんなブスである。
まぁ俺もそこそこのブスなので何も言うまい。
集まってきたのはこんな人達だ。
・カイネ・アーチボルド 人族 18歳 戦士 ブスlv3 ランクなし
・エミリオ・デヴァ 獣族 15歳 剣士 ブスlv5 ランクなし
カイネに関して言えば、見た目は最高だ。
顔を除けばだが。
抜群のプロポーションを誇っている。
生前おっぱいマスターあった私から見れば、おそらくFカップと言える。
垂れそうで垂れない程よい柔らかそうなお胸様である。
おっと今はそんな事を考えている場合ではなかった。
ルークは、見た目は若いブスだ。
身長も低く、体型は細身といった感じだ。
特に特徴もなくそこら辺にいる普通の獣族という印象を受ける。
だが元気がいい。ハキハキとしている感じだ。
「カイネさん、エミリオさん、初めまして。
ダンテ・アリエールと申します。どうぞよろしくお願い致します。」
「ええ、よろしくダンテ」
いきなりのタメ口できたカイネ。まぁいいけどね。
俺は大人だ。生前は29歳。精神的にもいちお大人なので些細な事ではイラッとしない。
まぁなんというか、この世界に来て一年で俺の性格も大きく変わった。
昔はもっとすぐにイライラしていた。
SE時代なんて、部下が不具合を出したら怒鳴りつける程だ。
それで上からの鬱憤を晴らさせてもたっていた。
今となれば申し訳ないと思うが、もう会わないと思うとぶっちゃけどうでもいい。
「ダンテさん、こちらこそよろしくっす。」
うむ。エミリオはいちお敬語っぽいのを使ってくる。
だが語尾に『っす』というのは頭の悪さを露呈するものの、
そんな事を気にしていなさそうなので流しておこう。
「お二人共、スネークワームの討伐参加ありがとうございます。
討伐の経験はありますか?」
「ないわ。」
「ないっすね。」
お、おう。
こいつら俺と同じ初心者か。
まぁ大罪一層にいるしまぁそんなもんか。
ブスの大罪が一番多いみたいだしな。
「では、僕と同じですね。
見たところ、エミリオさんは戦士でタンク役、
カイネさんは剣士でアタッカー役と言ったところでしょうか?」
「なによそれ?」
「え?」
「アタッカーってなによ?」
うお。ネトゲしたことねーのかよ。
ってここは異世界か。本場だな。
けどアタッカーをしらないとなるとその辺りから教える必要があるのか。
「えっと、エミリオさんはタンク役わかりますか?」
「わかんないっす。」
うむ。OKだ。
こいつらにファイナル・○ァンタジーで鍛えた俺のやり方を伝授してやる。
---
いちお説明は終わった。
「何か質問とかありますか?」
「ないわ。」
「わかったっす。」
ホントかよ。
信じるよ。いいんだね?
まぁ一対多数だと厳しいもののパーティを組んでいけばなんとなかなるだろう。
ファイアアローを何度でもぶっ放してやればなんとかなるかもしれない。
「では、スネークワーム討伐行きましょう。」
「わかったわ。」
「ういっす。」
こうして、3人でスネークワーム討伐にでる事となった。