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Re:Set  作者: SIM
14/32

Re:セーブ

 広ーい広ーい、何もない空間で。だけど、何でもある空間で──


 差出人

 宛先 佐藤 景人

 件名 Re:Game Invetate

 本文

 "《一斉神隠し》に関する全てをリセットしたい"

 承りました。あなたをゲームに招待します。


 差出人

 宛先 小林 稚流

 件名 Re:Game Invetate

 本文

 "今日、病院で起きた事をリセットしたい"

 承りました。あなたをゲームに招待します。


 このようなメールが、一人、また一人と送信されていく。

 それを送っているのは、誰だろうか?

『少女』だった。

 百五十センチメートルほどの小柄な身長。肩にかかるくらいの髪を手で払い、『少女』は笑う。

「皆面白いね……己の中で一番の絶望を与えられて、それをリセットしようとする。無かったことにしたいと考える。……最高。今回も退屈しなさそう」

 例えば、佐藤景人。

 彼は、目の前の平穏と自らの平凡さが崩れることを最も恐れている。──崩した。

 例えば、小林稚流。

 彼女は、自己犠牲によって成し得た願いと、友人が奪われることを最も恐れている。──奪った。

 そうして絶望の淵に叩き込んで、そこから救い出すかのようなメールを送る。さながら、地獄からカンダタを救い出そうとする蜘蛛の糸の如く。

 その糸に釣られて己の願いを打ち込んだ、ゲーム参加資格を持つ者たちに向かって、『少女』は言葉を投げかける。まだ届かないけれど。


「私の居場所せかいで、足掻いてみせて?」


 退屈しのぎに始めたこのゲーム……さあ、まずは何をして遊ぶ?


 ────ゲームスタート

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